首振りDolls、初となる配信シングル3曲連続リリースに向けたインタビューが到着!

首振りDolls

2020年12月1日・15日・27日。首振りDollsは3連続初の配信シングルをリリースする。

第一弾として12月1日にリリースされる「サボテン」は、首振りDolls最強のメロディメーカー、ジョニー・ダイアモンド(Gu)渾身の作。作詞作曲者であるジョニーの人間性を感じさせるあたたかな歌詞とメロディーは、切なく広がるキャッチーさが、俯きがちな顔をそっと空へと向けてくれる。

第二弾として12月15日にリリースされる「散り散り」は、首振りDollsのメインコンポーザーであるnao(Vo&Dr)が生み出すザッツ・首振りDollsサウンド。いなたいサウンドの中に宿る、どうしようもない寂しさと孤独が漂う“傷心ロック”は首振りDollsの絶対的な武器と言える。

そして、最終章である第三弾として12月27日にリリースされる「SMILE」は、首振りDollsの“ホラー”感を担うショーン・ホラーショー(Ba)の作曲ナンバー。自身が首振りDollsに正式加入した記念すべき日に放たれる今作は、“本当の悪は笑顔の中にある”をテーマに描かれた人間の深層心理に迫る一曲。

3人が申し合わせることなく、それぞれに“孤独”を描いていたという今作は、人々の心を深く傷つけることとなった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延した中で改めて対面した自分自身の心の叫びだったのかもしれない。そして。そんな楽曲をより深く印象づけるジャケット写真は、最近では『凄凄切切』(極めてもの寂しい様)をテーマに撮影している写真家・寫眞館GELATINによるもの。ここに生まれた3つの必然を、どうか受け止めて欲しい。

配信シングル「サボテン」

2020年12月1日配信リリース

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配信シングル「散り散り」

2020年12月15日配信リリース

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配信シングル「SMILE」

2020年12月27日配信リリース

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3人とも個性が全く違うから、 違うバンドくらい雰囲気を変える

nao(Vo&Dr)

――第一弾として12月1日にリリースされる「サボテン」は、ジョニー作詞作曲ナンバーだけど、最初にこの曲を作ることになったキッカケは?
ジョニー:『100日後に死ぬワニ』がキッカケだったんだけど、曲的には全くワニくんは関係無い(笑)。物語に沿っている訳でもないし、結果全く関係なくなったんだけど。
ナオ:いや、本当に最初から全然関係ないし(笑)!
ジョニー:でも、キッカケはワニくんだったのは本当。

――キッカケってそんなものだったりするよね。でも、ワニくんに触発されたんでしょ? どういうところから?
ジョニー:『100日後に死ぬワニ』がブームだったとき、この「サボテン」って曲が出来たってとこなんですよ。だから影響はされてるんですよ、めちゃくちゃ。どういうとこって言ったら、あの物語が伝えようとしている“命の大切さ”ってとこだと思う。人生の儚さというか。そういうことを歌いたくて。

――メロディに関しては?
ジョニー:メロディーに関しては、もっとポップだったんですよ。最初、キーボードを入れたがってた感じだった。ちょっとニューウェーブ風にしたかったというか。

――ニューウェーブ風!?
ジョニー:そうそう(笑)。キーボードのリフをずっと入れて、それをずっと流しっぱなしにする感じのイメージだったんだけど、いつの間にか切ないバラードになってしまって(笑)。

――そんな激変ってある(笑)!?
ナオ:いや、最初から切なかったよ、「サボテン」。
ジョニー:でも、最初はリズムとかもポップで、もっと単純なイメージだった。
ナオ:そうなんや。
ジョニー:そう。最初のイメージからはかけ離れてる感じ。

――歌詞はどの段階で?
ジョニー:作詞は後から。曲はワニくん読む前から原型はあったんですけど、ワニくんが死んじゃうくらいに出来上がったんですよねー。だから、ワニくんは何かしらしてくれとるんすよ、俺に(笑)。命を以って、俺に何かを感じさせてくれたんですよ! 最終的にオアシスみたいなニュアンスに導かれたのも、きっとワニくんの仕業なんですよ!
ナオ:すごくいいアレンジだと思うよ。
ジョニー:そう。戸城さん(戸城憲夫=THE SLUT BANKS)がレコーディングに遊びに来てくれて、フラッとフレーズを弾いて、“こんなんいいんじゃない? 弾いてみろよ”って言われて。戸城さんがオアシスな感覚を持って来てくれたのは嬉しかったですね。ブリットポップみたいなイメージは自分の中に無かったから。
ナオ:あれはすごくいいアドバイスだったよね。俺たちだけでは、ジョニーのイメージを形には出来なかったと思うよ。“この曲いいね!”ってなって、“シングルとしてリリースしようよ!”って、この曲をここまで押し上げたのは、アレンジだと思う。
ジョニー:うん、そうかもね。そうかもしれない。
ナオ:でも、最初の段階からメロディーはだいぶ強かったけどね。
ジョニー:いやぁ、自分の中でもシングルにするほど強い曲だとは思っていなかったから。

――いやいや、ジョニーはずっとそう言ってるけど、デモを聴いたときから、純粋にめちゃくちゃいい曲だなと思ったし、すぐに覚えて口ずさめた、存在感の強い曲だったよ。
ナオ:うん。それはそう。初めてジョニーがスタジオにこの曲を持って来て、俺とショーンに聴かせてくれたときから、本当にいい曲やなぁーって思った。今回、配信シングルの一発目で、リード曲のリード曲! みたいな位置で「サボテン」が出るのはめちゃくちゃいいことだと思う。ショーンが加入してからリード曲としてMVにして来た「黒い太陽」とも「PSYCHO CLUB」とも全く違う色だからね。
ナオ:あの手この手って感じがするよね(笑)、今までのリード曲を辿ると。でも、今回の3曲のシングルを聴いてもらえるとそれが分かってもらえると思うんだけど、3人とも個性が全く違うから、その度にガラッと雰囲気が変わって。違うバンドみたいなくらい雰囲気を変えるんだよね。ショーンが加入してからそれがより濃くなっていると思う。

――リリース時にも話していたけど、「黒い太陽」はショーンが加入して初めてナオと共作で作った楽曲で、新しいリズムが首振りDollsに流れ込んだ瞬間でもあったんだもんね。
ナオ:そう! まだ上京前で、小倉の俺の部屋でいっとき二人暮らししてて。
ショーン:ドッタドッタドッタドッタのリズムの曲をやりたくて作った曲だったよね。
ナオ:そうそう。そこから作った曲。赤玉呑みながら作ったね。
ショーン:懐かしい! もう2年も前になるんだね!
ナオ:あの頃も楽しかったよね。お笑いの動画見ながらお酒飲んで。もう2年かぁ〜。
ジョニー:てか、メンバーチェンジしてからまだ2年しか経ってないの? って思っちゃうくらいショーンはずっと居る気がする。
ナオ:ショーンが入る前までのバンド活動は、輪廻転生をずっと繰り返して、同じところをずっと地獄みたいにぐるぐるぐるぐるしてた繰り返しやったからね。明日も明後日も同じ日! みたいな感覚。
ジョニー:そう。時系列が分からんくなるくらいな感じやった。
ショーン:あ! 小学校の6年間は長く感じるけど、中学高校は短く感じる! みたいなこと?
ナオ:あぁ、うぅん、、、まぁ、それは知らん。その感じ方は人それぞれやけね(笑)。そこは個人差あるやろから知らん(笑)。それはきっとショーンが中高楽しかったんやろね! 俺中学校超長く感じたもん。全然面白なかった。って、なんの話!?
ジョニー:「サボテン」の話!
ナオ:そうや! でも、本当にちょっとしたアレンジでオアシス感出るんやなぁって思ったらすごく感動したよね。
ジョニー:たしかに。最後にシェーカー入れたんだけど、それでグッとオアシス感が増してめちゃくちゃ良くなった。レコーディングのとき楽しかった。
ナオ:歌詞も良いよね。
ジョニー:「冷たい涙」(※インディーズ時代の旧曲)ぶりにいい歌詞書けたと思った!

――お。“売れた!”と思った?
ジョニー:いや、そこまでは思わなかった。正直、本当にアルバムの中の1曲かなって。でも、みんながいい曲だからシングルだシングルだ! って言ってくれて。
ショーン:いい曲ですよね、本当に!
ナオ:いいよね。“こんなにも素敵な日々が続くのなら埋まってるだけでいい”って歌詞とか最高! この歌詞はジョニーじゃなきゃ書けないと思う。俺は、“埋まってるだけでいい”って思えない人間だから、こういう歌詞は書けないからね。ジョニーとは性格が真反対だからね。

――ナオが自分ではない作詞者の歌詞を歌う場合、別人格になって歌うの? それとも自分自身としてその言葉を歌うの?
ナオ:全部俺。人格が違う歌詞でも、自分が噛み砕いて歌うから自分なんです。全部自分。ジョニーの歌詞だからジョニーに成り切って歌うとか、ショーンの歌詞だからショーンに成り切って歌うとかってことはしない。それは自分の中で噛み砕いて、自分の言葉で歌ってます。そうしないと歌っていても聴いてくれる人に伝わらないから。自分の中で自分の言葉にしているから、自分の気持ちそのものだと俺は思ってますけどね。
ジョニー:自分で絶対に歌詞を書かないアーティストの人もいるもんね。そういう人達はきっと全部自分の中で自分の言葉にしているんだと思う。

自由に出来たものを出していきたい その時に出来たものをそのまま

ジョニー・ダイアモンド(Gu)

――ジョニーが「サボテン」の歌詞を書き始めたのはいつ頃?
ジョニー:「サボテン」っていうタイトルが出て来たあたりかな。そこから一気にポポポポンって出てきて書けた。もともとあった曲と歌詞が合体したって感じだったんだけど、なかなかいい感じにハマった。
ナオ:俺の解釈としては、ささくれだった心なのに、悟りを開いちゃったっていう雰囲気。サボテンのチクチクって、ハートのチクチクを表現してるんじゃないの?
ショーン:おぉ〜!
ジョニー:そう解釈する人がいてくれてもいいなと。ぶっちゃけ歌詞は、サビ以外はあんまり意味を持たせていないからね。歌詞には意味を持たせたくないんですよ。
ナオ:そう。昔からジョニーはそう言うんだよ。意味なくはないんだけどね、聴いてる方は。でも、歌詞に意味を持たせないように作っているんでしょ?
ジョニー:俺は、“こうしようぜ!”“これが楽しいぜ!”“これがロックだぜ!”っていうのは自分から言わない様にしてる。フワッとさせといて、あとは勝手にやってください! ってのがいい。
ナオ:それがジョニーのロック!
ショーン:“この後どうなったんだろ?”ってきになるやつですよね。
ナオ:個人的には、そういう映画がめちゃくちゃ嫌いなんやけど(笑)。いろんな人の予想を探して読んじゃうタイプ。なんか、それと一緒で、ジョニーが書いた歌詞を歌うときは、そこに潜むジョニーの深層心理を探っちゃうからね。だから、「サボテン」もそうだったからね。
ジョニー:「サボテン」のナオの歌には一つも文句はなかったからね。
ナオ:それめっちゃ嬉しい!

――ライヴで「サボテン」を歌うときは、特別な日には、特別なパフォーマンスも見れるんだとか。
ショーン:そうなんです。ナオくんが曲中に立つんですよ!
ジョニー:ショーンがフワッとそういう案を出して来たんですよ。
ショーン:なんか、ふと見えちゃったんですよねー。スタジアムが(笑)。
ナオ:おぉ〜(笑)!
ジョニー:っていうか、「色子」(※インディーズ時代の旧曲)でも立てるタイミングあるから、立って歌おうと思ったら歌えるよ!
ショーン:「色子」でも立ち上がる(笑)?
ナオ:それはさすがに乱発し過ぎやろ!
ジョニー:“アイツ、また立っとるぞ!”みたいな(笑)。
ショーン:あははは。いや、昔立って歌ってた曲あったなぁと思って。久しぶりに立って歌う曲があってもいいんじゃないかな? と思って。
ナオ:そうね。たまにの方がいいよね。乱発は良くない。ジョニーが言うように、“アイツ、また立っとるぞ!”みたくなっちゃうから(笑)。毎回立つ訳じゃないから、ライヴで「サボテン」観れるのを楽しみにしててもらえたらと思います!

――そんな「サボテン」のMVには、今のメンバーになってからの首振りDollsの日々が詰め込まれているよね。これはジョニー監修で、カメラマンのmaruさんが編集してくれて。
ジョニー:走馬灯みたいにカットが細切れに切り替わるイメージで、首振りDollsの足跡みたいなものを映像で表現したかった。

――ここには、ショーンと初めてスタジオに入って音を重ねたときの映像や、上京してくるときの物件探ししてるときの映像や、ツアー先の風景やレコーディング風景やオフショットが詰め込まれていて。曲のイメージにすごく似合ってる。
ジョニー:自分のイメージを汲んでもらって、流れやコンセプトを理解してもらえた映像にまとめてくれたmaruさんに感謝ですね。

――毎週金曜日にYouTubeにアップしている『FRIDAY THE DOLLS』や、このマンスリーインタビューの映像は、全てナオがやっていたりするけど、今回も素材撮影はナオなんだよね。
ナオ:そう。最初ジョニーと話して、それぞれの子供の頃の映像とかも使って、現在までをドキュメンタリーでまとめていけたらと思っていたんだけど、古いビデオを送ってもらったら、劣化しちゃっててほとんどがデーター化出来なくて。そこは断念したんだけど、最近の素材撮影や最近のメンバー撮影は俺がして。それをジョニーが監修してくれて、maruさんがそれを編集してくれたんです! 今回のシングルのアートワーク的な話をすると、ジャケット写真は寫眞館GELATINさんで、ジャケットデザインはジョニー、「散り散り」の題字は俺の書。「SMILE」のジャケット写真のマリアは、ショーンがペイントしたオリジナルだったりするんです。だから、そんな細かいこだわりにも注目してもらえたらなって思ってます!

――そして。第二弾として2月15日にリリースされる「散り散り」はナオの作詞作曲ナンバーで。これは首振りDollsっぽい楽曲だよね。
ナオ:首振りDollsっぽい?

――まさしく、これぞ首振りDolls節だと思う。首振りDollsを知っている人ならば、これぞ首振りDolls節っていうはずだと思う。
ジョニー:ナオの曲はだいたいコード進行が同じことが多いからね。
ナオ:あははは。また言われた! この前ね、リハだった日に新曲を持って行ったら、ジョニーに“また一緒かよ!”って言われたんだよね(笑)。もうね、自分では本当に無意識で。
ジョニー:3パターンの内のAが来たな! って感じ(笑)。
ショーン:あははは。A、B、Cって感じ(笑)。
ジョニー:そうそう(笑)。「ニセモノA」来た! みたいな感じ。
ナオ:あははは。ジョニーはもう俺の曲知り尽くしとるからね(笑)。
ジョニー:もうそれこそがナオ節やけ、そのまま貫き通して欲しいからね。
ナオ:やっぱ、“ナオ節”って言われるのって、メロディーだと思うんだよね。だって、ショーンの曲に俺の歌詞が乗ってたって、“ナオ節”とは言われないでしょ。そういうものだと思う。だから、そこにとらわれずに作品を作りたい。自由に出来たものを出していきたい。そのときに出来たものをそのままね。

――なるほどね。「散り散り」が出来た経緯は?
ナオ:俺、美輪明宏さんとか瀬戸内寂聴さんが大好きで、それぞれの人生相談のYouTubeとか、お二人が対談してるYouTubeとかを聞いていたりするんですけど、「散り散り」の歌詞を書くキッカケとなったのは、瀬戸内寂聴さんのお話を聞いたところからだったんです。瀬戸内寂聴さんの生き方ってめちゃくちゃなんですよ。めちゃくちゃなんだけど、そこに自分を投影しながらいろいろと思うことを書いてみたのが「散り散り」なんです。自分なりに解釈した寂聴さんの想いを歌詞にしてみようって思ったんです。

本当にやりたかったことが 自分の中で具現化 出来るようになってきた

ショーン・ホラーショー(Ba)

――「サボテン」にも孤独を感じるけど、「散り散り」の中にも孤独を感じるよね。
ナオ:そう。寂しい。上京して東京に知り合いとかなんてほとんどいなくて。いろんな先輩達が可愛がってくれるけど、やっぱり地元を離れているから寂しいし。

――“今”の想いも強く出てる歌詞なんだね。
ナオ:そう。今まで見えなかったものも見えてきてるし。昔以上に何か掴んでやろう! っていう想いは強い。
ジョニー:地元はいい意味でも悪い意味でもぬるま湯だったからね。知り合いだらけで。
ナオ:北九州は落ち着くし、昔から知ってる人しかいないからすごく楽だし、家賃も安いし、
ジョニー:最悪困ったら実家があるし(笑)。
ナオ:そう。最悪実家に帰ったらいいって甘えがある。東京は毎日刺激的だし。
ジョニー:でも、何も変わってはないけどね、中身は(笑)。でも、地元の奴らは、上京しただけで“東京に染まった”って言う(笑)。
ナオ:そうそう(笑)。何も変わってないよ、中身なんて。甘えるとこが無くなっただけ。北九州にいた頃は、自分達がぬるいところにいるって思っていなかったけど、その場所を離れてこっちに出てきたら、そう思うようになったって感じ。あのときはいろいろ甘かったなって。

――でも、関門海峡を渡るとき、“よっしゃ! やったるで!”って想いで渡って来てたって言ってたよね。その言葉にすごく惹かれたんだよね。その我武者羅に何かを掴もうとする熱に心を動かされたというか。
ナオ:もちろん、毎回そういう想いで関門海峡渡ってたよ。でも、本当に旅行気分じゃないからね。毎回死と隣り合わせだったというか。移動時間をいかに無で過ごすか、しかないからね。
ジョニー:そう。いかにそこに体力を使わないか。ライヴの前に距離と戦ってたからね。
ナオ:そう。ライヴの時間前までに体力を温存しておかないといけないからね。ライヴで100に持っていかないといけないから。移動時間では10とか9しか力を使えない訳。これね、本当にツアーバンドじゃないと分からない感覚だと思う。毎週毎週それやってたからね。
ショーン:事故の心配もあるから大変だよね。
ナオ:そう。マジで命がけだし、何回も死にかけてるし。
ジョニー:旅行気分で楽しかったのなんて最初の3回くらいだったよ。

――ショーンもそういう経験はあるの?
ショーン:前のバンドのときに経験してますね。また自分は九州でも宮崎だったから、すごく遠かったんです。
ナオ:たしかに! 俺たち北九州だから東京まで12時間だけど、ショーンは宮崎だったから18時間くらいかかってたでしょ!?
ショーン:そう。18時間くらい。まず、九州を脱出するのにそれくらいの時間がかかる(笑)。そこからしてまず難関(笑)。
ジョニー:ヤバイよね(笑)。きっつー(笑)! だって、宮崎から北九州まで6時間くらいかかるってことだもんね! 九州脱出しても、そこから山口県と広島県と岡山県が待ってるっていうね!

――そこ抜けるにも結構時間かかるよね!
ジョニー:そう。つら〜(笑)。今思い返しても、よくやってたなぁ〜って思うわぁ〜。
ナオ:でも、その経験があっての今だからね。
ジョニー:でも、本当にその経験はしなくてもいいと思うよ(笑)。だって、時間の無駄だもん。運転してる時間にギターの練習出来るからね! プラスになったことと言ったら、ちょっと辛抱強くなっただけかな(笑)。でも、たしかに、その経験があっての今だと思うからね。
ナオ:俺たちはメンバーチェンジがあって、新たに加入するショーンが東京に居たからそれが上京のキッカケにもなったんだけど、本当に音楽やるなら東京に出なくちゃダメだなって思う。俺は本当に世の中の若いバンドマンに言いたいもん! 地方で音楽やれるようになるのは売れてからだと思う。昔の自分達は、そこに居たまま頑張れると思っていたし、ちゃんと前進してるって思ってたけど、それは違ったなって今思う。売れてから地元に戻って音楽やるのはいいと思うんだけど、まず、音楽やるなら東京に来なくちゃダメだと思う。上京してみて思う。東京で腐ったんなら、お前がそこまでだったってことだと俺は思う。俺自身も、自分の限界を見たくないから、今、必死でもがいているからね。
ジョニー:やっぱり東京は日本の中心だからね。俺たちはバンドをやっている以上、最先端の音楽を作るべく頑張っている訳ですよ。日本のロックを背負ってるってくらいの気持ちでね。だから日本の中心である東京で頑張るべきなんだと思う。でも、地方でもカッコイイ音楽は出来ると思うし、やってる人たちもたくさんいる。だから、そこは否定しないけど、何かアクションを起こすときは絶対に東京だなって思う。だからと言って、地元を粗末にしている訳じゃなくてね。いつまでたっても地元は大事。一番好きな場所であることに変わりはないから。
ナオ:そうだね、そこは大前提として。地方に居たら、地方に来てくれた人を待って対バンするしかないしね。そこでの出会いも大きかったけど、やっぱり比べ物にならないくらい出会いがあるからね、東京には。でも、何だろうなぁ、だからこそ孤独でもある。
ショーン:でも、最初に誘われたときナオくん、北九州に住んで欲しいって言われた気が、、、、。
ナオ:え!? 俺、そんなこと言いよった!? 全然覚えてない(笑)!
ショーン:え(笑)!?
ナオ:ごめんごめん(笑)。でも、ショーンが加入してからすぐに2枚目のアルバム『アリス』のレコーディングが始まるタイミングだったから、どうしても曲作りの為に北九州に来てもらわなくちゃいけなかったからね。その間は、さっき「黒い太陽」の話のときにも出て来たけど、俺の家でショーンと同棲してたからね。
ジョニー:でも、ショーンが入ってから曲が出来るペースが半端なく早いからね。
ナオ:ショーンの中で、加入前のフェイバリットソングと加入後のフェイバリットソングをあげるとしたら何?
ショーン:加入前は、「タイムマシーン」とか。激しくおドロドロしい中で、最後エンディングでガラッと変化するっていうところがすごく好きで。
ナオ:ジョニー曲だね。
ジョニー:あのギャップがいいんやろね。俺はずっと暗いバンドが嫌いだから、嫌いというか、疲れちゃうから、どうしてもそういうギャップを付けたくなっちゃうんだよね。
ナオ:加入後は?
ショーン:ん〜。今だったら、「SMILE」かな〜。
ナオ:おっと! 繋がったね!

――「SMILE」といえば! 今回最終章である第三弾として12月27日リリースにリリースされるシングル曲だね。ショーン作曲、ナオ作詞。ショーンの中では、現時点での最高傑作ということ?
ショーン:そうなんですよ。本当にやりたかったことが自分の中で具現化出来るようになって来て。自分のやりたかったことがだんだん出来て来てることが嬉しいんです。その感覚を掴めたのが「SMILE」だったんです。妖しいフレーズなんだけど、どこかポップっていう。「PSYCHO CLUB」からの「SMILE」って感じで、ちょっとバーンとキテる感じなんですよね。「SMILE」は、ナオくんが、“世間を皮肉って欲しい”って言うリクエストに基づいて歌詞を書いてくれて、メロも付けてくれたんですけど、その歌詞もすごくしっくりきたし、ジョニーさんのギターもめちゃくちゃいいんですよ!
ジョニー:俺の中にはない感じのギターだったからね。そういう意味ではすごくいい挑戦になったし、新しい感覚だったというか。弾いてて純粋に楽しいんだよね。
ナオ:うん。超いいよね、「SMILE」。

――ショーンの中で「SMILE」は、いつ頃から構想があったの?
ショーン:“妖しさポップ”っていうのは、バンドをやり始めた頃からあったんだけど、自分自身のルーツとして、もともとミドルテンポの曲ばっかりを聴いてきたのもあったから、改めて構想し始めたっていう感覚ではなくて。
ジョニー:ショーンは自分の中にしっかりとイメージが固まっているからね。俺とかナオみたいにふんわりした状態じゃないから。それに合わせてギターを弾いてる。
ナオ:ショーンはバンド内で一番クリエイティブな人だからね。
ジョニー:そことのいい化学反応で出来たのが「SMILE」なんじゃないかな。
ナオ:ほぼ固まっているんだけど、ショーンの中で迷っているとこはバンドに委ねてくれるから、すごくいいバランスの化学反応になってるんじゃないかなと思う。そこで一緒に作品作りをしてる感じがする。任せてくれるからこそ、そこで頑張れる感じというかね。
ショーン:ベースに関しては完全に作り込めるんだけど、それ以外の部分ではスペシャリストに任せたいなと。
ナオ:でも、任せっきりにはしないからね、ショーン。ちゃんと違うときは違うって言うからね。
ジョニー:そう。ちゃんと軸はショーンが持ってるからね。
ナオ:そう。だから、ショーンとの作品作りはすごくしやすいんだよね。
ショーン:自分で言うのもですけど、ラジオでこの曲が流れてきたら、自分だったら間違いなくShazamする1曲かなと。
ナオ:カッコいいよね、「SMILE」。あのイントロからのコーラスと、俺とジョニーの強い癖が絡みあって完成した作品だったと思うよ。首振りDollsがやってるみたいないなたいロックや昭和歌謡は、この令和の時代にはルーツ音楽になっているのかもしれないけど、本当に音楽を聴きたくて聴いてる人たちに刺さる音楽をやっていると思うから、そこは変えちゃいけないと思っていて。このまま突き進んでいけたらいいなと思ってますね。時代に迎合する音楽は出来ないと思っているから。
ショーン:今、10代や20代の子たちに昭和歌謡ってすごく流行っているらしいからね。
ジョニー:つまりはブルースですよ。そこ。
ナオ:そうだね。鮎川さん(鮎川誠)や柴山さん(柴山“菊”俊之)も言ってたけど、“今日キツかったね”ってことを歌詞にして歌っていけばいいんだと思う。
ショーン:まだライヴで数回しかやっていない「童」って曲なんて、まさにブルース以前な感じというか、原始的な感じがするもんね。
ジョニー:本能的なね(笑)。
ナオ:そうそう(笑)。自然と体が動いちゃう感じね。本当にリズムから出来てったからね。ショーンが突然ベースフレーズを弾き始めて。そこにリズムとギターを絡めていって出来上がっていった感じだったからね。本当の共作。

――今までも、ナオ×ジョニー、ナオ×ショーンとかっていう組み合わせで、いろんな共作曲があるけど、ジョニー×ショーンってのが無いんじゃない?
ジョニー:あぁ、そういえば無いね!
ショーン:あ、無いですね!
ナオ:それやってみようよ! すごく聴きたい!
ジョニー:面白そうやね! どんな感じになるんだろ?
ショーン:ダンスミュージックとか(笑)!?
ジョニー:いいね〜! エレクトロニカとか?
ショーン:あははは。いいですね!
ナオ:じゃあ、久しぶりに俺とジョニーも曲作ろうよ!
ジョニー:いいよ。
ナオ:ってことで、まだまだいろんな首振りDollsを魅せられそうなんで、今は、出来立てのそれぞれの個性が詰まった「サボテン」「散り散り」「SMILE」を是非聴いてみてください!

取材・文:武市尚子
ジャケット撮影:寫眞館GELATIN
MV編集:maru(素材撮影:DOLL RECORDS Co., Ltd.)
メンバー撮影」DOLL RECORDS Co., Ltd.

【有観客ライヴ】

『REAL FRIDAY THE DOLLS -Cold teardrops- 〜首振りDolls one-man〜 』
12月18日(金) 東京・新宿MARZ
<チケット>
前売り¥4,000+drink
一般発売日:11/14(土)10:00 〜有観客チケットLive pocketのみ
■1部 open 16:30 / start 17:00
https://t.livepocket.jp/e/8fbyj
■2部 open 19:30 / start 20:00
https://t.livepocket.jp/e/llh5c

『E✝︎V✝︎E -Cold teardrops- 〜Christmas eve首振りDolls one-man〜 』
12月24日(木) 東京・新宿MARZ
<チケット>
前売り¥4,000+drink
一般発売日:11/14(土)10:00 〜 有観客チケットLive pocketのみ
■1部 open 16:30 / start 17:00
http://t.livepocket.jp/e/ah68n
■2部 open 19:30 / start 20:00
http://t.livepocket.jp/e/igije

◎ライヴ詳細ページ
http://kubihuri.com/live/live-1698/

首振りDolls オフィシャルHP

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