「レイブリックの看板を背負って走るドライバーとして恩返しができたかな」と山本【第8戦富士GT500優勝&チャンピオン会見】

 2020年シーズン最終戦となったスーパーGT第8戦富士の決勝レース。最終ラップの逆転劇でGT500クラスを制したRAYBRIG NSX-GTの山本尚貴と牧野任祐が、シリーズチャンピオンを手にした。決勝後、TEAM KUNIMITSUの高橋国光総監督、山本、牧野の3名が会見に出席し、チャンピオンを獲得した喜び、そして激戦が繰り広げられた第8戦を振り返った。

牧野任祐/第1スティント担当

「まずはチャンピオンを獲得できて本当に良かったと思います。富士に入るまでにチームとホンダさんを含め、いろんなことを準備してきて、それが結果としてチャンピオンを獲ることができたので、本当に良かったです」

「僕自身の話になるんですけど、昔レースを辞めようとしたときに、メーカーは違うんですけど安田(裕信)選手のカートチームに拾ってもらって、そこでレースを続けさせてもらえることができたので、安田選手がいなかったら今僕はこの場にもいないと思うので、本当に安田選手には感謝しています」

「今日のレースはウォームアップがちょっと厳しいというのは若干ありましたが、後半のペースは悪くないという想定はしていました。現にレースペースはかなり良かったのですが、トップの37号車はかなり離れてしまって、後半尚貴さんにバトンを繋いだ時も15秒くらいあったのかな……」

「ただ、そこから尚貴さんに後半でかなり詰めてもらいました。チャンスがあるのかなと思って僕は見守ることしかできなかったんですけど。正直、想像していなかった結末だったので、チェッカーが出たときは、どういう感情なのかよくわからないくらいくらいで……。レイブリックとしてもラストランでしたし、結果的にチャンピオン獲れたので、本当に良かったと思います」

牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)

■「レイブリックの看板を背負って走るドライバーとして恩返しができたかな」と山本

山本尚貴/第2スティント担当

「今年でスーパーGT GT500クラス11年目のシーズンなんですけど、今日ほど自分が思い描いていた通りの展開、そして経験の全てが活きたレースっていうのは過去にないくらい、本当に全てが理想通りの展開に持ち込むことができ、理想通りのレースができたかなと思っています」

「最後、あのまま行っていれば37号車が逃げきってチャンピオンを獲っていたというレースだったので……。スピードだけでいったら37号車が予選を通じて決勝も速かったですし、彼らがチャンピオンに相応しいレースをチェッカーまではしていたと思います」

「ただ、タイヤ、燃費をセーブして、無線で随時報告し合いながらペースアップするタイミングとかも常に測っていたので、その頑張りが最後にちょっと報われたのかなと思います」

「37号車の心理状態を考えるとかなり残酷な結果になったと思いますし、彼らのことを考えるとちょっと、表立ってあまり喜びすぎるのも少し心苦しさもあるのですが、でもレースはガチンコでやるものだし、本当に全てを集約して、最後チェッカーを受けるまでがレースだと思います」

「チームと共に1年間戦ってきたことが最後報われて、牧野選手とチャンピオン取ることができ、高橋国光総監督を再びシリーズ表彰のポディウムの一番高いところに立ってもらうことができたということで、非常にドライバー冥利に尽きますし、高橋国光総監督に感謝しています」

「そして26年間、TEAM KUNIMITSUを支え、また日本のモータースポーツ界を支え続けてくださったレイブリック様が今シーズンでブランドを終了するということで、本当に多くの反響がありました。その反響の大きさは僕も改めて感じましたし、それだけスーパーGTの一つのチームを応援しているスポンサー様が日本、世界に与えるものって大きいのだなと改めて感じました」

「そんな大事な一戦をチャンピオンをかけて戦うということで、プレッシャーもありました。でも、2010年にスーパーGTに参戦して、そこから大事に育ててもらって、いいときも悪いときも暖かく見守ってくれたスポンサーさんの一つが今シーズンでブランドを終了するということで、なんとか結果で恩返しがしたい、という強い気持ちを持って富士に乗り込みました。レイブリックの看板を背負って走るドライバーの一人として一つ恩返しができたのかなと思っています」

「最後に花道を飾りたいと意気込んでレースに臨んで、その花道を飾れたのかなと思うと非常に嬉しく思います。レイブリックさん本当にありがとうございました」

山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)

■「自分は本当に運がいい男だなと思います」と高橋国光総監督

高橋国光総監督

「皆さん、本当にありがとうございました。今日のレースは二人のドライバーが振り返った通りだと思いますが、何しろ大変なレースでしたね。そのなかで、ドライバーが力いっぱいステアリングを握って、本当に素晴らしい走りをしたのではないのかなと思います」

「(今年起用するまで)牧野選手とはあまり付き合いはなかったんですけど、これまでのレースでも感心はしましたが、今回のレースの走りの内容、そして耳に伝わってくる無線の内容を聞いて、『いやぁ、これも最高のドライバーだな』と、なかなか凄いなと思って見ていました」

「同時に山本選手はやはり間違いがない。すごい経験者だと思います。今日はとっても素晴らしいドライビングをされたのではないかなと思いますね。よくあそこまで落ち着いて、自分のクルマの状況をみながら完璧な走りをしていたなと思います」

「本当に素晴らしい才子が集まってくれました。二人のドライバーには本当に感謝しています」

「2020年、大変な世の中になったと思います。こんな大変な年にも皆様方に協力していただき、とっても感謝しています。まず初めに、クルマを作り上げてきているホンダさん。そして今日サーキットまで来ていただいているスーパーGTの観客の皆様方。このレースを支えてくださっているGTアソシエイションの皆様方、そしてメディアの皆様方に本当に感謝しております」

「ですから、本当に運がいい男だなと自分自身思うのですよね。それはなぜかと言うと、今日こういう席をいただきまして、皆様に感謝の気持ちを伝えることができるためです。こういった大変感動するレースを見せてくれたということへの感謝の気持ちを、ありがとうと皆様方にお伝えしたかったのです」

「今日は優勝もでき、チャンピオンにもなれたということも感謝しております。本当にありがとうございました」

高橋国光総監督(RAYBRIG NSX-GT)
会見に出席した2020年 スーパーGT チャンピオンたち

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