高齢者支援に「チョイソコ」 免許返納やバス減便で…通院や買い物に送迎サービス

「チョイソコ利用が広がって、免許返納の後押しになればうれしい」と話す吉田さん=雲仙市国見町土黒

 「車を運転していて周りを見ると、お年寄りの運転が目立つ」。地域の人口が減れば路線バスは採算が取れず減便や撤退。車がないと生活できない高齢者は免許を返納できず、不幸な事故につながる。
 こんな問題意識を抱えていたところ、雲仙市の要請を受け、乗り合い送迎サービス「チョイソコうんぜん」実証運行の協議会に参加。国見-愛野地区に約400カ所の停留所を設け、市が用意したワゴン車を、市内のタクシー会社4社で10月から運行している。
 チョイソコは高齢者の外出支援が目的。「利用が増えて免許返納の後押しにつながればいい」と考えていたが、新型コロナ禍で外出を呼び掛けにくい状況をもどかしく感じている。
 本業のタクシーは宴会などの自粛で客が減っているものの、通院や買い物で利用する高齢者は相変わらず多い。乗り合いの実証運行に取り組む一方で、「タクシーの『ドアツードア』は乗り合いにはない価値」と、本業の強みも再確認している。
 タクシー事業を主軸に、チョイソコ実証に携わりながら「地域の足」として走り続けていく。

 


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