長崎新聞文化章を贈呈 土肥、中根、村嶋3氏に

長崎新聞文化章を受章した(左から)村嶋氏、中根氏、土肥氏=長崎新聞文化ホール・アストピア

 本県の文化や教育などの分野で活躍した人を顕彰する2020年度「長崎新聞文化章」の贈呈式が27日、長崎市茂里町の長崎新聞文化ホール・アストピアであった。田助ハイヤ節保存会前会長の土肥テイ氏(87)=文化・教育部門=、長崎大名誉教授の中根允文氏(82)=同=、長崎OMURA室内合奏団芸術監督の村嶋寿深子氏(84)=同=が受章した。
 土肥氏は戦後衰退していた平戸市田助地区の伝統芸能、田助ハイヤ節の復興に尽力。「こども教室」を開いて地元の小中学生を中心に指導し、後継者育成に取り組んでいる。
 中根氏は長年にわたり医学教育に携わり、精神医学分野の研究で世界的な業績を上げた。自殺予防電話相談事業や少年事件検証など社会福祉の向上に貢献した。
 村嶋氏は03年にシーハットおおむら(大村市)館長に就任し、県内初のプロオーケストラを設立。演奏会の開催や教育現場への芸術普及活動、若手演奏家の育成にも注力している。
 贈呈式で、長崎新聞社の徳永英彦社長が「強い信念を持ってそれぞれの道を歩まれ、本県の教育、文化に多大な貢献をなさった。受章者に深い敬意を表する」とたたえ、3氏に表彰状を手渡した。
 同章は1955年創設。受賞者は累計209人になった。

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