藤沢の五輪ボランティア再始動 コロナに負けず「開催願う」

感染症対策でライブ配信されたリスタートイベント。大矢さん(右端)はシティキャストのユニホームで登場した

 来夏に延期された東京五輪・パラリンピックに向け、セーリング競技が行われる神奈川県藤沢市の都市ボランティア「シティキャストフジサワ」の再始動イベントが28日、オンライン配信で行われた。3月に延期が決まって以降、研修などを中断していたが、藤沢ゆかりのゲストのトークショーなどで来夏への機運を高めた。

 シティキャストは訪日客らをもてなすボランティアで、昨年3月から計958人が順次研修をスタート。同8月のセーリングワールドカップ江の島大会で経験を積むなどしてきた。

 だが延期が決まり、活動は中断。来春卒業する大学生や子どもの受験期と重なる女性ら138人が辞退を申し出たが、補充を行い同数のボランティアを確保している。

 「リスタートWEBパーティー」と銘打ったイベントは、来年1月から再開する研修を前に、シティキャストの気持ちをもう一度盛り上げようと開催。ともに藤沢市出身で、ロンドン五輪男子200メートル平泳ぎ銅メダリストの立石諒さんや俳優大矢剛康さん、ふじさわ観光親善大使で聖火ランナーも務めるタレントつるの剛士さんがゲストとして登場した。

 立石さんは「選手が極限まで集中できる環境をキャストがつくってくれた」とロンドン大会を振り返り、「東京五輪でも選手を一生懸命支えてほしい」とエールを送った。藤沢にちなんだクイズやこれまでの活動をまとめたスライドショーも上映され、イベントを盛り上げた。

 藤沢市役所でのライブ放映にはシティキャスト8人が参加。同市在住で歯科衛生士の遠藤瑞歩さん(24)は「本当にできるか不安はあるが、開催を願って今からできることをやっていきたい」と決意を新たにしていた。

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