ポニーリーグが年間総額360万円の奨学金制度を新設「子どもたちの夢を支援したい」

記者会見に出席した広澤克実理事長【写真:佐藤直子】

独自の取り組み「SUPER PONY ACTION~PART II~」を発表

ポニーリーグがまた、子どもたちの未来を考えた新たな一歩を踏み出した。一般社団法人日本ポニーベースボール協会(ポニーリーグ)は1日、都内で記者会見を行い、昨年反響を呼んだ「SUPER PONY ACTION~PART I~」に続く、「SUPER PONY ACTION~PART II~」を発表した。

パート1では「年齢による投球数制限」を定めたほか、「国際標準バットの導入」「怒声・罵声等に対するイエローカードの導入」など、子どもたちが心身ともに向上しやすい環境作りを行った。それを受け、今回のパート2では「社会に有益な人材を育成するための大いなるチャレンジングマインドの醸成」をテーマに掲げ、「夢のある野球を利用した、野球少年の成長を守る取り組み」に臨むとした。

主な取り組みとして、まず挙げられたのが「保護者負担の軽減」だ。野球離れの大きな要因の1つとされる「保護者の負担」を減らすため、地方大会の準々決勝以下、全国大会の2回戦以下の試合については審判2人制を採用。これで、父兄審判員の出場要請を減らすことを目指す。

また、大倉グループのサポートを受け、野球用具などの購入が困難な家庭には「ポニーファミリー サプライ用品給付制度」を設けて支援に乗り出していく。

子どもたちの夢を最大限にフォローアップするポニーリーグ独自の奨学金制度も新設。野球の本場・アメリカでメジャーや独立リーグに挑戦したい選手を支援する「夢 果てるまで 給付型奨学金」(毎年2名まで、年間60万円/人を給付)、国内の独立リーグやクラブチームからNPB入りを目指す選手を支援する「目指せ NPB 給付型奨学金」(毎年2名まで、年間60万円/人を給付)、ポニーリーグが持つ世界のネットワークを活用した海外留学プランを実現する「グローバル人材育成 給付型奨学金」(毎年2名まで、年間60万円/人を給付)を導入し、総額360万円の給付型奨学金で夢をサポートする。

その他、選手や子どもたちの成長を守り遂げるために、ポニーリーグ独自の育成メソッドを利用しながら、「GATHER」「SSKリレーションズ」を通じて、実際に就職先を紹介する直接的な就職支援を行っていく予定だ。

記者会見に出席した広澤克実理事長は「我々は黒子です。まだ、子どもたちのためにできることがある。子どもの頃、プロ野球選手を目指していたが、そこには大好きな野球を1日でも長くやりたいという思いが根底にあった。子どもたちが代打でも代走でも守備でも、どんな形でも野球をプレーしながら学ぶことに意味がある」と話し、これからも子どもの成長を見守る団体作りを続けると話した。(佐藤直子 / Naoko Sato)

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