ふるさと納税間に合わない「12月駆け込み」でも確定申告不要なケースも!

ふるさと納税とは

国がふるさと納税をおこなうメリット

「ふるさと納税」とは、自分で選んだ自治体に寄付できる制度です。国民は所得税と住民税を払っていますが、ふるさと納税をしなければこれらは国と住んでいる地域の自治体に納めることになります。つまり、人口が多い都市部は税収が多いということ。

けれどふるさと納税をすると、所得税と住民税の一部は自分が選んだ自治体へと回ります。そうなると人口が少ない地域であっても、産業の発展が見込めるようになり、経済の活性化へとつながることが期待できます。
若者が都市部へ進出したことにより、税収が少ない自治体はたくさんあります。これらの自治体がふるさと納税をしてもらえると、行政の悪化が改善されたり地域活性化につなげたりすることができるようになるのです。

寄付する側のメリット

一方で、寄付する側にもメリットがあります。
自分が応援したい自治体に「ふるさと納税」という形で寄付ができますし、税金の使いみちを選択することができるので、「こんなお金の使い方をして欲しい」という思いを伝えることもできます。
そして、一番注目されているのがお礼の品ですね。
地方のお米やお肉、特産品などをお礼の品として受け取ることができます。中にはホテルの宿泊券なども。

本来、所得税と住民税は国と住んでいる地域の自治体に納めていると伝えました。ふるさと納税をすることで地方の自治体にも払い、二重払いになるのでは? と心配になるところですが、その点は大丈夫。
ふるさと納税を利用すると、自己負担金2,000円を差し引いた残りの寄付額が、所得税の還付、住民税の控除の対象となります。

例えば、10,000円の寄付に対し、お米12kgがお礼の品であるA市があったとします。
A市に寄付をすると、お米が12kgもらえるうえに、8,000円(10,000円-2,000円)分の税控除を受けられるのです。

ただし、控除には上限があります。上限額は個々の収入や他の税金控除も関係してくるので、自分の上限額を知ることが大切です。
ふるさと納税ができるサイトに、個々の条件を入力すると上限額を調べられるシミュレーションが用意されているので、気になっている方はまず上限額を調べてみましょう。

確定申告がめんどうくさい?

ふるさと納税をして、お礼の品をもらいました。このままでは、税控除を受けることはできません。最後に、寄附金控除の申請をしなければいけないのです。
この寄付金控除の申告が確定申告に関わってくるのですが、それが面倒でふるさと納税をしていないという方が多いかもしれません。
ふるさと納税の制度が始まった頃は確定申告が必要でした。けれど、今は必ず確定申告が必要というわけではありませんよ。

寄付金控除を受けるには、以下の2つの手続き方法があります。

●確定申告をする方法
●「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用する方法

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用できれば確定申告をしなくて済むので、グッとハードルが下がるのでは!?
ただし、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用するにはいくつかの条件をクリアしなければいけません。その条件や手続き方法を見てみましょう。

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」とは

まず、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用できる条件は以下のとおり。
・確定申告が不要な給与所得者等であること
・一年間(1月1日~12月31日)に寄付をした自治体数が5カ所以下
・寄付をした自治体全てにワンストップ特例申請書を提出できている
・医療費控除など、他に確定申告が必要な事案がない

上記4つの条件をクリアできていれば「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用でき、確定申告をせずとも寄付金控除が受けられます。

手続きの流れは、
1.「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」を寄付した自治体から送付してもらう
2.「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」に記入して、個人番号および本人確認資料(マイナンバーカードの表裏のコピーなど)と一緒に寄付した自治体に郵送する

たったこれだけなのでとてもお手軽ですよね。
ほとんどの自治体で、寄付をする際に申請書を依頼できるようになっています。申請書依頼もスムーズなので難しく考えなくても大丈夫ですよ。

※「寄付金税額控除に係る申告特例申請書」は、ふるさと納税ができるサイトからダウンロードすることも可能です

今年度分から挑戦する際の注意点2つ

ふるさと納税は一年中申し込むことができます。ただし、今年度分から税金の控除を受けたい! と考えているなら2つのことに注意しましょう。

申し込み日ではなく入金日に注意!

ふるさと納税の申し込みを12月31日にしたから今年度分に間に合った! というわけではありません。申し込み日ではなく、入金日でのカウントになるからです。
受領証明書に記載されている受領日(入金日)が2020年12月31日まででなければいけません。クレジットカードで支払いをしたなら決済完了日が受領日となり、銀行振り込みにしたなら指定口座に支払いをした日が受領日となります。

※自治体によっては、金融機関の営業日や郵送期間等を考慮し、12月早めに締め切りを設定している場合もあります。年末にふるさと納税を申し込まれる場合は、各自治体・支払い方法ごとの締め切り日に十分ご注意ください

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の期限に注意!

「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用するなら、手元に届く申請書を自治体に返送しなければいけません。
返送の期限は原則、寄付年の翌年1月10日必着です。2020年の寄付控除を受けたいなら2021年1月10日までに自治体のもとへ届いていなければいけません。
ただもし、期日までに返送できなかった場合は、確定申告をすれば控除を受けられますよ。

※「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の申請書を提出後、寄付した年の翌年1月1日までに名前や住所など(電話番号を除く)の変更があった場合は、同じく翌年1月10日までに申請書を提出した自治体に「申請事項変更届出書」を提出する必要があります。

まとめ

2020年も残り少なくなってきていますね。けれど、2020年の税控除を受けるにはまだ間に合います! ふるさと納税がまだの方は、注意点に気をつけながら挑戦してみませんか?

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