オリ西浦が発症「特発性大腿骨頭壊死症」とは? 専門家が解説、歩行困難の場合も

オリックス・西浦颯大【写真:荒川祐史】

芝浦スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司氏が症状などを説明

オリックスから戦力外通告を受けた西浦颯大外野手が「両側特発性大腿骨頭壊死症」と診断されたことが明らかになった。年内までに手術を行い、復帰を目指していく予定という右腕が立ち向かう難病について、芝浦スポーツ整骨院・はり治療院の新盛淳司院長が解説してくれた。

大腿骨頭壊死症(だいたいこっとうえししょう)とは、足の付け根にある大腿骨頭の一部の血流が悪くなり、骨が壊死(えし)する病気です。原因がはっきりしていない場合、特発性(とくはつせい)の大腿骨頭壊死症と呼ばれます。厚生労働省の特定疾患に指定されています。

当院でも、急な股関節の痛みを訴える患者さんには、この病気も念頭に置いて、患部をチェックしています。

発症の原因がはっきりわかってません。ステロイド剤の使用やアルコールの多飲に関連して生じることが多いとされています。日本での新規発生件数は年間2000人程度。年齢30代~50代、男性の方がやや多いと言われています。

進行が予想される場合は骨切り術、さらに進行すれば人工関節手術が必要

骨壊死しただけでは自覚症状はないと考えられています。股関節のソケット部分にはまっている、大腿骨頭と呼ばれる部分の壊死が進み、潰れてくると歩行などでも痛みが生じます。

自覚症状としては比較的急に生じる股関節痛が特徴的です。症状が軽い場合は、杖の使用。体重管理、運動管理などで股関節にかかる負荷を軽減しながら経過を見ます。

しかし、自覚症状があり、進行が予想される場合には、骨切り(こつきり)術と言われる手術が必要になるケースもあります。これは壊死している部分に負荷がかかることを回避するために、骨を切って、負荷のかかる位置をずらす。体重が今かかっている部分の変形を抑制することが目的になります。

更に進行している場合、もしくは自分の骨を温存することが困難な場合は、人工関節手術が行われます。

関節の可動域が狭くなり、歩行が困難になるリスクもあります。西浦選手は手術で競技復帰を目指すとニュースで見ました。難病を乗り越えて、フィールドに復帰できることを心より祈っています。(Full-Count編集部)

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