【社会人野球】NTT東の新人・火ノ浦が4番で2安打2打点! 昨秋のドラフト指名漏れから奮起

2安打2打点と活躍したNTT東日本・火ノ浦明正【写真:鳥越涼芳】

JR北海道硬式野球クラブに6-1で快勝、打順の入れ替えが奏功

27日に東京ドームで行われた第91回都市対抗野球大会第6日目の第2試合で、NTT東日本が6-1でJR北海道硬式野球クラブに快勝した。NTT東日本は新人の火ノ浦明正外野手が「4番・左翼」で先発出場し、3打数2安打2打点でチームの初戦突破に貢献した。

東京予選から打順を大きく入れ替えたことが功を奏し、打線がつながった。予選終了後、飯塚智広監督が「真ん中(4番)で考えたい」と挙げた選手が、予選で2番を打っていた新人の火ノ浦だった。飯塚監督は「もともといいものを持っていたが、粗さというか、社会人の投手に対して脆さがあった」と言うが、予選が終わってから急成長。「練習も真摯に取り組む。結果が出なくても(周囲は)そういう背中を見ている。みんなが後押ししてくれる4番です」と太鼓判を押した。

れいめい高(鹿児島)では主将。専修大では1年から公式戦に出場し、3年春にレギュラーに定着すると、主軸を任され勝負強い打撃で東都2部リーグ優勝にも貢献した。俊足好打という文字通りのセンスを備え、広角に長打が打てることが持ち味だ。昨年はプロ志望届を出したが指名漏れ。その後「行くところがなかったけど、監督やコーチが誘ってくださった」とNTT東日本への入社を決めた。「拾ってくれた監督やコーチ、会社のためにやる。その気持ちが強いです」と、これ以上ない恩返しの舞台に燃えている。

とはいえ、まだ1年目のルーキー。飯塚監督は6年目で中心選手の下川知弥内野手を火ノ浦の前の3番に、笹川晃平外野手(東京ガスからの補強)を5番に据え、「うちのいいバッターを(前後に)置いています。甘いけど、(火ノ浦を)守ってあげています」と笑う。「下川も先輩に助けられていますから。『今度はあなたの番ですよ』というメッセージです」。4回はその狙い通り、下川と火ノ浦が2死から連打で先制点をもぎ取り、「うれしい1点でした」とご満悦だった。(安藤かなみ / Kanami Ando)

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