国宝の関連写本を新たに発見 横浜で初公開へ

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「諸尊図像」明王部「降三世明王」断簡(金沢文庫提供)

 県は26日、県立金沢文庫(横浜市金沢区)が保管する国宝「称名寺聖教(しょうぎょう)」の関連写本が新たに見つかったと明らかにした。欠落部分を補う写本もあり、金沢文庫の瀬谷貴之主任学芸員は「鎌倉地方における鎌倉仏教を考える上で、貴重な資料の発見」と話している。

 称名寺聖教は北条実時が建立した同寺に伝来する仏教の史料群で、約1万6千点が国宝に指定されている。今回、発見されたのは金沢文庫にしか写本がないとされてきた密教図像集「諸尊図像集」の関連写本など約10点。芸術家北大路魯山人の旧蔵品で、現在は個人が所蔵している。

 同館の研究活動の一環で見つかり、画風が似ていることなどから関連写本と判明した。中でも火炎を背に負った「降三世明王」の図は、称名寺聖教では欠落していた。

 瀬谷さんによると、かつて称名寺にあったものが寺の外に散逸した可能性があるという。「称名寺に残されていれば、史料群の一部として国宝に指定されていたかもしれない」と話す。

 発見された約10点は、12月4日から金沢文庫で開催される特別展「東アジア仏教への扉展」で初公開される。