<レスリング>【2020年東日本学生選手権・特集】大学選手権で負けた相手にリベンジし、初のタイトル獲得…男子フリースタイル86㎏級・市川アンディ(神奈川大)

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(文=布施鋼治、撮影=矢吹建夫)

2週間前のリベンジを果たし、初のタイトルを獲得した市川アンディ(神奈川大)

 「今回は(エントリーしながら)出場しない大学もあったので、自分にも優勝できるチャンスがあるんじゃないか、と思いながら試合に臨みました」

 11月25日の東日本学生選手権第2日。新人戦の男子フリースタイルA86㎏級は市川アンディ(神奈川大)が制した。大会出場は11月8日に大阪で行なわれた全日本大学選手権以来2週間ぶりだったが、その前はコロナの影響で約1年間もインターバルが空いていた。

 「今でも1日1時間半と短い時間でしか練習はできない。ウエートトレーニングも週2回。そういう環境の中で、いかに自分を追い込めるかを考えながら調整していました」

 勝負のヤマは全日本大学選手権3位の内田貴斗(専大)との準決勝だったと思い返す。「大学選手権の初戦で内田選手に負けている。自分からタックルに行った時にカウンターでバックを取られ2失点してしまったことが敗因でした。今回は強気に前に出ることで、コーションを取り、リベンジすることができました」

 続く川崎大輝(東洋大)との決勝ではローリングや飛行機投げによって9-1という大差で勝利を手にした。「ただ、向こうのチャレンジで自分では4点取ったと確信した攻撃が1点になってしまったことは残念でした」

「ここならもっと強くなれる」と神奈川大に進学

 父・廣史さんと、ドミニカ共和国出身の母・ミランディーナさんの長男として、生まれ育った栃木県の足利工大附高のクラブチームで小学4年生からレスリングを始めた。「父に道場に連れていったもらったことが、取り組んだきっかけです。真面目にコツコツとやっていれば、いつかは結果を出せると信じて続けました」

決勝は9-1の快勝!

 これまでの最高位はインターハイの3位。監督やコーチの説明を聞き、「ここならもっと強くなれる」と確信し、重量級の層が厚い神奈川大に進学した。まだ大学1年生。2021年に向け、市川は「まずは通常83㎏程度しかない体重を増量したい」と願う。

 「86㎏級でやっていくためには、筋力と体重を増やしていかないといけない。90㎏くらいまで上げ、減量する形で試合に臨みたい」

 来年の当面の目標は、今年は初戦敗退という結果に終わった全日本大学選手権での優勝を挙げる。「自分からどんどんタックルに入り、テークダウンしてからのローリングという必勝パターンに磨きをかけたい」

 今回の大会は無観客試合として行なわれていたので家族の来場はなかったが、優勝した直後、自宅で配信ライブを見ていた母・ミランディーナさんから「おめでとう」というメールが届いた。応援してくれる両親のためにも、市川はこれからも真面目にコツコツとレスリングに取り組もうと思っている。