マラリア治療薬開発へ 長崎大、北里研究所など 共同研究

 マラリア治療薬の開発研究で連携協定を結んでいる長崎大と塩野義製薬は25日、新たに学校法人北里研究所と共同研究契約を締結した。研究所の知見を加え革新的な薬の開発を目指す。
 北里研究所は感染症研究のパイオニアである北里柴三郎博士を創始者とし、2015年には大村智・北里大特別栄誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞している。
 長崎大によると、北里大大村智記念研究所で新たに見つかった抗マラリア作用がある微生物由来の化合物群に関して共同研究し、革新的なマラリア治療薬の開発に取り組む。
 また長崎大と塩野義製薬は今年3月、国立感染症研究所とも共同研究契約を締結した。マラリアの感染メカニズムや薬の効果を分子レベルで研究し、治療薬やワクチンの開発に生かす。
 マラリアは蚊が媒介する感染症で主に熱帯、亜熱帯地域で流行。世界で年間2億人以上が感染し、死者は約40万人に上るという。
 長崎大熱帯医学研究所で連携を担当する木原毅教授は「北里研究所、国立感染症研究所との共同研究で弾みをつけ、新しい抗マラリア薬の創製につなげていきたい」と話した。

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