沖縄県全域で中学卒業まで入院・通院無料に 医療費助成、22年4月から

 県は27日、子どもの医療費を補助する「こども医療費助成制度」について、2022年4月から対象を現在の「就学前まで」から「中学校卒業まで」に拡大すると発表した。中学卒業までの入院・通院費を無料とする。実施主体となる市町村の経費の2分の1を県が補助する。助成対象の拡大で10億円の負担増を見込んでおり、一般財源から捻出するという。

 同制度で県と市町村は経費を折半し、就学前までの通院・入院費と中学卒業までの入院費を助成してきた。中学卒業までの通院費は助成対象となっていなかった。

 県内27市町村では中学卒業までを対象にする、独自の助成制度を設けている。県は県内全域で同様のサービスが受けられるよう市町村と協議した。その結果、残る14市町村も県と市町村が折半し、助成対象を広げることで合意が得られたという。先行する27市町村についても、県と市町村で折半する。

 県保健医療部は「これまで以上に子どもの疾病の早期発見、早期治療による健全育成が図られる。子育て世帯の経済的負担の軽減につながるものと考えている」としている。

 子どもの医療費助成対象を拡大する動きは全国的に広がっている。県によると、市町村レベルでは923自治体で中学卒業まで、659自治体で高校卒業まで入院・通院費無料の事業を実施している。県レベルで実施している事例は少ないという。

© 株式会社琉球新報社