「西九州食財」情報発信を 知名度は1割未満、3都県で需要調査

西九州食財の需要調査結果の報告会=佐世保市保立町、市総合教育センター

 佐世保市と近隣5市町で生産された農水産物「西九州食財」がどれぐらい需要があるのかについて東京、福岡、沖縄の3都県で調査した結果が25日、同市内で報告された。それによると「名前を聞いたことがある」と回答した人は1割未満にとどまった。
 同市などは長崎ハーブ鯖や九十九島かきなど約50品目を「西九州食財」と銘打ち、国内外への販路拡大を進めている。調査は、静岡県立大経営情報学部の岩崎邦彦教授に依頼。10月に3都県各300人にアンケートした。
 岩崎氏は報告会で、「食財」のほとんどの品目で「名前を聞いたことがある」と回答した人が全体の1割未満だったことから「ブランド力に課題がある」と指摘。一方、長崎和牛や西海みかん、小串トマトなど、2割以上が「買いたい」と回答した品目もあり「潜在的な需要はある」と見解を述べた。
 今後の展開について「競合ブランドにはない個性の強化と情報発信が必要」と助言。「まずは地元でシェアを伸ばし観光業や飲食店と連携して、食財と出合える場を増やすべきだ」と呼び掛けた。参加した生産業者や自治体関係者ら約40人は真剣に耳を傾けた。
 26日は西九州食財の産地を巡るツアーがあり、市内のホテルなど3事業者が参加。長崎ハーブ鯖やマダイの生産現場を見学した。

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