3台で1億3000万円、世界最先端を行くプレミアムなスーパーカー

ただでさえ特別な存在のスーパープレミアムカーの中で、さらに特別な存在であるモデルの情報が続々と明らかになっています。今回はイギリス、イタリアのスーパーカーの刺激的なニュースをクローズアップしてみました。


電動化の波のなか登場したフェラーリ SF90スパイダー

フェラーリ初の市販PHEV(プラグインハイブリッド)として話題となっている「SF90ストラダーレ」にオープンモデルの「SF90スパイダー」が登場しました。欧州車メーカーの電動化の波はフェラーリを始めとするスーパースポーツのブランドにももの凄い勢いで押し寄せています。そんな状況下で各メーカーは“いかに電動車を楽しむか”という問いかけに対し、色々な方法論を提示してくれます。その中でオープンカーという手段は最良にして効果的なシステムだと思います。それがフェラーリの作品となればテンションは自然と高くなります。

今回のオープンモデルのベースとなっているSF90ストラダーレといえば、最高出力780馬力、最大トルク800N・mという4LのV型8気筒ツインターボエンジンに、なんとモーターを3基組み合わせたハイブリッドです。はっきり言えばガソリンエンジンだけでも十分にスーパースポーツとして成立するのですが、モーターを組み合わせたシステムのトータルでの出力は1000馬力です。これによって最高速度は340km/h、0~100km/h加速は2.5秒という俊足ぶりです。

もちろんハイブリッドですから、モーターだけの走行も可能となります。あくまでもメーカーのデータですが前輪にある2基のモーターだけでの走行でなら最高速度135km/h、最長25kmのモーター走行も可能になります。このパフォーマンスを今度はオープンで楽しめるということになります。今回のSF90スパイダーの特長はもちろんオープンになることですが、45km/hまでであればルーフの開閉が行える、リトラクタブルハードトップが採用されています。このルーフ、多くの部分がアルミニウム製であり、軽量にしてコンパクトな設計となっています。

スタイルもなかなか魅力的なオープンモデルですが、現段階では価格やデリバリーの開始時期、そして気になる日本への導入時期などはまだ発表となっていません。それでもクーペモデルのSF90ストラダーレの価格は5,340万円ですから、スパイダーは6,000万円前後というところでしょうか。

パフォーマンスと存在感を兼ね備えたランボルギーニ・ウラカンSTO

もう1台のスーパーカーの雄といえばランボルギーニです。ウラカンSTO(Super Trofeo Omologata)がデビューしました。情報はすでに発表となっていたのですが、実車が世界で初めて披露されたのが東京・六本木のランボルギーニブランド体感スペース「THE LOUNGE TOKYO」においてでした。世界的に見てもランボルギーニにとって日本は非常に重要なマーケットであることが、この姿勢からも分かります。

披露会場はランボルギーニブランド体感スペース「THE LOUNGE TOKYO」です。

さて「ウラカンSTO」ですが、ランボルギーニが世界で展開しているワンメイクレースに「スーパートロフェオ」というレースがあるのですが、そこで使用される「ウラカン スーパートロフェオEVO」があります。さらにデイトナ24時間レースで3度の優勝を飾ったりしているレーシングモデルの「ウラカンGT3 EVO」といったサーキットマシンをモチーフとして開発されたモデルなんです。つまり、サーキットでも通用するほどのパフォーマンスのマシンということになります。

最高出力は640馬力で、最大トルク565N・m/6,500rpmで、後輪駆動です。これだけのパワーでありながら重量は1,339kgですから、トヨタのカローラほど。0~100km/hの加速タイムは3.0秒で、最高速度は310km/hになります。

そして、このパフォーマンスにふさわしいともいえる迫力ある外観が目を引きます。カラーリングだけでなく、サーキットでも十分に存在感を示すことが出来る刺激的で挑戦的な外観はランボルギーニならではの仕上がりです。もちろん空力を向上させるための色々なボディパーツはアグレッシブな走りにとっては効果絶大で、サーキット育ちともいえる素性の良さを感じさせます。さてウラカンSTOの価格は4,125万円で、デリバリー開始は2021年春以降の予定となっています。

さらなるハイパフォーマンスを追求したベントレー・ベンテイガ・スピード

ベントレーの最高級モデル

世界クラスのプレミアムSUVとして注目されているベントレーの「ベンテイガ」ですが、そこにさらなるハイパフォーマンスを求めて投入されたのが「スピード」というモデルです。日本国内の販売価格は3,261万5,000円で、2021年の第2四半期夏以降にデリバリー開始予定となっています。

「スピード」というネーミングですが、初めて登場したのは2007年のコンチネンタルGTでした。スピードというネーミングが与えられたモデルは圧倒的パフォーマンスを求めるユーザーのために用意されたモデルの証です。当然のことですが新型のベンテイガスピードは世界最速であり続けるだけでなく、新型ベンテイガシリーズの最高級モデルです。

W12気筒エンジン搭載車であることを示唆するような楕円形のエキゾーストフィニッシャーが装着されています。

搭載されている6LのW型12気筒ツインターボエンジンの最高出力は635PSで、最大トルク900N・m。最高速が306km/h、0-100km/h加速のタイムが3.9秒という動力性能を誇るのですから、世界中のSUVが目標とするトップパフォーマンスモデルであることが理解できると思います。さらにこのエンジンは走行状況などに応じて、片バンクの6気筒すべてを休止する機構なども採用していますから、排出量の低減だけでなく、アクセル半開での巡航時における大幅な燃費向上にもつながります。

また内外の豪華さにおいても最上レベル。走りのパフォーマンスにふさわしいスタイリングによって、スピードであることがすぐに理解できます。濃いめの色調で引き締まった印象のヘッドライト、ボディと同色のサイドスカート、独特の前後バンパー、延長されて印象的になったテールゲートスポイラーなどが、走りの実力を形でも表現しているのです。

インテリアにはラグジュアリーとパフォーマンスのバランスが見どころです。スピードモデル専用のシートとインテリアトリム。さらにドア周りや、シートクッションとバックレストボルスターの縁部分、ロアコンソールなどには、コントラストカラーのレザーが配されて、優雅な雰囲気を演出しています。すべてのシートバックレストには標準設定で「Speed」の刺繍が入ります。「Speed」の刺繍の代わりに、無償オプションとしてベントレーのロゴを入れることもできます。

このベンテイガ・スピードの他にも英国製スーパースポーツであるマクラーレンからは次世代「ハイ・パフォーマンス・ハイブリッド」スーパーカー、McLaren Artura (マクラーレン アルトゥーラ)を2021年前半に発売するといったニュースもあります。こちらはよりはっきりとした情報が入りましたら、お知らせしたいと思います。

いまだ続く新型コロナ禍ですが、こうしたスーパーモデルの強烈なニュースによって吹っ飛ばしてもらいたいものです。

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