「誰もが栗原になれる」 元鷹コーチが語る10連覇の現実性とブレーク予備軍

ソフトバンク・栗原陵矢【写真:荒川祐史】

孫オーナーは早くも5連覇を厳命、可能性は高い

25日にPayPayドームで行われた「SMBC日本シリーズ2020」第4戦はソフトバンクが4-1で巨人を下し、4年連続日本一の座に輝いた。巨人のV9以来、パ・リーグでは初となる4年連続日本一に、試合を観戦した孫正義オーナーは5連覇も厳命。過去には巨人V9を超える10連覇を目指すよう伝えているがソフトバンクで昨年までコーチを務めた飯田哲也氏は「ホークスはまだまだ強くなる要素はある」と話し「誰もが栗原のようになれる」と、栗原、周東に続く来季の新戦力の台頭を期待した。

代走要員だった俊足・周東がレギュラーの座を掴み、控え捕手だった栗原がベテラン内川からポジションを奪って主軸の1人へと成長を遂げた今年のソフトバンク。圧倒的な力の差を見せつけ、セ・リーグ王者の巨人をわずか4試合で退けたが、飯田氏は今年のソフトバンクの戦いぶりについて、こう語る。

「今年は前半戦、デスパイネ、グラシアルが来日できない中、苦しい戦いからのスタートだったが、栗原ら若手が出てきて、チームも踏ん張って、終盤、みんなが揃ったところで一気にエンジンをかけてライバルを抜き去った。万全じゃない中を乗り切ってのリーグ優勝、日本一は非常に価値があるし、ほかのチームはホークスは強いと実感したと思う」

そして飯田氏は、今年台頭した栗原、周東のさらなる成長を期待しているという。

「栗原は打てない時期もあったが、日本シリーズを経験して自信もつけただろうし、自分に足りないものも分かった。本当の勝負はこれから。まだまだ大きく成長して欲しい。周東はシーズン終盤にできていたことが日本シリーズではできなかった。このシリーズで勉強したことを来年出して欲しい。周東が1番にいると相手にとってはすごく脅威になる」

12球団一厚い選手層。圧倒的な強さで4連覇を飾ったソフトバンクだが、今後もまだまだホークスの常勝時代が続いていくのか。飯田氏は「ホークスはこれからまだまだ強くなる要素はある」と、10連覇の可能性に言及し「誰もが今年の栗原のようになれる」と、ソフトバンクが投打ともに、さらに新戦力が出てくる環境にあることを指摘した。

ソフトバンク・リチャード【写真:藤浦一都】

笠谷、リチャード……楽しみな選手は続く

投手陣は、千賀、東浜、石川、ムーア、和田という先発陣の中で若手の笠谷が台頭してきた今シーズン。岩嵜もケガから戻り、日本シリーズでは森、モイネロの前の7回を任される存在になった。リリーフ陣の多くは150キロを超える直球を投げ、改めて層の厚さを見せつけた。

飯田氏は「中継ぎでもいい選手はいっぱいいる。与えられたところできっちり抑えて次のチャンスをもらう。いきなり千賀を目指すのではなく、しっかり実績を作って育っていってくれれば、まだまだ投手王国は続くと思う」と、この先も盤石であることを強調する。

そして「抜け目がないチームで、ベンチに入るのも難しい。来年は甲斐野、高橋純平も故障明けで戻ってくる。左は笠谷だけでなく古谷にも期待している。こういった選手たちが出てきたら面白いかなと思う」と、新戦力の台頭の可能性にも触れた。

その期待は打線でも同じだ。「(長打力のある)リチャードが三塁の松田(宣)を脅かす存在になれば面白い。外野も層が厚いけど、上林やバレンティンにもチャンスはある。チーム内競争が激しくなれば、チームも活性化してレベルも上がっていく」。

3軍制度を生かし、豊富な資金力を武器に補強と育成を並行して行い、先を見据えたプランニングで常勝軍団を築き上げているソフトバンク。このサイクルが今後もうまく継続されれば、巨人の9連覇を上回る、夢の日本シリーズ10連覇も現実味を帯びてくるかもしれない。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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