【横浜】来年の日本発着クルーズ、相次ぎ発表 大手運航2社「コロナ対策を強化」

ダイヤモンド・プリンセス

 外国クルーズ船を運航する大手2社が、横浜港を拠点とする来年の日本発着クルーズ計画を相次いで発表した。新型コロナウイルス対策を強化し船内の感染拡大を防ぐと強調するが、日本政府は「現段階で国際クルーズの再開時期やガイドラインの方針は一切決まっていない」と説明。実現には課題が残されている。

 MSCクルーズ(スイス)は24日、日本に来航する客船として過去最大の「MSCベリッシマ」(17万1598トン)で来年4月から、日本発着クルーズを横浜を拠点に実施するとの見通しを発表。プリンセス・クルーズ(米国)は、コロナ集団感染が起きた「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5875トン)で来年7月1日から、横浜を拠点とした日本発着クルーズを展開する方針を明らかにした。

 MSC社は、独自の感染対策マニュアルが日本外航客船協会のガイドラインに適合したとも説明。審査した日本海事協会は「訪船審査は未実施で、日本船と同じ認証を与えたのではない」とし、今後も手続きが必要との認識を示した。

 一方、ダイヤモンド・プリンセスは消毒作業が完了し、寝具などの備品は新品に交換した。新たなクルーズでは最先端技術を導入し、非接触サービスを拡充して安全対策を図るという。

 外国船の運航再開の動きについて、国土交通省海事局の担当者は「乗客の募集が始まっていることは承知している」とした上で、「国際クルーズのガイドラインは準備中で、乗客乗員の検疫や寄港地での受け入れ態勢など解決すべき課題が多い」としている。

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