ナチュラル素材のインテリアで心地良い暮らしを《素材の種類と空間作りのヒント》

【1】ナチュラル素材のインテリアを

ナチュラル素材や天然素材とは科学的なものではなく、自然界にあるもののみで作られた素材のこと。
家に入った瞬間にほっとひと息つける、思わず深呼吸したくなるような清々しい居住空間を求めるなら、ナチュラル素材でできたインテリアを意識してみて。都会の暮らしでもそれらを室内に取り入れることで、温かみのある癒しの空間を演出することができます。

個性溢れる天然木材の魅力

最近では木目をプリントしたものを張り付けた化粧合板もあり、その見た目は美しく本物と見分けがつきにくいほど。でもやはり自然が生み出す天然木の表情や質感は、私たちを寛がせ温かい気持ちにしてくれるのです。
天然木材の持つ魅力には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

1.杢(もく)

木の個性のひとつである木目の中でも、特に装飾性の高いものを杢と呼ぶそうです。杢は樹木が育つ過程でその環境の中で生まれるのだとか。
その中でもインテリアなどで比較的よく見られるのが、オークや楢(なら)などに現れる「虎斑(とらふ)」。木目を横切るような斑紋で、虎の毛のような模様に見えるためそう呼ばれています。
ほかにも筍の断面のような模様の筍杢や、ギザギザした模様が特徴の笹杢など、木によって現れやすい色々な種類の杢があります。
こだわりの強い人は杢で選ぶこともあるほど、木材の印象を決めるものだとか。

2.経年変化

天然木は自然そのもので、家具になってからも呼吸をして生きているのだそう。年月を重ねるほどにツヤが際立ち色味が深まる、また伸縮や反りが起こりやすいなどの変化は、天然の無垢材ならではの特徴です。
まるで暮らす人と一緒に年を重ねているようで、愛着が湧いてきますよね。

ファブリックにもナチュラル素材を

ナチュラル素材のインテリアは、木材だけではありません。空間の印象を決めるカーテンやクッション、ベッドルームのリネンなどのファブリックも含まれます。

自然界にあるもので作られた素材は、触れるだけでほっと心が和みますよね。そういった癒しの効果だけでなく、天然素材は実用面でも優れてます。
例えば丈夫で長持ちする傾向があり、その上吸湿性や保湿性が高いため肌への負担が少なく、一年を通して快適に使うことができるのです。
また木材と同じように、ファブリックも時間を経るほど風合いが変化し、肌馴染みもよくなるのも特徴です。

またコットンやリネンなどファブリックの種類によっても、風合いや特徴が違うのでそれぞれの部屋に合ったものを取り入れる工夫をしてみては。

インテリアに使われる素材の種類は?

インテリアでよく使われている素材の種類や特徴をご紹介します。
今の内装に合いそうな、気になる素材があるかもしれませんよ。

天然木材の種類

硬く丈夫で耐久性に優れたオーク、白っぽい色からの経年変色が味わい深いパイン、重厚感のある木目の美しいウォルナット、手触りがよく頑丈なチークはインテリアショップでよく見かける人気の木材です。
これらは特に、ナチュラルスタイルの空間によく合うのでオススメです。

編み込み系家具の素材

アジア系や北欧系のインテリアには、植物素材を編み込んだ雑貨や家具があります。
とにかく人気の高い温かみのあるラタンは、ヤシ科のツル性植物。どこか懐かしく趣のある素材で世界中で愛されています。それに比べて透けるような美しさの白樺は家具はもちろん、樹皮は北欧の伝統工芸にも使われています。
ほかにも草を使用したストローや日本では馴染み深い竹も人気で、和室との相性もピッタリ!

人気の自然素材のファブリック

リネン、コットン、シルクなどは、代表的な天然のファブリック素材です。
リネンは麻のことで、柔らかくしなやかさが特徴。また繊維に含まれる成分「ペクチン」のおかげで汚れにくく、「セルロース系繊維」のため防虫効果が期待できるというのも、ファブリック系インテリアで幅広く利用される理由のよう。

コットンは馴染みの素材で、リーズナブルさもあり人気。また繊維に色が入りやすい特徴から製品のカラーバリエーションが豊富で、柔らかく吸水性があります。

繊細さと光沢感が特徴のシルクは高級素材として知られています。インテリアに取り入れるとたちまち高級感がアップ。しかも保湿性や発散性も高いため、夏は涼しく冬は暖かく使えるという実用的な面も。

【2】ナチュラル素材の空間作りを

ナチュラル素材の魅力に惹かれたら、できるところから今の家に取り入れてみませんか。その際のヒントをいくつかご紹介します。

自然光×天然素材の相性を生かす

麻のカーテンを通して差し込む優しい光に心は和み、窓際に配された木目の美しいチェストやテーブルは、木漏れ日が木の上でゆらゆらと遊ぶ様に心が癒されます。そんな風に光が入る場所を意識することで、ナチュラル素材をより生かすことができます。
ただ、天然木材は日焼けしやすい種類もあるので気を付けて。

フォーカルポイントに天然素材

建築や造園などではその空間に入り、一番に目につく場所をフォーカルポイント(焦点)といいます。そのフォーカルポイントに置く家具やインテリアを天然素材にすることで、空間のイメージが自然を感じることができるものに。
空間で面積が大きいダイニングテーブルや食器棚は、少し奮発しても本当にお気に入りの上質なものを手に入れたいですね。

収納にもナチュラル素材を

空間をナチュラル素材でまとめるためには、小さな収納にも天然素材がオススメ。
そこで大活躍するのがラタンや白樺、竹などで編んで作ったバスケット収納です。これらは面積が小さいため、違う素材が並んでも違和感がなく、返って遊び心を感じさせてくれます。

まとめ

ナチュラル素材の特徴や魅力についてご紹介しました。
ビジュアルの良さだけでなく、暮らしを通して私たちを癒してくれる天然もののインテリア。知るほどにますますその素晴らしさに気付きますよね。
全てをナチュラル素材にするのは難しくても、収納雑貨やクッションカバーなどできるところから揃えてみてはいかがでしょう。

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