椎葉の焼き畑継承評価 九州農政局「農山漁村の宝」

「ディスカバー農山漁村の宝」に選ばれた「焼畑蕎麦苦楽部」の共同作業体験場。左は椎葉勝代表

 椎葉村不土野・向山地区の地域おこしグループ「焼畑蕎麦苦楽部(そばくらぶ)」(椎葉勝代表、13人)は、地域の活性化に取り組む優良事例として、今年の九州農政局「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」に選ばれた。
 同局は2016年から、地域資源を生かした優れた取り組みを選定。広く発信することで、他地域への展開を図る。本年度は九州管内で57団体、個人の応募があり、全国選定となった2団体を除いた中から、同団体を含む5団体と2個人が選ばれた。
 同団体は12年前に設立。焼き畑の見学や体験のほか、地元で採れる山菜などを使った加工品販売に取り組んでいる。10年前には、そば打ちや炭焼きなどの体験ができる「粒々(つぶつぶ)飯々(まんま)共同作業体験場」を開設。次世代を担う子どもたちの体験活動にも力を入れている。
 今回の選定では、世界農業遺産に認定されている焼き畑の継承を中心にした活動が、地域活性化につながっていると評価された。椎葉代表は「受賞はやる気につながる。今後も展開を続け、夢を持ちながら村の将来をつないでいきたい」と話している。

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