エヌエヌ⽣命保険株式会社(東京都渋谷区)、全国の中小企業経営者を対象に新型コロナウイルス感染症の影響調査

中小企業に法人向け生命保険(事業保険)を提供するエヌエヌ⽣命保険株式会社(東京都渋谷区)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、さまざまな経済的な影響が懸念されているなか、中⼩企業経営の実態を把握するため、11月6日から10日に全国の中小企業経営者(※)7,220名を対象にインターネットで調査を行った。なお、この調査と同様の調査を3月末および4月末と、5月末から6月初め、6月末にも実施している。

(※)調査では、従業員300⼈以下の規模の「会社経営者(社⻑、会⻑、取締役)」、または「従業員のいる⾃営業者」を中⼩企業経営者と定義している。

調査結果は以下の通り。

新型コロナウイルス感染症の影響で自身の会社の経営状況に変化があったか質問したところ、60.4%が「悪くなった」と回答した。

また、「悪くなった」の回答率を都道府県別に⾒ると、山形県が最も高く、続いて、香川県、島根県となった。

経営状況が「悪くなった」と回答した経営者4,361名を対象に、新型コロナウイルス感染症の経営環境への変化を感じた時期を質問したところ、最も多かったのは、「4月」、続いて「3月」、「5 月」と、多くの経営者が緊急事態宣言前後のタイミングで変化を感じるようになっている。

緊急事態宣言前後の具体的な変化として、「減った」という回答が多かったのは「会社の売り上げ」、「製品や商品の売上・受注」が多かった。一方、「従業員数」や「従業員の給与」の減少は少ない結果となった。

経営状況が「悪くなった」と回答した経営者4,361名を対象に、いつまでに業績が戻れば、現状の会社規模・人員を存続できると思うかと質問したところ、26.2%が「2021年3月まで」、20.4%が「2021年1月まで」と回答し、半数近くが来年の3月までに業績が戻らなければ現状を維持できないと回答した。

中小企業経営者7,220名を対象に、新型コロナウイルス感染症の影響で資⾦需要は発⽣したか質問したところ、36.8%が「発生した」と回答し、3月末と4月末に実施した調査と比較してわずかに増えた。また、都道府県別の回答率を⾒ると「発⽣した」は大分県が最も多く、「発生していない」は鳥取県が最も多かった。

さらに、資⾦需要が発⽣したと回答した2,656名を対象に、どのような制度を利⽤したか質問したところ、最も多かったのは、経済産業省の「持続化給付⾦」で、資⾦需要の発⽣した中⼩企業の約6割が利⽤した。続いて多かったのは、⽇本政策⾦融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」、「銀⾏からの融資」だった。

都道府県別に⾒ると、経済産業省の「持続化給付⾦」は⻑野県、⽇本政策⾦融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は山口県、「銀⾏からの融資」は秋田県、徳島県が最も高い結果となった。

旅⾏関連業の中⼩企業経営者59名を対象に、Go To トラベルにより客が増えたかを質問したところ、35.6%が、2020年4⽉から5月の緊急事態宣言中と比較して「増えた」と回答した。また、今後客を増やすために必要な要素を聞いたところ、「リピーター客の増加」が最も多く、続いて「同じ都道府県内の利⽤客の増加」、「他の都道府県からの利⽤客の増加」となった。

飲食店の中小企業経営者480名を対象に、Go To イートにより客が増えたかを質問したところ、2020年4月から5月の緊急事態宣言中と比較した場合、73.5%が「変わらない」とし、「増えた」は13.3%にとどまった。また、今後、客を増やすために必要な要素を聞いたところ、「団体客の増加」が最も多く、続いて「他の都道府県からの客の増加」、「テイクアウトの販促」となった。

中小企業経営者7,220名を対象に、自身の会社でのデジタル化の推進について質問したところ、「導入する考えはない」との回答が最も多く、「すでに導入している」は20.1%だった。都道府県別の回答率を⾒ると、デジタル化を「すでに導入している」は秋田県、デジタル化の「導入を考えたい」は高知県、デジタル化を「導入する考えはない」は和歌山県が最も高い結果となった。

デジタル化を推進しない理由としては、「推進する必要性を感じていないため」が最も多く、続いて「費用対効果が不明なため」となった。一方で、デジタル化を推進したいと考える理由としては、「⽣産性向上のため」が最も多く、続いて「効率的な売り上げのため」、「社員の働きやすさ向上のため」という結果になった。

また、中小企業の生産性向上や再編を促すといわれている新政権の施策に関して、「どちらかといえば賛成」(30.6%)、「賛成」(18.2%)と新政権の施策に前向きな回答が約半数となった。理由としては、「生産性が向上するのはいいことだから」が最も多く、続いて「デジタル化など時代の変化に対応しやすくなるから」となった。

中小企業経営者7,220名を対象に、コロナ禍による景気の変動や⾏動様式の変動をうけて、今、経営者として改めて守りたい「⼤切なもの」は何かを質問したところ、「社員の生活」が最も多く、続いて「家族の生活」、「会社の事業」という結果になった。

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