世界三大珍獣、コビトカバの新展示場が完成 希少動物の12歳差婚なるか

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コビトカバの故郷は、西アフリカの湿地や森林地帯。新展示場には高さ約5メートル級の巨木や、川から水が流れ込む池があります

野生では2000~2500頭しか確認されていないコビトカバは、ジャイアントパンダやオカピと並ぶ世界三大珍獣とされる。その名の通り、一般のカバの半分以下という小さい体が特徴だ。そんなコビトカバ2頭を飼育する神戸どうぶつ王国に、彼らのための新展示場が完成した。野生の自然環境に近く、さらに間近でコビトカバの姿か鑑賞できる。彼らの魅力について飼育担当の馬場瑞季さんと、副支配人・広報の宮本江津子さんに聞いた。

コビトカバってどんなカバ?

このたび完成したコビトカバの新展示場内は川や池、うっそうと茂る樹々でまるでジャングルのよう。西アフリカの湿地や森林に住むという、コビトカバの生息環境に似せたそうだ。

ところで一般のカバとの違いはなんだろう?共通の先祖という一般のカバは、広く見通しの良い草原に住み、日中は水辺で群れる。体の大きさだけでなく、住む環境も違うのだ。馬場さんは「まだありますよ。眼、鼻、耳の位置に注目してください。一般のカバは昼間、水辺や水中で過ごすために眼、鼻、耳が水面から出る位置に一直線上に並んでいます。ところが長い時間、水中で過ごすことのないコビトカバは一直線上にないんです」。

なるほど、水の中にいる時間の長さでパーツの位置が違うのだ。すると宮本さんが「カバだけでなく、水中で生活する生き物は眼、鼻、耳が一直線上に水から出る位置にあるんですよ」と教えてくれた。「たとえば、同じ神戸どうぶつ王国にいるカピバラもそうです。もともとアマゾン川流域に生息する彼らは、敵から隠れるため水に入ります。手足に水かきもあります」。

馬場さんは2頭のコビトカバの魅力について、「おおらかな性格のコウメは、たまにプールでゴロゴロと転がるように泳いだり、流れ落ちる水にあたりながらじっとしていたり。気持ちよさそうな表情がかわいい」と目を細める。

大きな葉っぱの向こうにいるのは……あ、タムタムだ!

「タムタムは来年2月で2歳になる子ども。好奇心がとても旺盛で、人のいるガラス面に近寄ってくることもあります。目の前でお茶目な表情を見せてくれるかも」。運が良ければ、小さなタムタムと大人のコウメ体の大きさも観察できる。

希少動物を、次世代へつなぐ

新展示場設置の目的は、雄のタムタムと雌のコウメとの将来に向けた繁殖だ。今はまだ柵越しに相手を警戒しつつ、相性を見ている段階。コビトカバは単独で生活するので、同一空間での飼育が難しいのだそう。馬場さんによると14歳のコウメは出産未経験。国内では22歳で出産している例があるというから、これから仲良くなり妊娠、出産の可能性は十分ある。

愛嬌たっぷりで、食べ方が豪快と人気のコウメ

「『ゆっくりじっくり仲良くなるんだ。人間と一緒だよ』と、佐藤哲也園長もおっしゃいます。私たちもじっくりと、次世代をつなぐ活動に取り組んでいきます」と宮本さんも言葉を添える。

いま神戸どうぶつ王国では、繁殖などの活動に賛同する人たちからクラウドファンディングで支援を呼びかけている。コビトカバの新展示場設置も、集まった資金により実現した。馬場さんは「本当に感謝です。将来的な繁殖を目指していますので、温かく見守っていただけたら」とコメントする。

また宮本さんも「動物園や水族館のさまざまな役割のなかでも、『種の保存』は大切な使命」と語る。「地球環境の悪化が加速度的に進む中で種を絶やさないよう、飼育下で繁殖させ次世代を残すのは私たちの使命です。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、この活動の継続も困難になっています」。
神戸どうぶつ王国では8月に引き続き、11月6日に2頭目のスナネコの赤ちゃんが誕生した。「活動を続けるため、賛同いただける方はご支援をお願いします」。

(まいどなニュース特約・國松 珠実)