人物見極めるポイントは?  公務員ら力説 「知事の役割極めて重要」

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“知事のお仕事”について語る仁平さん(左)と根本さん(右)。橘さんは福島県からオンラインで参加した=千葉市中央区

 4年に1度の千葉県知事選が来春予定されている。連日テレビに登場する首相や、さまざまな行政手続きで名前を目にする市町村長に比べて、知事は遠い存在なのか低投票率が続いている。「県民の命や生活にとって、知事の負う役割は極めて重要。大きな権限をどう振るうかで県民生活に差が出る」。街づくりのNPO法人で理事を務める公務員らは、こぞって“知事のお仕事”の身近さを力説する。

 NPO法人「6時の公共」(千葉市中央区)は公務員が中心になり、2017年12月に発足。立場を越えて将来の街づくりを考えていこうと、仕事終わりの「アフター6」から学習会活動や教材開発に取り組んでいる。「立場上、知事選について語るのははばかられるが、知事の仕事を考える上で役に立つなら」と今回、代表理事で県庁職員の仁平貴子さん(40)、いずれも理事で袖ケ浦市議の根本駿輔さん(35)、総務省から福島県に出向中の橘清司さん(41)が取材に答えた。

 仁平さんは「民間企業の経営は社長次第。県も同じで、知事の関心によって大きく変わる」と切り出す。その象徴が予算と人事。知事は自らが掲げた重点政策を迅速に具現化するため、多額の財源を投入するとともに、組織を再編したり優秀な人材を集めたりする。「限られた予算の使い道の選択と集中といえるが、知事といえども全能ではない。知事が間違った判断をしないよう、有権者は政策の優先順位をチェックする必要がある」。

 根本さんは市町村財政について「少子高齢化で義務的経費が増えており、独自の政策を行う自由度が減っている」。そこに新型コロナウイルス禍が追い打ちをかける形となり、一層の財政難が見込まれる。「県の補助でカバーする事業の重要度が高まるだろう。また、知事が政策的根拠となる調査結果を提示してくれると、市町村は事業を進めやすくなる」と指摘した。

 県市町村課に勤務した経験を持つ橘さんは国と県、市町村の「三層構造」の中、知事の政策判断の重心の置き所を「理念・理論に半分、現場に半分。知事は時に国にものを申しながら、国の方針・事業を地域の実情に合うように両者のバランスを考えながらうまく運用していくことが重要」と説く。

 一方、新型コロナに対応する特措法を例に挙げ「知事の権限は大きい。権限をどう発揮するかで都道府県ごとに差が出る」と、県政の最終決定権者としての立場も強調。感染症や災害への対応はもちろん、市町村の枠を超えた産業育成や道路網の整備、医療圏の構築など広域行政の陣頭指揮も知事の大切な仕事だ。

 それでは人物を見極めるポイントは-。「美辞麗句に注意」と橘さん。「実現可能か公約を一つ一つ確認すべき。有権者にとって厳しい政策も実施せざるを得ないこともある。発する言葉が信用できるか目と耳で感じ取って。有事の際に迅速で適切な決断ができるかも大事」。仁平さんは「私たち公務員は選挙で決まった“社長”を信じて働くしかない。有権者は冷静な議論をしつつ、候補者の言葉を読み解く努力をしてほしい」と呼び掛けた。