世界初 海洋プラごみでポリ袋開発 伊藤忠商事

対馬の海洋プラスチックごみを使ったポリ袋(右)と対馬に漂着したポリタンク(左)など(伊藤忠商事提供)

 伊藤忠商事は26日、対馬の島内各地に漂着している海洋プラスチックごみを原料の一部に使ったポリ袋を世界で初めて開発した、と発表した。試験的に10万枚製造し、来年春にも対馬市や県などに無償提供する。海岸清掃などで使うごみ袋として活用してもらう方針。
 市によると、島内沿岸には年間約2万立方メートルのごみが漂着しているが、全量回収は難しく、回収は約8千立方メートルにとどまる。うち、プラごみは約2600立方メートル。ポリタンクなどのプラごみは自然に分解されにくいことから環境への影響も懸念されている。
 同社によると、ポリ袋は容量30リットル。同社の子会社で、ごみ袋メーカー日本サニパック(東京)と共同開発した。対馬に漂着したポリタンクの一部を市から買い取り、破砕した上でポリエチレンのペレットに加工。通常のポリエチレンのペレットと混合し、成形した。海洋プラごみは紫外線の影響で劣化し、塩分も付着していることから高い技術力が必要だったとしている。
 市環境政策課は「ありがたい。島内の海岸清掃などで使うほか、空港や港で配布し、対馬の循環型社会への取り組みを発信したい」としている。

 


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