パナソニックと小田急が「安心ゲート」の実証を来春実施 MaaSアプリ連携も視野に

パナソニック株式会社と株式会社小田急百貨店は、「安心ゲートソリューション」の実証実験を10月30日から開始。非接触で体温を測定しながら除菌ができる「安心ゲート」を小田急百貨店新宿店の出入口3カ所に設置した。

今後は、施設内の混雑状況データを収集し、利用できる場所・時間帯・ルートなどの情報を来訪者に提供して、密を回避しながら移動ができる安心・安全な移動体験の実現を目指す。さらに2021年春頃には、第2弾として対象エリアを広げて「安心ゲート」を用いた実証試験を予定している。

店舗内の出入口に設置する「安心ゲート」

「安心ゲート」は、スプレーによる手指の除菌に加え、微細なミスト状の電解除菌水を足元に噴射する機能のほか、カメラで顔検出を行い、表面温度を測定する機能も搭載している。顔検出機能ではマスクの着用状況も判別できるため、マスクをしていない場合は着用を促す案内も画面で表示される。

ゲート上部に設置したカメラで、店舗や施設内の混雑状況を検知するとともに施設来訪者の属性(年齢・性別など)の傾向を把握することもできる。現在、小田急百貨店新宿店の中央口・モザイク通り口・カリヨン北口の3カ所に設置されている。

安心で楽しい買い物体験を提供する

新宿駅周辺は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い来訪者が38.5%減少

し、現在もエリア内の経済活動において大きな影響を受けている状態だ。一方、消費者の「外出自粛等の解除後にやりたいこと」として「デパートや店舗での買い物」というニーズは27.6%

と高く、実店舗におけるリアルな買い物体験が求められているという。

※1:内閣官房「全国主要駅・繁華街エリアにおける人流の動向」対感染拡大前比【1/18~2/14の休日平均との比較】(2020年10月17日時点)

※2:三井住友信託銀行 調査月報 2020年7月号「ウィズ・コロナにおける百貨店への処方箋 ~コロナ禍で浮き彫りとなった「買い物」ニーズ~」

パナソニックの担当者によると、「今回の実証では、『3密の回避』『衛生管理』『感染拡大の抑止』、そして『新しい買い物スタイル』という4つのアプローチで、安心で楽しい体験の提供を目指す」としている。

なお、今回の実証実験は来年2月末まで実施する予定だ。

手指の除菌と足元に電解除菌水を噴射(左)
マスク着用を促す表示(右)

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