【まねーぶ調べ】知らなきゃ損!?年末までにチェックしたい2人に1人が実践している節税対策(2020年版)

結婚・出産やフリーランス転身を機に芽生えた節税意識、早めに取り組んで良かったとの声も

2020年11月26日
株式会社GV
まねーぶ

株式会社GV(本社:東京都港区、代表取締役社長:肥田木和弘)が運営する、クレジットカードや電子決済等のお金に関する情報メディア「まねーぶ」は、公認会計士・税理士 大橋 誠一氏監修のもと、全国の給与所得者および個人事業主368人に節税対策に関する意識調査を実施しました。

調査背景
新型コロナに振り回された怒涛の2020年も残すところ1か月余りとなり、年末調整の時期が近づいてきました。今年は非常に苦しい家計状況に悩まされ、還付金や控除などで少しでも負担を減らしたいと考えている人も多いのではないでしょうか。
まねーぶ調べでは、全国の給与所得者および個人事業主に節税対策に関する意識調査と個別インタビューを行い、今からでも間に合う節税対策や、年末調整・確定申告の書類に関する疑問・悩みについて公認会計士・税理士の大橋 誠一氏に解説していただきました。

調査回答者の属性(n=368
性別:男性42.9%/女性57.1%
年代:20代19.0%/30代43.2%/40代25.8%/50代9.2%/60代2.7%
世帯:単独世帯32.1%/夫婦のみ世帯16.0%/夫婦と子世帯35.6%/
ひとり親と子世帯4.6%/その他世帯11.7%
雇用形態:正社員(一般社員)38.6%/正社員(管理職)3.5%/契約社員・嘱託社員4.3%/
派遣社員2.7%/パート・アルバイト13.3%/個人事業主22.3%/フリーランス15.2%
個人年収:103万円未満17.9%/103万円以上~150万円未満9.2%/
150万円以上~300万円未満26.6%/300万円以上~500万円未満30.7%/
500万円以上~700万円未満10.6%/700万円以上~1,000万円未満4.1%/
1,000万円以上~2,000万円未満0.5%/2,000万円以上0.3%

調査サマリー
1.給与所得者および個人事業主のおよそ2人に1人が「節税対策をしている」と回答
2.節税対策の内容は、給与所得者(年末調整)では「生命保険料控除」が最多、次いで「ふるさと納税」
個人事業主(確定申告)では「青色申告特別控除」が最多、次いで「ふるさと納税」と続く
3.7割強が年末調整・確定申告の書類が「面倒に感じる」と回答
理由は「難しい用語ばかり」「添付書類の収集・保管が大変」「用紙の字が細かい」等の不満の声

本調査集計結果は以下から閲覧できます。
URL:https://www.money-book.jp/47841

調査1:年末調整に向けて節税対策している?

給与所得者および個人事業主のおよそ2人に1人が「節税対策をしている」と回答

全国の給与所得者および個人事業主を対象に節税対策に関する意識調査をしたところ、「節税対策している」と回答した人は49.2%という結果でした。およそ2人に1人が対策をしていることから、厳しい経済状況下で多くの人の節税意識が強まっている様子が伺えます。

調査2:どんな節税対策をしている?

節税対策の内容は、給与所得者(年末調整)では「生命保険料控除」が最多、次いで「ふるさと納税」
個人事業主(確定申告)では「青色申告特別控除」が最多、次いで「ふるさと納税」と続く

節税対策の内容については、給与所得者(年末調整)では「生命保険料控除」が60人と最も多く、次いで「ふるさと納税」41人、「地震保険料控除」と「iDeCo・NISA」が同数の23人と続きました。
また、個人事業主(確定申告)では「青色申告特別控除」が51人と最も多く、次いで「ふるさと納税」34人、「家事按分による必要経費の計上」26人と続きました。

本調査にて節税対策をしていると回答した給与所得者および個人事業主に、まねーぶ編集部による個別インタビューを実施しました。

まねーぶ編集部:実施している節税対策を具体的に教えてください

・新築マンションを購入した際に固定資産税の軽減措置の適用を受け、更に住宅ローン控除でその年の所得税の全ての還付を受け、翌年の住民税の約6割が控除されています。また、一般の生命保険料控除と介護医療保険控除と地震保険料控除で翌年の住民税の約1割を控除しています。(30代男性/正社員・一般社員)

・住宅ローン控除で所得税の節税、ふるさと納税で住民税の節税をしています。副業で不動産収入があるので、節税対策をしないと多額の税金が徴収されかなりの負担になります。(40代男性/正社員・管理職)

・自分の国民年金は年払いにして一括計上、家族の国民健康保険も自分の確定申告として使えるので控除申請をしています。医療費控除は控除される金額が少ない割に手間がかかるので利用していません。(40代女性/フリーランス)

・仕事内容が季節要因で変動するため収入にバラつきがあります。そのため、収入に合わせて報酬や経費計上を調整しています。(40代男性/フリーランス)

まねーぶ編集部:いつ頃から(何をきっかけに)節税を意識するようになったのですか?

・結婚と出産を機に家族を守るため貯蓄型の生命保険に加入しました。そして、マンションを購入した際に組んだ住宅ローンの利息分について所得税還付と住民税控除をし、家計負担を減らすために節税を意識するようになりました。(30代男性/正社員・一般社員)

・5年ほど前から不動産所得を得るようになり、翌年に多額の住民税を支払ったことがきっかけです。それからは、ふるさと納税を積極的に行っています。(40代男性/正社員・管理職)

・給与所得からフリーランスになり、給与所得控除がなくなるので収入のすべてに税金がかかるようになりました。在宅ワークで経費計上できる金額も少ないため、所得控除で節税していかないと住民税や国民健康保険税の高騰につながります。(40代女性/フリーランス)

・会社員を辞めフリーランスになってから税金の高さに驚きました。このままではマズイと思い、少しでも節税したいと思いました。(40代男性/フリーランス)

まねーぶ編集部:節税対策して、実際にどのくらいの効果がありましたか?

・所得税は年間で約10万円還付され、住民税は年間で約11万4千円控除されました。固定資産税に関しては年間で約3万5千円減額されました。そして不動産取得税に関しては県税事務所に問い合わせたところ、住宅の場合に適用される控除額の方が大きく税金が発生しないと言われ納付書が送付されませんでした。(30代男性/正社員・一般社員)

・年間で10万から20万円ほどの節税効果はあると思います。住宅ローンは3千万あれば30万円ほどの効果はあるので、低金利で借りて借入残高があればその1%が控除額になるのでかなりの効果を発揮してくれます。(40代男性/正社員・管理職)

・来年が初めての確定申告なのでまだ何とも言えませんが、年金を分割払いにして自分の分だけの国民健康保険を控除してシュミレーションしたところ、6,000円くらい所得税が出ました。そうなると住民税はもっとかかります。それが完全になくなる形になりました。(40代女性/フリーランス)

・どれくらいの節税対策になったのか調べたところ、なんと税金の15%がカットされていました。一時的な節税対策も行ったので、毎年ここまで節税できるとは限りませんが、とにかく良かったです。(40代男性/フリーランス)

公認会計士・税理士 大橋 誠一氏の考察
節税対策の意識の高さに驚きました。
サラリーマン(パート・アルバイト)の方は毎月の給与がある程度決まっており、給与所得の目安を把握した時点で「保険料控除」「ふるさと納税」などの節税対策に早期に取り組めるメリットがあります。
事業主(フリーランス)の方は変動がある分、年末ギリギリまで事業所得の把握が難しいですが、その分「青色申告特別控除」「小規模企業共済」など給与所得者にはない独自の節税対策のラインナップがあります。

調査3:年末調整・確定申告の書類が面倒に感じる?

7割強が年末調整・確定申告の書類が「面倒に感じる」と回答
理由は「難しい用語ばかり」「添付書類の収集・保管が大変」「用紙の字が細かい」等の不満の声

年末調整・確定申告の書類については、73.9%が「面倒に感じる」と回答しました。面倒に感じる理由としては、「難しい用語ばかりで理解しにくい」172人、「添付書類の収集・保管が大変」125人、「用紙の字が細かくて何を書いて良いかわからない」107人が上位回答に挙がりました。

本調査で寄せられた意見では、「毎年提出しているのに書類の記入方法を忘れてしまう」や「税制改正で変更点が多いのに何の説明もない」という声が多く、書類記述や節税に関する情報集めに苦悩している様子が伺えます。
また、「書類の電子化が進んでほしい」という声が目立つ一方で、「今年から電子申請が導入されたが、はじめてなので心配」という不安の声もあり、年末調整・確定申告に関する説明の必要性を感じる内容となりました。

公認会計士・税理士 大橋 誠一氏の考察
年末調整は毎年対応しているはずですが、年に1回しか機会がないことや、そもそも難しくて細かくて敬遠されるお気持ちはよく理解できます。特に2020年からは「基礎控除」「給与所得控除」「ひとり親控除」などに改正が入り、用紙が更に複雑になりました。
改正に関することは会社の経理担当者に任せるとしても、申告対象者である皆様ができることとしては、昨年の自分の記載内容を会社に問い合わせる(昨年の用紙のコピーをもらう)ことで、控除のもれ防止や必要書類の再確認をすることができます。これは、事業主(フリーランス)の方にもいえることで、昨年の確定申告書の控書類を保管しているだけで、かなりの助けになります。

調査4:年末調整・確定申告に関する疑問・悩み

年末調整・確定申告に関する疑問や悩みに対し、公認会計士・税理士の大橋 誠一氏に解説していただきました。

給付金や補助金を受け取った時の申告について

Q:今年は新型コロナの影響で、給付金や補助金を受けたので、それらをどのように申告すればいいのかが分からないので疑問に感じています。

A:新型コロナウイルス感染症に関する給付金などの課税関係について国税庁のHPでとりまとめています。
例えば、事業の有無に関係なく支給される「特別定額給付金(100,000円)」「子育て世帯への臨時特別給付金(10,000円)」などは非課税ですが、事業に関係する「持続化給付金(最高200万円)」「家賃支援給付金(最高600万円)」「(自治体独自の)休業要請(外)支援金」は課税対象になります。
「持続化給付金」などが課税対象になる理由としては、これらが売上・利益の補填の性格があるほか、事業活動により得た売上・利益が課税で事業活動をせずに得た給付金を非課税にすると、「働かない方が得だ」というモラルハザードを助長するといった理由が挙げられます。

はじめての確定申告で不安・・・無料相談できるの?

Q:今回が初めての確定申告なので、全てにおいて疑問があり不安です。無料で気軽に相談できる施設などがあればいいのにと思っています。

A:国税局・税務署が設置している確定申告相談会場はそのほとんどが平日昼間の開催であり、休暇を取得して行ってもたいがい混雑しており、しかも不備・資料不足があれば後日改めて・・・ということになりがちです。
また、国税局の電話相談センターは電話が集中してなかなかつながらないことも多いです。
最近は税理士会が確定申告時期に電話相談センターを設けており、税理士が無料で対応しています(不動産や株式の譲渡所得は対象外であることが多いです)ので、お住まいの地域の税理士会のHPなどを確認してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、私の経験からご案内しますが、会場・電話ともに「午前より午後」、「週の初めより中ごろ」の方が空いている傾向にあります(比較的高齢の申告者が多いせいか、病院の混雑する日・時間帯に概ね連動しています)。

ふるさと納税で損をしないためには?

Q: 住宅ローン控除の金額を無視してふるさと納税を行ってしまい、戻ってくるお金がほとんどなく2万円ほどマイナスになってしまいした。損をしたくないので寄付額を抑えがちになってしまいます。

A:「ふるさと納税」は、現実的には税金(特に住民税)を負担している方に対するご褒美のような機能となっており、おっしゃるとおり、他の税額控除によって控除枠が圧縮されていると、結果的に割高で特産品を購入してしまう結果になります。
最近は、所定の項目を入力すればふるさと納税の限度額が算出されるページが存在しています(例えば「ふるさとチョイス」HPに「控除上限額シミュレーション」のページがあり、住宅ローン控除にも対応しています)。
しかし、あくまで、「年末までに支払った」ことがふるさと納税を含む寄付金控除の適用要件であり、例えば「医療費控除」の対象額を11月末時点で集計した上で、ふるさと納税の限度額をシミュレーションしてみる(12月中に寄付する)といった取り組みも一考かもしれません。

調査概要
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年11月12日~2020年11月16日
調査対象:全国会社員および個人事業主368人
調査監修:公認会計士・税理士 大橋 誠一
※調査結果は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100とはなりません。
※調査資料は調査期間時点における回答結果に基づいて作成されたものですが、情報の正確性・完全性を保証するものではありません。

会社概要
会社名:株式会社GV( https://www.money-book.jp/company/ )
代表者:肥田木 和弘
所在地:〒108-0071 東京都港区白金台5-11-3
設立日:2008年3月17日