コロナ禍だからこそ英語コミュニケーションのスキルアップを目指したい

今こそ英語力アップのチャンス!

新型コロナウイルス感染症が再び猛威を振るっており、航空業界は厳しい状況が続いています。

 

しかし、フライトが減りある程度まとまった時間が取れる時期だからこそ、英語でのコミュニケーションスキルをアップさせるチャンスとも言えます。

 

かつて航空業界で活躍、現在はケンブリッジ大学英語検定機構 試験開発部門 日本統括の青山智恵さんにこれからの英語コミュニケーションについて話を伺いました。

 

 

日常生活で役立つコミュニケーション力を伸ばす

ーまず、ケンブリッジ英語検定の特長について教えてください。

 

 青山 他の英語のテストよりも、一段とコミュニケーションをはかるためのテストになっています。

 

一番の特長としては、ケンブリッジ英語検定の代名詞ともいえるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)と整合性が高いのと、受験者2名で受ける対面ペア型スピーキングです。

 

対面式のスピーキングのテストというと、多くは試験官1名に受験者が1名ですよね。ケンブリッジ英語検定の場合は、試験官が2名に受験者が2名。試験官の1名が質問をし、もう1名は会話に加わらず採点だけをします。

 

試験官とのやり取りのほかに、受験者同士でディスカッションする対面ペア型スピーキングもあります。出された課題についてふたりで話し合うので、日常生活のコミュニケーションに近く、ケンブリッジ英語検定の代名詞ともいえるテストです。

 

もうひとつは、レベル別テストです。

 

ヨーロッパで企業が雇用する際、語学レベルの判断に主観が入ると、希望する人材を確保できません。そこで欧州評議会と弊機関が協力し数十年に渡り、客観的に英語力をはかる共通の指標を作りました。これが6段階のレベルで示した、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)です。

 

日本には様々な英語の資格試験があり、各々のテストの得点がCEFRに関連付けられた数値で示されていますが、ケンブリッジ英語検定は、CEFRと共に開発され、歴史的にCEFRにマッピングされていると主張できる唯一の英語4技能試験なんです。ケンブリッジ英語検定では、テストにCEFRのレベルと直結する名前が付いています。

 

 

 

受験する方は、ご自身の英語力が初級か中級か上級か、だいたい予想できますよね。

 

ほかの英語テスト、マルチレベルテストでは、基礎から高度な問題まで受験者のレベルに関係なく、同じ問題を解きます。ところがケンブリッジ英語検定では、レベル別テストなので、例えばC1を受験する場合は、約4時間かけてC1レベルのテストだけを行います。特定のレベルを徹底的に測りますので、より正確な結果が出るというのが特長です。一般的によくある、テストの結果と実際の英語力の乖離が少ないのです。

 

本質的に英語を勉強したい方、またスピーキング力の高さを世界に対して示したいときには、ケンブリッジ英語検定の得点で証明できますよ。

 

 

日本のテストとは相当違う!?真の英語力が見抜かれるテスト

ー青山さんご自身も、ケンブリッジ英語検定の特長を実感された経験があるそうですね。

 

青山 私が初めてケンブリッジ英語検定を受けたときに「英語のテストたるもの、こうでなくては!」と感動しました。

 

というのは、当時の私は日本で代表的な英語テストの最上クラスの資格を持っていて、スキルは十分だと思っていたんですね。ですので、ケンブリッジ英語検定でもっとも高いレベルのテストを受けましたが、これが難しくて!(笑) まさに4方向から死角なしという感じで、〝私の英語力のすべてを見られたな。参りました!"と潔く認めるしかなかったんです。

 

小学生を対象にしたスピーキングテストでは、1対1でテストを行いますが、受験した小学4年生の男の子が「4方向から見られてる気がした。日本のテストとは相当違う」と感想を書いていました。まさに私が初めて受験したときと、全く同じ感想。

 

つまり、ケンブリッジ英語検定のテスト問題は、年齢やレベルに応じて取りこぼしのないように見るものだと実感しました。

 

 

対面ペア型スピーキングの試験内容とは?

 ーケンブリッジ英語検定の代名詞といわれる対面ペア型スピーキングでは、どういった問題が出題されるのでしょうか?

 

青山 例えば、global warming(地球温暖化)や温室効果ガスが話題になっていた時期には、「あなたの身の回りで影響を受けていると思うことは何か。地球温暖化防止のためにできると思うことは何か?」についてふたりで15分間話す、という問題が出題されました。

 

暗記してアウトプットするのではなく、相手の意見に自分がどう返すか、的を射る返し方になっているのかを見られるのです。リスニングテストも、文法を理解していれば解けるというわけではありません。穴埋めになっていて、聞いた単語ではなく類義語で解答します。本当の意味で、その人が英語の使い手になれているか?をチェックするんです。

 

 上級者になるにつれてボキャブラリーは増えていきますが、初心者レベルでも同様にボキャブラリーを増やそうとしているんです。問題の傾向が分かれば、対策としてどういう言い換えができるのかを考えますよね。

 

日常生活でも何度も同じフレーズを使うよりも、2~3種類、違う言い方ができたほうが、ある程度英語が使える人だという印象を与えることができるでしょう。日常生活ですぐに役立つので、モチベーションが上がるテストかなと思います。

 

 

 

 

オンライン受験も可能!ぜひ気楽に受けてみて

ー自分の英語力に自信が持てないという人でも、気楽に受けていいのでしょうか?

 

青山 いいんです(笑)。今や日本の学習指導要領にもCEFRの要素が反映されていてリンクしていますから、ぜひ気楽に受けてみてください。

 

ケンブリッジ英語検定には、コンピュータ版テストもありますが、スピーキングのテストだけは対面式です。また、ケンブリッジ英語検定の新しい4技能テスト、『Linguaskill(リンガスキル)』はオンラインで受験できますので、インターネットがつながればご自宅でも、世界中どこにいても受けることができるんです。

 

私が常々思っているのが「Practice makes perfect.(継続は力なり)」。英語に限らず語学の学習って、ある程度時間をかけないと上達しませんし、それ以前に自信を持てないと思うんですね。日本人が苦手といわれている英語でのコミュニケーション力を高めたいのであれば、早い段階から活用すると、かなり力を伸ばすことができると思います。

 

 

充実した無料のオンラインツールで楽しく学ぶ

ー無料のオンラインツールも充実していますね。

 

青山 まずお試しいただきたいのが、英語力を診断する「レベルチェックテスト」です。25問から自分のレベルをチェックできます。

 

レベルが分かったら、次に「Write & Improve(ライト&インプルーヴ)」です。答えの英文を書くと、AIが自動添削をします。正解を表示せずに、ヒントを小出しにしてくるんですね。答えを訂正するとスコアが上がるので、〝あとちょっと頑張ればひとつ上のレベルに届くかも!"と、楽しみながら学習できます。

 

「Speak&Improve(スピーク&インプルーヴ)」は、音声ロボットのサンディが診断をします。ケンブリッジ大学で開発した新しいテクノロジーを活用していて、受験者が間違いやすい解答も熟知しています。スマホやタブレットでも使えますので、空き時間に気軽に練習できるんですよ。

 

社会人や大学生の方にお勧めしたいのは、対戦ゲーム型の「Quiz your English」。ひとりで勉強するのは孤独なところもありますが、対戦相手がいるとバトルゲームのように楽しみながら学習できるツールです。

 

 

LINEのスタディアカウントも開設 

ーLINEのスタディアカウントも開設されたんですよね。どのようなコンテンツを発信しているのですか?

 

青山 前述した無料のオンラインツールはすべてコンテンツとして提供されています。また、もっとケンブリッジ英語検定を身近に感じてもらいたい、と始めたのがLINE LIVEです。ふたりで話し合う対面ペア型スピーキングでは、「これさえ理解しておけば、恐れる必要はありません」というメッセージを伝えるために実施しました。すでに計11回開催していて、最近は質問の質がかなり上がってきています。

 

 

 

 

どこへ行っても成功するのは、コミュニケーション能力が高い人

ー青山さんは英語が堪能でいらっしゃいますが、英語学習を継続するための秘訣がありましたら、ぜひお伺いしたいです。

 

青山 やっぱり目標を持つことだと思います。そうすると、いつまでに何をクリアする!という明確な課題ができますよね。目標は年齢に応じて、あるいは人生の局面に応じて変わるものなので、変わっていいと思うんです。

 

それと、興味のあることを活用して、楽しみながら覚えるというのも必要だと思います。洋楽が好きであれば意味のあるフレーズを覚えたり、私は映画が好きなので洋画を見て勉強しました。

 

今は、ありとあらゆるところに英語を勉強するツールがあり、逆にありすぎて迷ってしまいますよね。そんなときにケンブリッジ英語検定のサイトを見ていただけたら、効率よくひとつ上のレベルを目指せるツールがそろっていますので、ぜひ活用していただけたらと思います。

 

ー青山さんも、かつて航空会社でご活躍していたとのことですが、世界的にコロナ禍で航空業界は非常に厳しい状況を迎えました。今の時代に活躍できる人になるために必要なのは、どんなことだとお考えでしょうか?

 

青山 航空会社に限らず、どこへ行っても成功するのはコミュニケーション能力が高い人。客室乗務員の方たちは、いかに効果的にお客様とコミュニケーションが取れるか、そうした瞬間を自ら演出し、楽しむことを糧にしながら、キャリアアップしていきました。

 

ケンブリッジ英語検定は、英語でのコミュニケーション力の向上を目指していますが、根底にあるのはコミュニケーション力と、相手が何を考えているのかを察する力だと思うんです。接客業はもちろん、自分が経営者になったときにも必要だと思います。

 

コロナ禍でどういうクリエイティブなことができるのか、人とのコミュニケーションを通じて情報を入手する検索力など、いろんなところに波及すると思うんですね。今は辛い時期かもしれませんが、しかるべき時が来たときにチャレンジできるように自分を高めて、群を抜くような印象が与えられるように準備をするのが大事だと思います。みんながやっているからと資格習得を目指すのではなく、ぜひキャリアアップや目的成就のために、ケンブリッジ英語検定を活用していただきたいですね。

  

 

ケンブリッジ大学英語検定機構 試験開発部門 日本統括 

青山智恵プロフィール

福岡県出身。文部科学省の「英語力評価及び入学者選抜における英語の資格・検定試験の活用促進に関する連絡協議会」「大学入試英語4技能評価ワーキンググループ」等の委員を務める。2018年3月、ケンブリッジ英語検定が大学入試センターの「大学入試英語成績提供システム」参加要件を満たしていることが確認され、一般財団法人日本ケンブリッジ英語検定機構が発足、同機構理事を兼務。

© シーエーメディアエージェンシー/ハニーコミュニケーションズ