波照間島の電力、風力で100時間供給 再エネ導入実証、モーター発電機駆動

 県産業政策課は27日、波照間島(竹富町)で今月10~14日の間、約100時間連続で島内の電力需要を全て風力由来の再生可能エネルギー(再エネ)で供給したと発表した。これまで波照間島での再エネ100%の連続電力供給は1~2時間程度だったが、今回の実証で大幅に伸びた。

 一括交付金を使った「小規模離島における再エネ最大導入事業」として、2016年度から沖縄電力が波照間島で実証に取り組んでいる。島に設置した可倒式風車2基で発電した電力の一部で「モーター発電機」を駆動させ、電圧などを安定させて島内の住宅などに電気を供給する。

 通常は重油を燃料とするディーゼル発電と風力発電を併用しているが、実証時はディーゼル発電機5台全てを停止させ、モーター発電機だけを使って島内の電力を賄った。

 県の離島関係資料(3月)によると、波照間島の人口は275世帯514人。連続供給に成功したのは、10日午前11時33分~14日午後3時49分の100時間16分だった。

 実証時の島内の電力需要は約290キロワット~440キロワットで、冷房使用などが少なく、比較的電力需要が低い時期だという。県は「再エネ拡充に向けて一定の成果を得られた」としている。

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