【ライターが振り返る】海外ドラマ現地取材の裏話・こぼれ話雑記<第二回>

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海外ドラマ現地取材の裏話やこぼれ話のあれこれをご紹介するシリーズ。今回は海外取材現場の緊張感溢れる独特な雰囲気や、スターたちとの思い出話をいろいろと振り返ってみたいと思います。

<海外の取材現場は戦場さながら!?>

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日本でもハリウッド・スターの来日取材や国内タレントのインタビューを多数経験している筆者ですが、やはり海外と日本では取材現場の様相がかなり異なります。インタビュー取材のスタイルとしては大きく分けて、「記者会見」「囲み(ラウンドテーブル)」「単独」の3パターンになりますが、これは日本も海外もほぼ一緒。ただ、海外で行われるインターナショナル・ジャンケットの場合だと、参加する記者の人数が少なくても12~13名(小規模ジャンケットの場合)、多い時は100名以上(大規模ジャンケットの場合)にも及ぶことがあるので、単独インタビューはたまにしかありません。筆者の個人的な経験から言うと、小規模ジャンケットでは囲み形式が主流。大規模ジャンケットでは記者会見形式もしくは囲み形式のどちらかとなります。囲みの場合だと参加記者が5~10名くらいずつのグループに分けられ、会場内の指定されたテーブルについて待機。スターやプロデューサーは各テーブルを回ってインタビューを受けることになります。

で、記者会見形式の場合だと進行役が現場を取り仕切り、挙手をした記者にマイクを回して質問していくという流れは世界共通。まあ、これは変わりようがありませんね。一方、囲み形式となると雰囲気も大きく様変わりします。日本の現場だと記者が順番にひとつずつ質問をしていき、時間の許す範囲内でそれを繰り返していくのですが、海外では基本的に質問した者勝ち。うかうかしていると質問出来ないまま取材時間が終わってしまいます。なので、記者同士がお互いに牽制しあったり、誰かが質問しようとしたら大声で割り込んできたりなんてことも当たり前。まさに仁義なき戦い(笑)。さながら戦場のような取材バトルが繰り広げられます。和を尊ぶ日本の現場ですっかりスポイルされていた筆者も、最初の頃は圧倒されて手も足も出ませんでした。ただでさえ日本から現地へ飛んで、いきなり英語脳に頭を切り替えるだけでも一苦労ですし。そのうち、最初に質問の口火を切った記者がその後の流れで有利になると気付いたので、スターが席に着いたら間髪入れず質問をぶつけるという戦術を編み出しましたが(^^; とにかく、海外取材ではだいぶ鍛えられました。

<スターと仲良くなれるチャンスも1?>

BEVERLY HILLS, CALIFORNIA - FEBRUARY 09: John Voight attends the 2020 Vanity Fair Oscar party hosted by Radhika Jones at Wallis Annenberg Center for the Performing Arts on February 09, 2020 in Beverly Hills, California. (Photo by George Pimentel/Getty Images)

基本的に海外のスターはとてもフレンドリー。筆者のような外国人記者に対しては、「遠路はるばるようこそ!」みたいなノリで接してくれます。日本ではタレント側と取材側の間に見えない垣根のようなものが存在しますが、そういた雰囲気もほとんどありません。もちろん、そこには海外ならではの事情が関係します。ビッグネームとなればまた話は別なのでしょうが、彼らは日本のタレントのように事務所に守られているわけではないので、ジャーナリストを味方につけるという意味もあって親しく接しますし、セルフ・プロモーションの一環として割り切っている部分もあるんですね。なので、取材側もそこを勘違いしてはいけないでしょう。

日本では取材が終わると殆どの場合、タレントさんは事務所関係者などに囲まれて出て行ってしまいますが、海外のスターはインタビュー終了後にも残って記者と立ち話などすることもしばしば。『レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー』のジョン・ヴォイトは東京国際映画祭の審査員として来日した時の思い出や大好きだという黒澤明作品の話をしてくれましたし、『クイーン・メアリー/愛と欲望の王宮』のミーガン・フォローズは筆者が映画『赤毛のアン』の大ファンだと知って嬉しそうにハグしてくれました。やはりミーガンといえばアン・シャーリーですもんね。あの作品が日本で愛されていることもちゃんとご存じでした。そういえば、『CSI: 科学捜査班』のテッド・ダンソンには「日本へ家族で旅行する予定なんだけれど、どこかおススメの場所はある?」と訊かれて金沢を薦めたこともありましたっけ。また、『CSI: サイバー』のパトリシア・アークエットに映画『6才のボクが、大人になるまで。』のウェブレビューを書いたことを伝えたら、自分のツイッターで拡散したいと言われてアドレスを交換したこともありました。もちろん、後でちゃんと拡散してくれました。

NEW YORK - JANUARY 30: "Past Tense" -- After a woman is murdered in her apartment, Danny and Baez turn to her daughter, Margo (Lyrica Okano), for help, but instead she complicates the investigation. Also, someone from Jamie and Eddie's past launches a smear campaign against them, and a mobster shows up in the DA's office claiming to be Anthony's long-lost brother, on BLUE BLOODS, Friday, March 8 (10:00-11:00 PM, ET/PT) on the CBS Television Network. Pictured: Donnie Wahlberg (Photo by Patrick Harbron/CBS via Getty Images)

あと印象深いのは『ブルーブラッド~NYPD家族の絆~』のドニー・ウォルバーグ。L.A.取材の現場でも立ち話をしたのですが、その翌日にホテルのエレベーターでばったり再会。彼はジャンケットのためにニューヨークから来ていたので、同じホテルに宿泊していたんですね。向こうから「Good Morning!」と声をかけてくれて、誰?と思ってよく見たらボディガードに囲まれたドニーが目の前に(笑)。軽く世間話をして別れたのですが、後々になって聖子ちゃんとのデュエット・ソングのこと聞いておけばよかった…と後悔しました。ホテルで会ったといえば、『ジーニアス:世紀の天才アインシュタイン』のジェフリー・ラッシュとエミリー・ワトソン。取材はロケ地のプラハで、初日のセットビジットが終わってホテルへ戻ったのですが、仲良くなったアメリカやオーストラリア、ブラジルの記者たちと「寝る前に一杯やろう」という話になり、ホテルのラウンジ・バーへ行ったところ、ついさっきインタビューしたばかりのジェフリーとエミリーがそこに!「赤信号みんなで渡れば怖くない」的なノリで話しかけ、そのまま一緒にお酒を飲みながら歓談しました。真冬のプラハの夜。あれは忘れられない思い出です。そのほかにもスターとの交流話はいろいろありますが、今回はここまでということで…。

LONDON, ENGLAND - MARCH 30: Emily Watson (L) and Geoffrey Rush attend the London Premiere after party for the National Geographic Channel's "Genius" at Quaglino's on March 30, 2017 in London, United Kingdom. (Photo by David M. Benett/Dave Benett/WireImage)