社説[立憲民主沖縄県連発足]政策実現 問われる真価

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 旧立憲民主党と旧国民民主党の合流を受け、立憲民主党沖縄県連が発足した。中央では野党第1党の勢力を誇るが、県内ではまだ存在感は薄く政策実現を含めて、真価が問われるのは、これからである。

 県連代表に就任した屋良朝博衆院議員は、名護市辺野古の新基地建設について、「日米合意が唯一の選択肢という言葉は虚偽だ」と米軍の運用見直しによって、建設中止を求める考えを示している。

 旧立憲民主党は、2019年の参院選公約で、辺野古新基地建設の中止を訴えた。県民投票や知事選などに基づき「繰り返し示された県民の民意を無視し、新基地建設を強行するのは、民主主義と自治を空洞化させる暴挙」としたのだ。

 党代表の枝野幸男氏は、先月の衆院本会議代表質問で、菅義偉首相に、「軟弱地盤の影響でいつ完成するかも見通せず建設費も膨らむ一方だ」と政権の基地政策を批判した。健全な日米同盟を発展させるために、埋め立てを中止して別の解決策を模索するべきだと訴えた。

 立民など国政野党の超党派でつくる「プログレッシブ議連」のメンバーは、米民主党内のリベラル系議員とのパイプ構築を目指し、議員外交を続けてきた。

 米大統領選挙で、民主党のバイデン氏の当選が確実となった。

 「辺野古新基地は不要」という共通認識を米議会を通じ、新政権中枢まで、共通認識をつくれるのか、注視したい。

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 ただ、県民には、苦い記憶がある。普天間飛行場の移設先を「最低でも県外」と訴えた民主党政権時代の鳩山由紀夫首相が、関係閣僚すらまとめきれず政権は「空中分解」した。後に辺野古移設に回帰し、多くの県民の期待を裏切ったことである。 

 県連結成大会で枝野党代表は「あの反省と教訓を生かし、しっかりと期待に応えたい」とし、政権奪取後に米国と期限を切らずに交渉、新基地工事中止に意欲を示した。

 一方で、那覇軍港の浦添移設に関して、枝野党代表が、地元合意があるとして、容認姿勢を示した。その後、屋良県連代表は「これから県連で検証作業に入る。容認と決まったわけではない」として、党代表の発言を事実上、修正した。

 県民の声に耳を傾け、寄り添いながら、党内で丁寧に議論を積み重ね、独自の政策づくりができるかが問われている。

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 立民は現在、県議2人、市議3人と、県政与党内でも影響力は限定的だ。

 今は小さなかたまりだが、国政野党第1党の立民が、「オール沖縄」の枠組みで共闘することの意味は小さくない。

 社民党の分裂が決定的となり、同県連には、立民合流に前向きな動きがある。沖縄の声を届けるためには、国会活動や政権交代を掲げる立民への期待があるからだ。

 今後どう政策を具体化し発信していくのか。「オール沖縄」でどのような役割を担うのか注目したい。