来年3月末、営業終了 富山第一ホテル

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 富山市桜木町の富山第一ホテルを経営する富山アメニティシステム(同市)は26日、来年3月末にホテルの営業を終了すると発表した。ホテルは1982(昭和57)年に開業し、富山県内で最も古い都市型ホテルの一つとなる。ホテルが属する企業グループが事業再編を進める中、設備の老朽化、コロナ禍の売り上げ減少が閉館の決め手となった。富山駅前では複数のホテル建設が始まっており、将来的な競争激化も見据え、歴史に幕を下ろすことになった。

 26日、同ホテルで、富山アメニティシステム親会社のGRN(高岡市)の稲垣晴彦社長、関口真弘富山アメニティシステム社長、稲垣仁総支配人が会見した。

 2019年のホテルの売上高は14億円で、ピークだった1991年の30億円から半減した。今年は1カ月の休館期間を含む1~10月の売り上げが4億円で、赤字に陥った。主力の宴会部門の売り上げは前年比で7割減、宿泊部門は4割減となっている。

 コロナ禍でホテル業を巡る市場の先行きがさらに不透明になる一方、老朽化した館内の改修工事は耐震補強などに多額の費用が見込まれる。GRNの稲垣社長は「根本的な対策を打てない。経営者として社員に生き生きと働く場所を提供したい。赤字の会社で働いてもらうのは理念に反すると考えた」と話した。

 ホテル事業から撤退するが、法人としての富山アメニティシステムは食堂や売店を運営するフードサービス部門を残して存続する。

 ホテルで働く正社員は74人(1日時点)で、グループ内の他の部門に転属させて雇用を維持する。ホテル業界での転職を望むスタッフには、紹介やあっせんで協力する方針という。約70人の契約社員やアルバイト、パート社員は営業終了により契約解除とする。

 ホテルの土地と建物はGRNが所有しており、当面は解体しない。GRNは不動産を売却せず、周辺で構想が浮上している再開発計画に地権者として関わり、議論の進ちょくを見ながら建物を解体する。再びホテル事業を手掛けるかどうかも今後の計画の進展次第になるという。