【セーフ?】セカンドパートナーは不倫じゃない? 離婚や慰謝料請求の可能性は? 弁護士に取材しました!

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「セカンドパートナー」という言葉を耳にすることが増えています。不倫や浮気とは違い、肉体関係をともなわない男女関係のことを指しますが、離婚や慰謝料請求などに発展することはないのでしょうか? 年間300件以上の離婚案件を扱う弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所の代表弁護士、中里妃沙子先生の取材協力と監修のもと、解説します。

セカンドパートナーとは? 不倫じゃない、とはいうけれど……。

セカンドパートナーだから不倫じゃない、でも、トキメキはあるし、心から信頼してる……そんな関係、アリ? 離婚や慰謝料の原因になったりはしないのでしょうか?

「セカンドパートナー」とは、配偶者(ファーストパートナー)以外の、肉体関係をともなわない親密な交際相手のことをいいます。

「配偶者以外に親しい異性の存在が欲しい」「もう一度ときめきたい!」と思うものの、肉体関係まではちょっと……と考える人たちの間で、増えてきている新しい男女関係のありようを示す言葉です。

セカンドパートナーと異性の友だち、どう違うの?

セカンドパートナーは、肉体関係がないという点では異性の友だちと同じ。大きく違うのは、そこに恋愛感情が存在していることです。

異性の友だちとの間には信頼や尊敬、共感、好意などがありますが、そこに恋愛感情はありません。もし恋愛感情があれば、それはもはや友だち関係とはいえないでしょう。

セカンドパートナーと不倫、どう違うの?

既婚者が配偶者以外に親しい異性がいると聞くと「不倫」を思い浮かべるかもしれませんが、セカンドパートナーはそれとも一線を画します。プラトニックな間柄で肉体関係がないのが、不倫とは大きく違う特徴です。

2人で食事やデートをしたり、電話やLINE、メールなどのやりとりを重ねたりして信頼を深め合い、なかには手をつないだり、ハグしたりする人もいます。ただしセックスはしないので、その分、背徳感や罪悪感が少ないのか、最近はハードルが低くなってきているようです。

セカンドパートナーがほしくなる理由やきっかけ

一般的に結婚生活を営む過程では、男と女としてよりも、夫婦・親としての役割を果たすことを求められます。その結果、2人でデートすることは少なくなるでしょうし、セックスレスや、スキンシップの欠如、もっといえば、会話さえなくなる夫婦も少なくありません。

とくに女性はそのことに孤独を感じる傾向が強いため、その欠乏感を満たすためにセカンドパートナーを欲するのです。

ちなみに、セカンドパートナーをほしがるのは男性より女性が多いといわれています。なぜなら、女性より男性は肉体的なつながりを求める傾向が強いため、プラトニックな関係を維持するより、不倫関係を求めることが多いからです。

セカンドパートナーとはどうやって出会うの?

もっともオーソドックスなのが、職場や取引先での出会いです。毎日、しかも1日の大半の時間を過ごす仕事仲間とは共通の話題も多いことから、セカンドパートナーとなる可能性も高くなります。仕事関係での出会いは、仕事に対する姿勢を通して相手の人となりを理解しやすいので、信頼関係が深まりやすい傾向があります。

ほかにも、趣味のサークルや習い事、同窓会やOB会、子どもや地域を通したコミュニティなどで出会った人がセカンドパートナーになるケースもあります。さらには、居酒屋やバーなどで出会うことも。

最近は、街コンや既婚者向け合コン、マッチングサイトなどで積極的にセカンドパートナーを探す人も増えてきています。

セカンドパートナーとのその後は?

既婚者の心のオアシス的存在との幻想を抱かせるセカンドパートナーですが、その関係が長くキープできるケース少なく、本物の不倫へ移行してしまう場合も多いよう。

その一方で、「不倫関係ではないので堂々とする」と、セカンドパートナーの存在を配偶者に公にする夫婦や、配偶者にセカンドパートナーを持つことを推奨する夫婦もいます。

将来的に配偶者と死・離別した時には一緒になる約束をしているケースなどもあり、夫婦のありようがさまざまなように、セカンドパートナーのとらえ方もそれぞれといえます。

セカンドパートナーがいるメリットとデメリット

セカンドパートナーがいることによって、どんなメリット、どんなデメリットがあるのでしょうか。

セカンドパートナーがいる幸せとは?

なんといっても、セカンドパートナーがいることで、配偶者にはない心のよりどころを得られることが一番のメリットでしょう。配偶者には話せない悩みごとを相談できたり、精神的に支えてもらったりすることもできます。

話しかけても、聞いているのか聞いてないのか、はっきりしない家族とは違って、親身に話を聞いてもらえるとすれば? 充実感もあり、自己肯定感も自然に高まります。

共通の趣味、既婚者という立場からのアドバイスも

趣味のコミュニティで知り合った場合なら、配偶者には理解してもらいにくい趣味の話を存分にすることができますし、既婚者ならではの悩みに、配偶者以外の既婚者からのアドバイスを受けることもできます。

気持ちに余裕が生まれる

また、配偶者に求めすぎてしまうことがなくなり、気持ちに余裕が生まれます。多少つらいことがあっても逃げ道ができますし、孤独感も埋められます。

自分みがきにもなる?

ほかにも、家庭と職場のほかに、もうひとつの世界を持つことで視野が広がり、自分みがきにつながるという声も。

疑似恋愛気分を楽しむことができ、不倫より罪悪感が少ないのも利点です。

セカンドパートナーがいるデメリットは?

セカンドパートナーがいるデメリットとして、容易に想像できるのが、周囲の理解が得られないことでしょう。

夫や子どもとの関係が悪化

まず、一番身近な家族を考えてみてください。いくら肉体関係がないといっても、セカンドパートナーとはいってみれば「心の不倫」状態。快く思わない配偶者がいるのは予想できますよね。

配偶者だけでなく、子どもに知られてしまって、家庭が崩壊したり、勤務先や周囲の人から「不倫してるんだろう」と、興味本位の目で見られたりするなど、大きなリスクが予想されます。

不倫につながるケースも

さらに、自由に会えない、2人の関係をオープンにできないなど、制限されることで盛り上がり、理性や感情の自制ができなくなる可能性もあるでしょう。

また、セカンドパートナーという関係性において、一般的に女性のほうはときめきやドキドキ、精神的な支えを求めることが多いのに対して、男性のほうはいずれ肉体関係に持っていこうと考えている場合もあり、不倫――肉体関係に発展しやすい危険性もはらみます。

セカンドパートナーなら不倫のようなリスクはない?

セカンドパートナー、つまり肉体関係がないからといって、リスクがまったくないわけではありません。

もし、あなたにセカンドパートナーがいて、配偶者に不倫を疑われ、離婚を請求されたとき、当然あなたは、「相手とは肉体関係がないから不倫ではない」と主張するでしょう。果たして、その主張は通るのでしょうか?

離婚請求が認められるのは「不貞行為があった場合」

「不貞行為」とはいったいなんでしょうか? 法律の世界では一般に、ズバリ「挿入」を指します。挿入をともなう性行為があれば不貞行為とみなされ、離婚理由になります。

手をつないだり、ハグしたり、キスしたりは、法律上の不貞とはみなされません。アウトの線引きは、挿入をともなう性行為があるかないかなのです。

肉体関係さえなければセーフ?

正真正銘の「セカンドパートナー」ならば、なんらやましいことはないので離婚を請求されても応じる必要はないし、慰謝料を払う必要もない。そう思うかもしれませんね。

そのとおり、法律的には、肉体関係がなければ違法性はなく、慰謝料の支払い義務もありません。セカンドパートナーは、裁判上の離婚理由にはならないというのが、原則的な考え方です。

肉体関係がなくてもアウト!な場合も

いくら「肉体関係がない」と言っても、親密度が過ぎる場合は、その限りではありません。この「親密度が過ぎる」とはどんなことでしょうか。

たとえば、
・部屋は完全に別々に取っていたとしても、相手と旅行へ行き何日か過ごす。
・配偶者の不在時に相手を家に泊める。
・相手と過ごす時間が長すぎて家庭をないがしろにする。

このような場合は、一般的・社会通念的に親密な関係と考えられ、裁判所によっては、慰謝料の支払い義務や、離婚原因と認められる可能性もあります。

肉体関係がないことの証明は難しい

また、いくら「肉体関係がない」といっても、その真偽は当事者2人以外にはわかりません。そもそも「ない」ことの証明は不可能に近いのです。

不貞行為を原因に離婚を申し立てる場合、証拠を集める必要があるのは、離婚を申し立てる側。あなたに「肉体関係」を証明する必要はありません。

しかし、たとえば、ラブホテルに一緒に入るところと、一定時間を過ごしてから、出てきたところの写真を撮られている場合、「してません!」と主張するだけで、裁判所に不貞行為がないことを信じてもらうのは難しいでしょう。

配偶者に不安や不満があれば、離婚に発展することも

法律的な離婚事由に該当しなくても、配偶者がセカンドパートナーの存在を不安に思ったり、不満に感じたりするようならば、離婚の理由になることもあります。

たとえば、不満を感じた配偶者が別居に踏みきった場合、ケースにもよりますが、約3年以上の別居期間があれば、あなたが同意しなくても、離婚が認められることが多いです。

配偶者にセカンドパートナーがいたらどうするの?

自分の配偶者にセカンドパートナーがいた場合、まず自分が配偶者とこの先も婚姻関係を続けたいのかどうかを考えます。精神的なつながりを求めるセカンドパートナーの存在は、ある意味、肉体関係がある不倫よりもよっぽどたちが悪いと感じる人も多いでしょう。

セカンドパートナーがいるというだけで、すぐに離婚するのは難しい場合が多いです。また、配偶者やそのセカンドパートナーに慰謝料を請求することも、簡単ではありません。それでも、よく考えて、やはり離婚したいと考えるのならば、弁護士に相談しましょう。

たとえば、まずは別居に踏みきる。その上で慰謝料のこと、子どものこと、財産のこと、生活費のことなどを解決していき、最終的に離婚にもちこむというのは、ひとつの選択肢です。

まとめ ネーミングの目新しさにだまされると痛い目に!

「セカンドパートナー」のネーミングはカジュアルで気軽なイメージがあるかもしれません。法律的にも「不貞行為」ではないので、罪悪感も少ないでしょう。

しかし、セカンドパートナーとの関係も、家庭生活も、それを支えているのは「人の心」です。法律で裁かれないからといって、人の心が割りきれるものではないのは当然ですよね。

離婚や慰謝料請求に発展する可能性もないとはいえません。そのリスクが常にあることは、今一度自覚してみてください。

この記事の監修者
中里妃沙子 弁護士

丸の内ソレイユ法律事務所 所長。東京弁護士会 所属。
離婚、相続、会社法務、労務管理、債務整理、交通事故、債権回収、賃貸借契約など幅広い分野に取り組むとともに、新聞、雑誌、テレビ、WEBメディアでも活躍。とくに離婚・男女問題については年間300件以上を法律事務所として受任し、豊富な実績を誇る。
◆丸の内ソレイユ法律事務所:http://maru-soleil.jp/
◆女性のための離婚相談:https://www.rikon-soleil.jp/

(取材・文:暮らしのチームクレア 楠本知子/監修:中里妃沙子弁護士/漫画:くりきんとん)

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