なぜ男性は育児をしてくれないの? パパも育児をしたくなる3つの方法

毎日忙しいママの生活。仕事をして、家事をして、育児をして……「いつも、いつも私の負担ばかり」と不満を持っているママも多いのではないでしょうか。もっとパパが、家事や育児に協力的なら、楽になるのに……。今回は、男性が育児をしてくれない「2つの理由」からひもといた、効果的な解決法を紹介します。

なぜ男性は育児をしてくれない?

まず大前提として「うちのパパは育児をしてくれない」というママの意見は、「ママの目から見てそう感じる」ということを押さえておきましょう。

パパ講座でお話しすると、男性たちから口々に「やっているのに、やっていないと言われる」という嘆きの言葉が聞こえてきます。ママからしてみると、「これでやっているつもり?」と思うかもしれません。しかし、それぞれの認識にズレがあるということから理解しておきましょう。

ここは以下の記事を参考にしてくださいね。

パパ、ちゃんとやって! 夫の育児に不満をもったときの解決方法は? - バレッドプレス(VALED PRESS)

ママたちからは、「子どもを見ていてと言っても、スマホばかりいじっている」「パパの方がすぐにお昼寝しちゃう」など、子どもに興味がないのかと思うという声も聞こえてきます。

以下、パパ自身の困り感に寄り添いつつ、原因を探ってみます。

1. 子どもとの関わり方がわからない

子どもと関わる時間が少なければ、そもそもどのように接すればよいのかがわかりません。「見ている」ってどんなふうに見ていたらよい?どんなふうに遊んだらよい?どんなふうに声がけしたらよい?……わかっていない可能性があります。

2.疲れている

疲れていると、子どもを可愛いと感じられないことがあります。

赤ちゃんは、頭が大きく、目が大きめ、手足が短い、ほっぺが膨らんでいるなどの外見的な特徴(ベビースキーマ)があります。それが、本能的にかわいいと感じ、親や大人がお世話したり、守りたいという行動(養育行動)を引き起こすと言われています。ただし、親がストレスを大きく感じていると、この気持ちが起こりにくいそう。

世界的に見ても日本の男性の家事・育児の時間は少なくなっています。通勤時間が長いことや、休みが取りにくい環境で、自宅にいる時間が短いことも要因として考えられます。ママも疲れていますが、忙しさや疲労度は、人それぞれなので比較はできません。パパも疲れていると、子どもに対応する力が湧いてきません。

「見ていて」と言われても気力がわかない。ぼーっと見ていたり、気づいたらお昼寝していたりということがあるかもしれません。

男性が育児をしたくなる方法は?

パパが育児してくれない2つの理由から、以下の方法を試してみることをオススメします。

理由1:子どもとの関わり方がわからない

解決方法A:子育ての情報を入れつつ、肯定文で伝えてみる

例:「さっきのオムツ替えから〇時間たっているから、オムツが汚れて泣いているかも。オムツを替えてくれると助かる」など。

まず、オムツはある程度定期的に替えるという情報を伝えます。その上で、やってほしいことを肯定文で伝えます。「どうしてオムツを替えてくれないの!」といった否定文は、避けるようにしましょう。

解決方法B:子どもが喜ぶポイントなどを伝えてみる

例:「最近、いないいないばあが大好きなんだよ。ほら、こうやると喜ぶよー」と、子どもが喜ぶ遊び方を伝えてみる。「最近手をつなぐと階段を登れるようになったんだよ。階段見つけたら、一緒にやってみて」など、子どもの成長段階やできることを伝えてみる。

具体的に伝えることで、パパも接し方がわかります。子どもの喜ぶ姿を見ることができれば、パパ自身のモチベーションも上がってきますよ。

理由2:疲れている

解決方法:アイ(I)メッセージで、ママの「状況」と「要望」を伝えてみる

例:「最近、私もいっぱいいっぱい。とくに夜は時間がなくて睡眠も十分にとれなくて。もう少し早く帰って、子どもとの時間をとってほしいけど、難しい?」

まず自分の「状況」を話した上で「要望」を伝え、パパの状況を聞いてみます。大切なのは、感情をぶつけるのではなく「事実」にもとづいて話すこと。パパが「上司が…」「会社が…」などを話してくれたら、「そうなんだ」と、相手の状況もしっかり受け止めます。その上で、一緒に問題解決の方法を考えてみましょう。

大変なのはお互いさま。相手を尊重しながら、折り合いをつけていくことが大切です。

パパの経験値をどんどん増やそう

男性が子育てをする機会が少なければ、子どもも懐きません。たまにしか相手をしないパパに対して「この人、大丈夫なの?」と、子ども自身も不安になります。

パパが抱っこして泣くのも、抱き慣れていないことが原因かもしれません。子どもは不安なときほど、安心できる相手を選びます。パパが抱っこして泣いて、すぐにママに渡してしまったら、パパの経験値はいつまでたっても上がりません。

パパと子どもでお出かけをする、ママが外出して家をあけるなど、パパと子どもだけの時間に「パパが子育てする必然」を作ることも大事です。仮に泣かれて困っても、「泣き止んだ」という経験が、パパ育児の自信にもつながります。

そしてママは、パパの子育てへのダメ出しをなるべく最低限にして、肯定的な面に注目をしましょう。「こんな遊び方はやめて!」など、ダメ出しをたくさんするよりも、「こうやって遊んでくれたのが、うれしかったみたいよ」など。よかったことに注目して、言葉にして伝えましょう。そうすることで、よい関わり方が増えていきますよ。

パパが「できていること」「やってくれていること」に目を向けて

男性に対して「できていないこと」「やってくれないこと」に目を向けてしまうと、きりがありません。そして、それを言ったり考えたりする自分自身もどんどんネガティブな気持ちになってしまいます。ぜひ、パパが「できていること」「やってくれていること」に目を向けて、言葉にして伝えてあげてください。その上で、さらに良くするための方法を一緒に話し合えるとスムーズに進むはずです。

この記事を読んでくださっている男性のみなさん。パパと子どもが楽しそうに遊んでいる光景を見ると幸せを感じるママたちも多いのです。ぜひ子どもとの時間、楽しんでくださいね。ママからの愛情もアップするかも!です。

著者紹介
高祖常子(こうそ・ときこ)

子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント

資格は保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級ほか。NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか各NPOの理事や行政の委員も務める。子育て支援を中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。著書は『男の子に厳しいしつけは必要ありません』(KADOKAWA)、『感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。3児の母。

これまでの【子育てアドバイザー高祖常子さんに聞く「イライラしない子育て」】は

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