世界エイズデー前に検査訴え 全国ワースト3位の滋賀県

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日常生活では感染しないこと、無料検査が受けられることを記した滋賀県のエイズ啓発シール

 発症して初めてエイズウイルス(HIV)感染を知る人を減らし、早期発見・治療につなげようと、滋賀県がPRに力を入れている。県内では近年、「発症後に知った」患者が感染者全体の50%に上っており、47都道府県中ワースト3位。世界エイズデー(12月1日)を前に、滋賀県は匿名・無料で検査を受けられることを広報したり、医療機関に協力を呼び掛けたりしている。

 主に性交渉で感染するエイズは現在、治療薬の開発が進み、適切な治療によって発症を防いだり、症状をコントロールしたりして日常生活を送れるようになっている。ただ、感染しても数年にわたり自覚症状のない期間が続くことから、気付かないうちに他人にウイルスをうつしてしまう恐れがある。

 滋賀県感染症対策室によると、過去10年間(2008~17年)の県内感染者のうち、発症前に知った人は44人、発症後に知った人も44人と半々だった。「発症後」の割合は鳥取県(60.0%)、岩手県(52.9%)に次ぐ高さで、全国平均(約30%)を大きく上回っている。

 早期発見につなげるため、匿名かつ無料で受けられる検査が全国の保健所で行われており、滋賀県内では7カ所でそれぞれ月1、2回実施している。夜間の特別日を設けたりしているが、利用者数は伸び悩んでおり、今年は新型コロナウイルスの影響でさらに減っているという。

 県は今年6月、県医師会や県病院協会の会員に文書を配布。治りにくい症状で長期通院したり、さまざまな診療科を転々としたりといった過去の県内事例を紹介し、「原因不明で治りにくい」患者がいる場合、念のためHIV検査をするよう協力を要請した。

 県民向けには、昨秋、若者に人気の大型野外イベント「イナズマロックフェス」の会場(草津市)でチラシを配布。今秋は新たに啓発用シールを作り、県庁や大津合同庁舎に貼ったほか、希望があれば大学などへの提供を検討したいという。

 同対策室は「症状がなくても、不特定多数との性的接触があったなど、感染が心配な場合は検査を受けてほしい」と呼び掛けている。