女子アナ横井弘海の「エンタメ時間」パンダの香香に会えるかな

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上野動物園の人気者、ジャイアントパンダ「香香(シャンシャン)」を中国に返還する日が迫ってきました。日本を離れる日時は公表されていませんが、2020年12月31日までには戻さないといけません。

中国に旅立つ前には検疫期間が30日程度あります。その間も観覧できるかどうかは検疫官の判断なので、現時点ではいつまで見学できるかもわかりません。さらに帰国後、どこで飼育されるかなども発表されていません。

わからないことだらけですが、お別れの前に、香香に一目会いたいという人たちが、いま連日動物園で行列を作っています。

実は私もそのひとり。パンダが大好きです。昔、中国の成都に行ったとき、中国大熊猫保護研究中心というパンダの繁殖研究センターで、脱力感いっぱいでゆったり遊ぶパンダを見て以来、その可愛いさにメロメロです。

香香は、父・力力(リーリー)と母・真真(シンシン)の間に、2017年6月12日に自然交配で誕生した女の子です。生まれて5日目の体重はわずか178.9グラム、体長は16.4センチだったのが、3歳となった今年11月5日(1242日齢)には体重75.8キロで、もうお年頃です。

香香に会うには、動物園のサイトから整理券を予約する必要があります。毎週土曜日午前9時に、翌週の土曜日からその次の金曜日までの受付を開始します。

入園時間は15分間ごとに分かれており、先着で好きな時間を選べますが、初回の9時30分から12時頃までは、申し込み開始とほぼ同時に定員に達してしまいます。何度もトライしていますが、午前中はほぼ空いていたためしがありません。

なぜ午前中が混むのか。香香は1日のうち12~17時間ほどは休息していますが、午前中は起きていることが多いとか。もうひとつの理由は、朝一番に動物園に来て、あとは閉園までゆっくりと香香を見続けたい人が多いからだそう。

とはいえ、夕方も起きていることがあるという情報を聞き、午後3時半の回を予約しました。当日、動物園入口で整理券を見せて入場券を購入。園内で促されるままパンダ舎に進めば、香香を最前列で見られるではないですか!

香香は好物の笹をムシャムシャと食べている最中。私たちに正面を向いて座り、無心にササをかじる姿はなんと愛らしいことでしょう。

それにしても、脇にきれいに並べられたササのみずみずしいこと。大事にお世話されている様子が感じられます。

待たずに香香を見られるこのシステムは最高! でも、このときは写真撮影は禁止、立ち止まるのも禁止です。甘美の時は5分といったところです。

もう一度見たい、写真に香香の姿をどうしても収めたい人は、2 回目からの列に並ばなければなりません。平日は1時間半、土日祝日は2時間待ちがふつうで、今後はさらに待ち時間が増えることが予想されます。

また、2回目以降の見学の列に並べる最終時間は、待っている人の人数によって異なります。私が行った日は午後3時半に受付終了。つまり、3時半の整理券を持った私は2回目の列に並ぶことすらできず、香香の両親が暮らす西園のパンダの森の見学時間にも間に合わず、出直しました。

翌週は午後2時の回へ。
香香はうつぶせでお休み中でした。残念。でも熟睡していないのか、左足を膝から曲げて伸ばすしぐさをしています。それを見ただけで「キャー、かわいい」と黄色い歓声が上がります。

その後、私は2回目ラインに並び、本を読みながら逢瀬の時間を待ちました。 待ち時間はお約束どおり1時間半。再び午後3時半過ぎ。香香はまたササをムシャムシャしていました。この時間は食事タイムなのかしら?

やっぱり何度見ても可愛いなぁ。「本当に帰ってしまうの? どうぞすてきな伴侶を見つけて、元気に暮らしてね」と、いろいろ心の中で話しかけました。参考までに、この日、2回目以降の列は3時15分で受付終了でした。

ところで、パンダをめぐる議論やファンの想いはいろいろあります。「出生地主義」にしてもらえば香香が日本国籍(?)になるから返還しなくていいのにとか、2021年2月まで10年間の期限つきで中国から賃借している力力と真真はその後も日本にいてほしいとか、東京都が中国に支払う年間1億円以上のレンタル料はもっと安くならないのか、などなど。

でも、その話はいまはやめましょう。香香とは別の、真新しい立派なパンダ舎で元気に遊んでいた真真と力力には、また元気な子を産んでくれるよう、そして香香にはどこにいても元気でいてくれるよう、心から願っています。

香香が日本を離れるまで、あと何回会えるでしょうか。

●恩賜上野動物園
開園時間 9:30~17:00(入園は16:00まで)/休園日 月曜日
※開園日時は変更になる場合あり。最新情報は公式サイトで要確認

横井弘海(よこいひろみ)
東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業後、テレビ東京パーソナリティ室(現アナウンス室)所属を経てフリー。アナウンサー時代に培った経験を活かし、アスリートや企業人、外交官などのインタビュー、司会、講演、執筆活動を続ける。旅行好きで、訪問国は70カ国以上。著書に『大使夫人』(朝日新聞社)