無垢材テーブルは愛着が増す|簡単にできる日常のお手入れ、オイル塗装のメンテナンスを紹介

無垢材は、長い時間をかけて使い込むほど深みが増し、独特の味わいを楽しめるのが魅力です。無垢材をずっと使い続けるために、毎日のお手入れや定期的なメンテナンスを行いましょう。ここでは、オイル塗装またはウレタン塗装した無垢材家具のケアについて紹介します。

長く使うほどに「味」が出る、無垢材家具の魅力

さまざまなインテリアスタイルと相性のいい素材「木材」。フローリングや壁面の内装に使われるほか、ダイニングテーブルや収納棚といった大型家具にも使われます。このように木材を使用した家具は数多くありますが、なかでも「無垢材」の家具は天然木ならではの魅力が豊富で、本物志向の人から選ばれています。

無垢材の最大の特徴は、天然木のみを使用していることです。複数の木材を貼り合わせた木材とは異なり、無垢材には接着剤などの化学物質が含まれていません。天然木の持つ温もりや重厚感がそのまま受け継がれ、長く使い込むほど味わいが増していきます。

また、無垢材家具は大量生産が難しく、同じものは世界にひとつしか存在しないため、愛着を持って使うことができます。そんな無垢材家具の状態を良好に保つには、毎日のお手入れと定期的なメンテナンスが必要です。長く使い続けるために、以下で紹介する方法でケアしましょう。

無垢材家具の代表的な塗装方法には、植物性のオイルを浸透させる「オイル塗装」と、樹脂を含む塗料でコーティングする「ウレタン塗装」が挙げられます。塗装によって必要な手順が変わるため、自宅の無垢材家具の種類に合わせて選びましょう。

購入してから「半年」はオイルをこまめに足す

まず「オイル塗装」で仕上げた無垢材家具のケアを紹介します。オイル塗装は、無垢材の表面から植物性のオイルを染み込ませるのが特徴です。木材の表面は塗膜でコーティングされていない状態です。浸透したオイルは、塗膜のような役割を果たし、天然木そのものの風合いを保ちつつ、汚れ防止の効果が期待できます。

また、オイル塗装された木材は、経年変化で色やツヤに深みが増し、使い込むほどに独特の味わいが出るのも魅力です。一方で、オイル塗装された木材は使い続けるうちにオイルが抜けて、表面が乾燥してカサついたり、色が変化する可能性があります。

購入してから半年は、不足した油分を補うために、定期的にオイルを足すメンテナンスを行いましょう。オイル塗装の無垢材テーブルのメンテナンスは、2カ月に1回のタイミングを目安に実施してください。適切な方法でオイルを補充すると、色合いの深みが増し、キズが目立ちにくくなります。

無垢材テーブルのお手入れは「オリーブオイル」で簡単にできる

無垢材テーブルのメンテナンスでは、補充に使うオイルを用意する必要があります。可能であれば、家庭でのメンテナンス向けに発売されている、市販のオイル塗料を揃えておきましょう。オイル塗料は、植物性のオイルを原料としており、なかには食用としてよく知られる大豆油・ひまわり油・アマニ油・エゴマ油・米油などを使用した商品もあります。

天然素材にこだわりたい方は、オイル塗料の原料に注目してみましょう。これらのオイル塗料の代わりに、自宅にある食用のオリーブオイルを使っても、簡単に作業を済ませられます。オリーブオイルの場合、オイル塗料と同様の使い方ができるため、後述のメンテナンス方法を試してください。

ウレタン塗装の家具はキズや汚れに強く、メンテナンスも不要

次に「ウレタン塗装」で仕上げた無垢材家具のケアについて紹介します。ウレタン塗装では、ポリウレタンをはじめとした、樹脂を含む塗料で無垢材をコーティングするのが特徴です。こうして表面に塗膜ができると、樹脂が木材を覆って保護し、無垢材をキズや汚れから守ります。

塗膜には独特のツヤがあり、オイル塗装とは違った、光沢のある見た目に仕上がります。一方で、天然木そのものの風合いや香り、調湿機能は弱まります。ウレタン塗装の無垢材家具は、樹脂によって保護されているため、オイル塗装のような定期的なメンテナンスは不要です。汚れが付いた場合の拭き取り掃除や、毎日のお手入れを欠かさずに行うだけで、きれいな状態を保てます。

短期間で何度も塗り直しをする必要はありません。ウレタン塗装の無垢材家具は、使用するうちに少しずつ劣化していきますが、長持ちしやすいのがメリットです。塗装が劣化したら、専門業者に依頼して塗り直しを行いましょう。

毎日のお手入れ方法

無垢材家具は、オイル塗装とウレタン塗装のどちらの場合も、毎日のお手入れが欠かせません。基本的に無垢材は長く使い続けやすい素材ですが、日々のケアを積み重ねながら大切に使ったほうが、良い状態を保つことが可能です。無垢材家具は、長期間にわたり使い続けることを前提に、毎日のお手入れを欠かさずに行いましょう。

固く絞った布で水拭き

無垢材家具の日常のお手入れのポイントは「水分の除去」。固く絞った布で水拭きした後は、別の布で乾拭きを

無垢材家具の毎日のお手入れは、固く絞った布を使って水拭きします。ここで注意したいのは、無垢材の表面に水分が残らないようにすることです。水拭きに使用する布はきちんと絞り、仕上げに別の布で乾拭きして、水分を完全に取り除きます。こまめに水拭き掃除を行うことで、無垢材に付着した汚れやホコリを取り除けます。とくに毎日の食事に使うダイニングテーブルなどの家具は、毎日欠かさずお手入れしましょう。

無垢材テーブルのメンテナンス方法(オイル塗装)

最後に、オイル塗装の無垢材テーブルの、定期的なメンテナンス方法を紹介します。とくに購入してから半年以内は、まだ無垢材のオイルの塗り重ねが少なく、すぐに乾燥しやすい状態にあります。2カ月に1回のタイミングでオイルを足すよう心がけましょう。

オイルが不足すると、天然木ならではの自然なツヤが失われ、表面の汚れが落ちにくくなるおそれがあります。また、木材が湿気を吸収しすぎて、カビが発生する原因にもなるため、忘れずにオイルを補充してください。

①水拭きして、完全に乾燥させる

まずは、オイルを補充する前の下準備です。無垢材の表面を水拭きして、汚れやホコリを落としてください。このとき、毎日のお手入れの方法と同様に、水拭きに使う布はきちんと絞って、木材に余分な水分が付かないようにするのがポイントです。必要に応じて乾拭きを行い、次の工程までに完全に乾燥させておきます。

キズやシミがある場合は、オイルを塗る前にサンディング

キズやシミが目立つ場合は「サンディング」の作業を。表面をやすりで削り落とすだけで、きれいな状態に仕上がる

無垢材の表面にキズやシミがある場合は、オイルを塗る前にサンディングの工程を済ませておくと、よりきれいに仕上がります。サンディングとは、無垢材の表面を紙やすり(サンドペーパー)で削り取ることです。表面をわずかに削るだけでも、キズやシミのある部分が取り除かれて、きれいな状態に整えられます。サンディングは、以下の道具を用意しましょう。

・サンドペーパー
・当て木
・布
・マスク

サンドペーパーは、目の粗いもの・やや目の粗いもの・目の細かいもので、3種類あるのが理想です。当て木はサンドペーパーを表面に巻いて使います。当て木があると、サンディングでの負担が少なくなり、きれいに仕上がるため、用意したほうが安心です。布は木くずを拭き取る工程で使います。使い捨てできる、不要な布を用意してください。マスクは作業中に発生する木くずを吸い込むのを防ぐために着用します。

《ポイント》やすりは目の粗いものから

サンディングは、無垢材を清潔で乾燥した状態に整えてから行います。まずは表面を乾拭きして、水分が付着した箇所は十分に乾燥させてください。作業を始める前にマスクを着用して、準備を整えます。

サンドペーパーは、もっとも目の粗いものから始めて、もっとも目の細かいもので終わるように使います。まずは、目の粗いサンドペーパーを当て木の表面に巻いて固定してください。その後は無垢材の木目に沿って、当て木を動かしていきます。

このとき、真っ直ぐに、均等な力をかけて削るのがポイントです。すべての面にやすりをかけたら、当て木のサンドペーパーを交換します。同じように、やや目の粗いサンドペーパーと、目の細かいサンドペーパーでサンディングを行いましょう。

一番目の細かいサンドペーパーで削り終えると、無垢材の表面がなめらかに仕上がります。最後に、水で濡らした布を固く絞り、表面の木くずを拭き取ったら完了です。サンディングを行った場合は、オイルを塗る前に、木材を完全に乾燥させてください。水分が含まれたままオイルを塗ると、油分が十分に染み込みません。しっかり水分を取り除きましょう。

②ウエスでオイルを塗る

「ウエス」とは、オイルを塗る布のこと。使い捨てできる不要な布でOK。木目に沿ってムラなく塗るのがコツ

いよいよオイルを補充していきます。用意するものは、オイル塗料とウエスです。オイル塗料は、オリーブオイルで代用してもかまいません。ウエスとは、清掃に使用する使い捨ての布のことです。オイル塗料をウエスに付けたら、無垢材の木目に沿って、ムラのないよう薄く塗っていきます。オイル塗料の付けすぎや、塗り残しに注意しましょう。オイルを付けすぎると、ベタついてしまいます。

③タオルでオイルを拭き取る

オイルを塗り終えたら、仕上げに拭き取りを行います。先程のオイルを塗る工程で使ったウエスとは別に、オイルの付いていない新しいウエスか、タオルを用意しましょう。無垢材の表面を乾いたウエスでしっかりと乾拭きしてください。手で触ったときにベタつきが感じられない程度を目安に、全体をまんべんなく拭くのがポイントです。オイルの拭き取りが不足すると、木材が乾燥しにくくなるため注意しましょう。

④半日以上乾燥させる

オイルの補充が完了した無垢材は、半日以上(12時間)乾燥させます。乾燥具合は季節や気候により異なるため、必要に応じて放置時間を延長して調整してください。また、無垢材が完全に乾燥するまでには、一般的に1週間前後の時間がかかります。オイルのベタつきが気になる場合は、しばらくカバーをかけて使用する方法もあります。オイルを足した直後は、しばらく様子を見ながら使いましょう。

⑤オイルが付着したウエスを処分

作業の最後に、オイル塗料が付着したウエスの処分を行います。オイル塗料を含ませたウエスや、拭き取ったウエスは、多量の水で濡らして、袋に入れてから捨てましょう。ウエスに多量の水分を含ませるのは、一部のオイルが自然発火するおそれがあるためです。過去に、店舗等でオイルが染み込んだ布が原因で出火した事例もあります。作業後は、安全に配慮して処分してください。

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