ポール・トゥ・ウインの吉田「サポートしてくれる人たちに応えられた」【第8戦富士GT300優勝会見】

 2020年シーズン最終戦となるスーパーGT第8戦富士の決勝レースを終え、GT300クラスで開幕戦以来となる2度目の優勝を飾った埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田広樹と川合孝汰が、決勝後に行われた会見でポール・トゥ・ウインの喜びを語ると同時にシーズンを振り返った。

川合孝汰/第1スティント担当

「この最終戦はポールポジションからスタートをしましたが、本当に優勝できたことが素直に嬉しいです。僕は最初のパートを担当したのですが、かなり路面温度が低くて、フォーメーションラップが今回は2周だったのですが、思っていたよりもかなりタイヤの温めがキツかったです」

「もう1周フォーメーションラップが追加されたので、その分では少し良かったのですが、それでも1コーナーでは厳しく、61号車に前に出られてしまいました。ですが、そこからのペースには自信があったので、無理なく前に出られたのは良かったかなと思います」

「レースペースも良かったですが、そのペースが良いなかでタイヤ無交換作戦を考えていました。ただ、ペースが前半良かった分、少しタイヤを使ってしまいました。なので後半を担当してくださった吉田さんが辛く、今までの無交換よりも無理をさせてしまったので、そこは今後の課題なのかなと思います」

「ですが、こうして8戦目のレースでポールポジションを獲得して、そして完全優勝ができたということに関しては、本当にチームのみなさんもそうですし、素晴らしいタイヤを作ってくださったブリヂストンタイヤさんや、いつも緊張をほぐしてくれているトレーナーさん、スポッターとしてレースを見ていただいている平沼さん(貴之/埼玉トヨペット代表取締役社長)も含め、今日は本当にみなさんすべてが完璧だったので獲れた優勝だと思います。本当にありがとうございます」

「まだ来年がどうなるかはわからないですが、今年戦うにあたって、僕は昨年までFIA-F4というフォーミュラレースに参戦していました。そこからチャンスを頂いてこのチームに加入し、いちドライバー、そしていち人として、吉田さんや平沼さん、チームの方々から本当にたくさんのことを教えて頂きました」

「そして開幕戦で勝つことができ、この最終戦ではポール・トゥ・ウインという形でシーズンを終えられたというのが、この埼玉トヨペットGreen Braveというチームの最終的な成長の証だと思いますし、いちルーキードライバーである僕としても、こういう風な結果が残せたことは良かったと思います」

「来年がどうなるかはまだわからないですが、今年学んだことを毎戦毎戦使っていき、さらに良い結果が出せるように自分自身頑張りたいと思います」

2020年スーパーGT第8戦富士 川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)

■「優勝という結果は素直に嬉しい」と吉田

吉田広樹/第2スティント担当

「優勝できて本当に嬉しいです。今シーズンからこういったマシンとチーム体制になり、開幕戦で優勝することができましたが、そこでまたひとつハードルが上がり、そこからシーズンの中盤戦では結構取りこぼすレースが多かったです」

「そのなかで後半はまたちょっとずつ良くなってきて、この最終戦の予選では孝汰(川合)が良いアタックをしてくれてポールポジションも獲得できました。チームとしてはシリーズチャンピオンというよりも、この最終戦を1年の集大成にという気持ちで、優勝を目指して走ったので、そういう意味でも、この優勝という結果は素直に嬉しいです」

「孝汰も言っていましたが、チームはこの優勝のためにトラブルを出さないだけではなく、タイヤ無交換作戦に合わせて最後までタイヤに優しく、なおかつ予選でもタイムが出せるクルマを作ってくれました」

「そして僕らドライバーが、タイヤ無交換のなかでも少しでもストレスなく走れるようにということで、スポッターという形で平沼さんが後続車の情報を教えてくれたりしました。もちろんそのほかでも、僕らの担当エンジニアさんやブリヂストンタイヤさんもついていてくれるので、本当に強い武器があってこのパッケージで戦えています。そういった人たちの気持ちに応えたいということもありました」

「無交換で苦しい思いをした前戦のもてぎだったり、第5戦の富士かな? 無交換作戦で最後に僕が追い抜かれてしまい、表彰台を獲得できなかったということもありました。そういう意味では今回、もちろんウエイトがなくて軽かったということもありますが、チームだったり、いろいろとサポートしてくれている人たちの気持ちに応えられたというのが素直に嬉しかったです」

「今シーズンは新型コロナウイルスの影響で、例年とは違いイレギュラーなシーズンになり、富士が4戦あったり、岡山やSUGO、オートポリス、そして海外戦はありませんでした。来シーズンがどうなるかはわからないですが、できるだけ海外も含め各地方で、このスーパーGTというレースができれば嬉しいなと思います」

「正直僕らも、もしかしたら富士が4戦あったということでランキング2位になれたのかなと思うので、例年どおりのサーキットだとこんなに簡単にはいかないと思います。そういう意味でも、もう少し自分たちもレベルアップをして、サーキットごとにしっかりと合わせ、取りこぼしのないレースを目指していきます」

「多くのファンのみなさんに見てもらってレースができると僕らもモチベーションが上がります。来シーズンは、今年以上にチャンピオンを目指してレースをしていければなと思います」

2020年スーパーGT第8戦富士 吉田広樹(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)
2020年スーパーGT第8戦富士 GT300クラスで優勝を飾った埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田広樹と川合孝汰

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