中学生、ガマの暗がりで見た沖縄戦は… 体験者が当時の生活を説明 牧港・チヂフチャーガマ

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 「暗くて怖い」。「とても蒸し蒸ししている」。沖縄県宜野湾市立嘉数中学校1年の生徒12人が11月28日、沖縄戦中、嘉数地域の住民約400人が避難したといわれる浦添市牧港のチヂフチャーガマに入った。湿って足場の悪いガマの中を慎重に歩き、当時の状況を体感した。戦争の記憶継承に取り組む団体「ぎのわんピースブリッジ」が企画。同団体は県内の大学生と嘉数区自治会が協力して運営している。

 (長嶺晃太朗)

 沖縄戦当時、ガマに避難していた宮城勲さん(83)、石川信一さん(83)、伊波義雄さん(82)が案内人を務め、ガマでの生活や当時の悲惨な状況を説明した。参加生徒らはガマの中に入るのは全員初めて。辺りを見回し、「食事はどうしていたのか」などと宮城さんらに質問した。

 「入ったのは約75年ぶりだ。あの頃を思い出す」。伊波さんは7歳の時に沖縄戦を体験。米軍上陸後、ガマの中で約4日間過ごし、その後、南部へ避難した。「子どもたちに当時の状況を肌で感じてもらい、沖縄戦について理解を深めてもらういい機会になったと思う」と生徒らに視線を向けた。

 地域の人たちの避難生活を追体験した吉浜航希さん(13)は「とても暗くてどんよりしていた。あの中に大勢で長い時間過ごしていたなんて恐ろしい」と語った。伊波桃夏さん(13)は「お茶わんがたくさん落ちていたのに驚いた。本当にガマの中に人がいたなんて考えられない」と声を落とした。

 「ぎのわんピースブリッジ」はこれまで、生徒らが嘉数地域に残る戦跡や旧跡、住民の当時の避難経路などの地図を作製するイベントも実施してきた。同団体の石川勇人さん(22)=沖縄国際大学4年=は「今後は生徒が宮城さんらの聞き取りをする。その様子をまとめ、映像で発信したい」と意気込んだ。