コロナ禍、女性の負担増 長崎でDV根絶講座

新型コロナウイルスとDVについて講演する中田さん=長崎市、アマランス

 ドメスティックバイオレンス(DV)の現状を知ってもらい、予防啓発しようと専門家らが講演する「DV根絶のための連続講座」が22日、長崎市魚の町の市男女共同参画推進センター・アマランスであった。
 12~25日の「女性に対する暴力をなくす運動」期間に合わせ、NPO法人「DV防止ながさき」(中田慶子理事長)と同センターが毎年実施。DV被害者の支援をする関係者や警察官、研究者や弁護士ら計6人が講演し、県内外から45人ほどが参加した。
 中田理事長は、コロナ禍の休校や休業で、子育ての負担が増大したり、失職したのは圧倒的に女性が多く、女性にしわ寄せが来たことに言及。コロナ禍でDVの機会が増えても、相談したり、家を出たりすることに困難さが増したと指摘し、男女間で異なる影響を考慮した政策が必要などと訴えた。
 ながさきDV加害者更生プログラム研究会の佐藤紀代子副代表は、同研究会が同市内で取り組んでいるDV加害者の更生プログラムを紹介。国や自治体レベルでの実施や専門家の育成が必要であることなど、今後の課題を挙げた。
 参加した諫早市在住の50代女性は「DVについての課題を再確認した。加害者更生などの法整備が進んでほしい」と話した。

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