2021年の初詣事情は?初詣スポットのコロナ対策まとめ【関東版】

新型コロナウイルスも第3波と言われつつあるこんにち。気が付けばもうそこまで2020年の年の瀬が近づいてきています。

今までの生活様式が一変し、激動の一途をたどった2020年。年末を気持ちよく締めくくり、新たに2021年へ祈りを込めて、初詣に行って兜の緒を締めたいと思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、皆さんご存知の通り、今年は外出自粛や3密回避、リモートワークなど「外に出かけること」を我慢する一年でした。そして、それは現在も同じです。

初詣のような「密」な状態は危険であると政府の分科会でも感染対策が示されました。神社仏閣では、年内からの「分散参拝」を推奨するなどの対策も進められています。

今回は、そんな2021年のニューノーマルな暮らしに対応した、関東の初詣スポットにおける新たな初詣のスタイルをご紹介していきたいと思います。

東京都の初詣スポット

明治神宮

初詣での参拝者数は例年300万人を超える、日本を代表する初詣スポットである明治神宮。現在公表されている情報では、新年初祈願祭の法人・団体の予約について、新型コロナウイルスの感染対策予防が公表されています。

内容としては、マスク着用の義務、昇殿する方は少人数を推奨、体調がすぐれない方は参加をご遠慮いただくという対応に加え、祈祷内容の一部変更、祈祷後の直会(御神酒拝戴)を中止するというものになっています。

残念ながら、一般の参拝客については公式ホームページ内ではまだ明確に言及されていませんが、通常参拝においては、手水舎は柄杓を撤去し流水での対応に切り替わり、境内に複数消毒液を設置するなどの対策は取られているようです。

年末に向け、これからも情報が更新される可能性がありますので、参拝を検討されている方は事前にチェックをしてみてください。

明治神宮 公式サイト

浅草寺

東京都台東区にある日本最古のお寺である浅草寺は、浅草の観光名所でもあり、多数の外国人を含め、年間3,000万人もの方が参拝に訪れるお寺です。

日本の古くからの街並みや、浅草ならではグルメを楽しめる仲見世通りは、いつも多くの人で賑わっています。

浅草寺の初詣における新型コロナウイルス対策は、明治神宮や成田山新勝寺と同じく、まだ明確に公表されておらず、一般の参拝においては、消毒の徹底と3密の回避について記載をされています。

また、本殿に昇段しての祈祷に関しては、申し込みをされた方に限って対応という水際対策がなされています。

浅草寺に限らず、ほとんどの神社仏閣が、初詣における参拝については「対応検討中」となっています。そのため、初詣が近くなった際は必ず神社仏閣の公式ホームページを確認するようにしてください。

聖観音宗 あさくさかんのん 浅草寺 公式サイト

神田明神

東京・千代田区の神田明神では、ホームページ上に掲載された絵馬やお守りを閲覧し、オンライン上で初穂料を納め、求めることができます。

自宅にいながらお守りなどを入手できるため、おすすめです。

神田明神 公式サイト

愛宕神社

神社仏閣でもIT化が進んでいることはご存知でしょうか。

東京の愛宕神社では、実は2014年から電子マネーでのお賽銭システムが実装されています。賽銭箱に設置されたQRコードを読み取ることで、電子マネーでのお賽銭が可能になっています。

愛宕神社 公式サイト

神奈川県の初詣スポット

川崎大師

こちらも毎年300万人規模の参拝客が集まる神奈川県の人気初詣スポットで、厄除けのお大師様がいらっしゃるところです。

筆者は川崎市在住のため、毎年正月になると川崎大師に参拝するのですが、毎年本当にたくさんの人で賑わっています。

川崎大師では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、元日にご祈祷するお護摩札の郵送対応を開始しています。申し込みは川崎大師の公式ホームページより申込書をダウンロードし、現金書留という形で祈祷料と申込書を郵送することで対応していただけます。

実際に参拝をするとなると、どうしても密な場面が生じてしまいます。こういった形で新年の祈祷を行ってくれるのも、ニューノーマルな暮らしに対応したとてもよい例ですね。

川崎大師 公式サイト

鶴岡八幡宮

鎌倉を代表する神社として人気の神社である鶴岡八幡宮。武士の守護神とされており、鎌倉幕府初代将軍の源頼朝にゆかりが深い神社です。

近年では、勝負の神として「勝運・出世運」のパワースポットとして有名な観光名所でもあります。

鶴岡八幡宮では、すでに境内の様子がライブで見られる「境内ライブ」を設置しています。これは境内の込み具合をライブでお伝えするために置かれたものです。

参拝客の混雑回避のために役立ててもらい、分散参拝を推奨するための工夫です。

破魔矢などの縁起物の配布は、正月から前倒しがされており、すでに求められるようになっています。正月まで待たなくても手にすることができるため、分散参拝に役立つ取り組みのひとつです。

さらに、ご祈祷の場所を屋内から本殿から外に移動をして対応することで、換気の徹底を行っています。

鶴岡八幡宮 公式サイト

寒川神社

地域の中で最も社格が高いとされ、相模国一之宮と呼ばれる寒川神社。のどかな相模線沿いにありますが、年間200万人もの参拝客を集める由緒正しい神社です。

寒川神社は、方位の厄除けである「八方除」で有名。多くの方がこの八方除を求めて訪れます。

寒川神社は、すでに初詣における新型コロナウイルス対策について公式に声明を発表しています。内容は以下の通りです。

  • 開門は午前6時、閉門は日没
  • 手水舎は、流水によるお清め
  • 境内各所窓口にアクリル板を設置
  • 境内各所に消毒液を設置
  • 茶室「直心庵」は、当面の間利用不可
  • 御朱印は書置きの紙朱印にて対応
  • 御祈祷を受ける方はマスク着用の義務
  • 郵送でのご祈祷対応
  • 御神札は御本殿に上がらず持ち帰り可能

より詳しい情報については、寒川神社の公式サイトで閲覧できますので、気になる方はご覧になってみてください。

寒川神社 公式サイト

琴平神社

photo by 琴平神社

天照大御神と琴平大神(大物主神)を御祭神とする琴平神社。川崎市麻生区の年末年始の参拝で多くの人を集める神社で、本殿までバリアフリーになっている境内などが公式サイトでも紹介されています。

琴平神社では、元旦に向けて公式サイト内で新型コロナウイルス対策が公表されています。内容は以下の通りです。

  • 御祈祷は午前9時~午後4時30分まで、30分間隔の予約制
  • ご参列の人数は、企業・個人を問わず3人までに限定
  • マスク着用の義務
  • 大声での会話はお控えいただくよう推奨

また、例年なら1月限定で行われる正月の縁起物の飾り付けの期間の延長も決定しています。2020年12月15日(火)~2021年2月末までとすることで、分散参拝の助けとなるよう対策しています。

琴平神社 公式サイト

埼玉県の初詣スポット

武蔵一宮 氷川神社(大宮)

武蔵一宮の名で信仰を集め、関東で特に有名な古社である大宮の氷川神社。その歴史は2,000年以上の歴史ともいわれており、埼玉県の都市部、大宮の地名の由来にもなっています。

初詣はもちろんのこと、12月には10日まで行われている神事「大湯祭(だいとうさい)」などが行われ、年末年始にかけて多くの参拝客で賑わいます。

武蔵一宮 氷川神社では、12月10日まで行われる大湯祭における酉の市「十日市」の中止が発表されています。この十日市では大湯祭限定の縁起物である熊手を求め多くの人が訪れますが、今年は11月30日(月)より配布が始まっています。

また、参拝道を一方通行に制限し、例年参道を彩っている露店を取りやめにするという対策も打ち出しました。

参拝という本来の目的のみに絞り、露店の代わりに提灯を飾り付けるという対応をすることに決定したそうです。

武蔵一宮 氷川神社 公式サイト

千葉県の初詣スポット

成田山新勝寺

千葉県の成田山新勝寺は真言宗智山派の大本山です。例年、初詣には300万人もの参拝者が訪れる人気のスポットです。

成田山新勝寺は初詣において、成田市観光協会と協力して新型コロナ対策を行う予定です。成田市にとって、成田山新勝寺の参道の経済効果は大きなものとなっています。そのため、自治体もなんとか新勝寺の初詣をバックアップしているようです。内容は以下の通りです。

  • インターネットで参道の混雑状況が閲覧可能
  • 入場ゲートの制限
  • 1月12日以降の市内の電子決済にポイント付与

特にユニークな取り組みが、電子決済でのポイント付与です。多くの参拝が予想される正月期間を避け、少しじらした時期にお得なキャンペーンを設けることで、分散参拝を促す仕組みです。

「密を避けると福がある」をキャッチフレーズに、自治体と神社が協力して対策を打ち出した好例です。

成田山新勝寺 公式サイト

茨城県の初詣スポット

鹿島神宮

例年70万人以上の参拝客を受け入れてる茨城県の鹿島神宮。日本建国・武道の神様である武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)を御祭神とする、日本有数の歴史を持つ由緒正しい神社です。

鹿島神宮では、新型コロナウイルス感染拡大予防において、以下のような対策を示しています。

  • 元旦に限定せず、「三十三が日」でのご参拝を推奨
  • 分散参拝を推奨
  • 三が日は楼門参入口にサーマルカメラの設置、検温
  • 参拝客のマスク着用義務化
  • 誘導員を配置しソーシャルディスタンスを確保

特に「三十三が日での参拝」や「分散参拝の推奨」は、かねてから危惧されていた「初詣の参拝者によるクラスター発生」に大きな効果が見込まれます。

鹿島神宮は、歴史ある神社でありながら、新しい信仰の形も積極的に取り組んでいる神社です。神社としては初の試みであるクレジットカードの「鹿島神宮カード」も発行し、年会費やポイントが神社に寄付される見返りに、年一回のご祈祷や返礼品がもらえる仕組みも作られています。

由緒正しい神社がニューノーマルな信仰の形に理解を示している好例と言えます。

鹿島神宮 公式サイト

2021年は安全・安心のニューノーマルな初詣がトレンドに!

今回の記事にまとめたオンラインや郵送を利用した神社仏閣の工夫は、ウィズコロナの時代において「新しい信仰の形」とも言えます。

ヴァーチャルなやりとりは、今までの参拝の形に慣れている私たちにとって、少し物足りなかったり、ありがたみがないように感じるかもしれません。

しかし、逆に言えば「新しい生活様式においても、参拝や信仰といった文化は大切にされている」という証明でもあります。

皆さんも情報収集をしっかりと行った上で、2021年の元旦は「安全・安心のニューノーマルな初詣」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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