「PRアワードグランプリ2020」が決定

事業会社(ダイキン工業)とPR会社(井之上パブリックリレーションズ)がダブル・グランプリ受賞

2020年12月1日
公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会

(公社)日本パブリックリレーションズ協会はこのほど、「PRアワードグランプリ2020」グランプリ審査会を開催し、今年度は「“上手な換気の方法”を伝えたい!『空気で答えを出す会社』の底力」(エントリー会社:ダイキン工業(株)、事業主体:ダイキン工業(株))と「『新型コロナウイルスに関する危機管理広報初動マニュアル』無償提供でコロナ禍での本質的PR発想を最短最速で日本中に提供」(エントリー会社:(株)井之上パブリックリレーションズ、事業主体:(株)井之上パブリックリレーションズ)の2つのエントリーをグランプリとして選出いたしました。PRアワードグランプリで2つのエントリーがグランプリを受賞するのは2014年以来、2回目です。
今年は昨年を上回る79件のエントリーがありましたが、新型コロナウイルスに関わるPR事例のエントリーが多く見られました。今回グランプリを受賞した2つのエントリーは、コロナ禍という人類共通の危機に際して、事業会社・PR会社それぞれに求められる社会からのニーズに迅速かつ高いインパクトで期待に応えたこと、また、そこから対話型で多様なステークホルダーとの関係構築を継続的に実施したことで、自社のみならずパブリックリレーションズの社会的な役割を広く認知させたことが高く評価され、審査員団の総意をもって2つのエントリーのダブル受賞となりました。
なお、「ゴールド」は該当なし、「シルバー」「ブロンズ」に各7エントリーを選出いたしました。
また奨励賞として、「ニューノーマル時代の社内コミュニケーション 社員向けポッドキャスト」(エントリー会社:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.、事業主体:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.)が選出されました。

「PRアワードグランプリ」事業は、優れたPR事例を選考・顕彰することで、PRの普及と発展に寄与することを目的に毎年実施しています。今年度は79エントリーの応募がありました。
「グランプリ」「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」を受賞した全16エントリーと奨励賞1エントリーの内訳は以下の通りです。

<「PRアワードグランプリ2020」受賞エントリー> (全16エントリー/奨励賞1エントリー)

<グランプリ> 受賞エントリー(2エントリー、エントリー登録順)

■“上手な換気の方法”を伝えたい!「空気で答えを出す会社」の底力
エントリー会社:ダイキン工業(株)
事業主体:ダイキン工業(株)
応募カテゴリー:コーポレート・コミュニケーション

■「新型コロナウイルスに関する危機管理広報初動マニュアル」
無償提供でコロナ禍での本質的PR発想を最短最速で日本中に提供
エントリー会社:(株)井之上パブリックリレーションズ
事業主体:(株)井之上パブリックリレーションズ
応募カテゴリー:ソーシャルグッド

<ゴールド> 受賞エントリー(0エントリー)

該当なし

<シルバー> 受賞エントリー(7エントリー、エントリー登録順)

■#家でも防災訓練してますか?もしものときのサランラップ®活用術
エントリー会社:(株)電通
事業主体:旭化成ホームプロダクツ(株)
応募カテゴリー:ソーシャルグッド

■冷凍餃子#手間抜き論争
エントリー会社:(株)本田事務所/(株)マテリアル
事業主体:味の素冷凍食品(株)
応募カテゴリー:マーケティング・コミュニケーション

■コロナ禍にさらされた“日本の伝統文化産業”を救え。
伝統文化の担い手と顧客を繋ぐ「にほんもの/NIHONMONO」プロジェクト
エントリー会社:(株)サニーサイドアップ
事業主体:(株)サニーサイドアップ
応募カテゴリー:マーケティング・コミュニケーション

■分身ロボットカフェDAWN ver.β
エントリー会社:(株)ADKクリエイティブ・ワン/(株)サニーサイドアップ
事業主体:オリィ 研究所
応募カテゴリー:ソーシャルグッド

■ユニ・チャーム ソフィ #NoBagForMeプロジェクト
エントリー会社:(株)博報堂
事業主体:ユニ・チャーム(株)
応募カテゴリー:コーポレート・コミュニケーション

■交通事故から子供を守れ 肩にかけるおまわりさん まもってトート
エントリー会社:(株)博報堂
事業主体:本田技研工業(株)
応募カテゴリー:ソーシャルグッド

■乾癬(かんせん)の疾患啓発活動「FACT FASHION ~真実を着る、誤解を脱ぐ。~」
エントリー会社:(株)オズマピーアール
事業主体:ヤンセンファーマ(株)
応募カテゴリー:コーポレート・コミュニケーション

<ブロンズ> 受賞エントリー(7エントリー、エントリー登録順)

■緊急開催!チンアナゴ顔見せ祭り!
エントリー会社:(株)電通
事業主体:オリックス不動産(株)
応募カテゴリー:マーケティング・コミュニケーション

■緊急事態宣言下、明智光秀と市役所からの「謀反のお知らせ」
エントリー会社:京都府福知山市
事業主体:京都府福知山市
応募カテゴリー:コーポレート・コミュニケーション

■休校・休園にともなう子供たちのための無償サポートプログラム
エントリー会社:(株)読売広告社
事業主体:(株)ベネッセコーポレーション
応募カテゴリー:ソーシャルグッド

■社会課題解決と消費者ニーズに対応する、新しいお歳暮のカタチ「ポ歳暮」
エントリー会社:(株)パブリックグッド
事業主体:楽天(株)
応募カテゴリー:ソーシャルグッド

■「私たち」を増やす「仲間づくり」で挑み続ける医療課題解決
―PA・PR、両利きのイノベーション―
エントリー会社:Ubie(株)
事業主体:Ubie(株)
応募カテゴリー:ソーシャルグッド

■Chief Future Officer
エントリー会社:(株)電通
事業主体:(株)ユーグレナ
応募カテゴリー:コーポレート・コミュニケーション

■日本の経理をもっと自由にプロジェクト
エントリー会社:オフサイド(株)
事業主体:(株)ROBOT PAYMENT
応募カテゴリー:コーポレート・コミュニケーション

<奨励賞> 受賞エントリー(1エントリー)

■ニューノーマル時代の社内コミュニケーション 社員向けポッドキャスト
エントリー会社:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.
事業主体:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.
応募カテゴリー:コーポレート・コミュニケーション

なお、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、例年時事通信ホールで開催している表彰式及び受賞者によるプレゼンテーションの一般公開に替えて、事前に収録した各受賞エントリーの方々のプレゼンテーション等を12月18日(金)【予定】から期間限定でオンライン配信いたします。

<井口 理・審査委員長の講評コメント>

コロナ禍で国内外のアワード行事が軒並み中止や延期となる状況ではありましたが、ネガティブな環境においてもPRはその状況をポジティブに転換していくチカラがあるはず、その思いからアワードの実施を提言しました。逆風の中で、それをしっかりと受け止め、進むべき道を見つけ出した取り組みを各所に紹介・共有できるのであれば、それこそがアワードが貢献し得る最大のメリットとなると考えました。とはいえ、当初はそのエントリー数もそこまで期待できないと予想していましたが、蓋を開ければ例年に違わず、またクオリティの高いエントリーが揃ったことに驚嘆し、また安堵しました。

今年はコロナ禍という最大の有事に対してスピーディに取り組んだ案件のみならず、以前から中長期で継続されてきた活動もこのタイミングでより象徴的にその成果が表出したものもありました。これまで気づかなかった様々な課題が顕在化し、それをしっかりと受け止め対応するなど、負の状況下を「機会」として捉え、新たな活動を起こした企業も数多くあったようです。コロナ禍は、ある意味で我々により積極的に、前向きな姿勢で課題に向き合う心構えをもたらしたのかも知れません。

今年のPRアワードグランプリは、異例のダブル・グランプリ受賞となりました。最終審査では突出した2エントリーについて多くの時間を割き、その評価軸において議論を重ねました。そしてその議論は本アワードの目的とはなんぞやという本質的な部分にまで至りました。なぜなら、ダブル・グランプリの一方がPR会社自体の活動であったためです。本アワードはこれまで事業会社の目的や課題に対して、PR会社やPRパーソンがどのように取り組み、また成果を上げたのかを議論してきました。しかし、今回の議論を経てPR会社は裏方やサポーターという立場のみならず、PR会社自体も事業会社として立ち居振る舞うべき存在でもあるのだという当たり前の事実を再認識しました。その意味で、事業会社の活動と同様に評価をして然るべきと考えました。併せて、このコロナ禍でPR会社そのものが果たすべき社会的存在意義やその価値について改めて考え直し、業界内で共有できる良い機会と判断し受賞を決めました。これをタイミングに日本のPR業界のポジションが、先行する欧米同様に加速度的に進化していくことを願って止みません。
またもう一方のグランプリであるダイキン工業様のエントリーも、PR会社と共働しつつも企業内の広報・PR関係者の中長期の意志と取り組みを背景に達成された真性のPR活動と言えるでしょう。自社の打ち出し方をしっかりと定め、そのスローガンの下、コロナ禍でバタつきがちなタイミングに初速鋭くアプローチを重ね、その社会的存在意義を伝え切った好事例と思います。そのブレない意志があるからこそ、このコロナ禍でもスピーディな意志決定と活動が実現でき、競合他社との鮮明な差別化が図れています。そしてこの取り組みはコーポレート・コミュニケーションが主体ではあるものの、それはまた商品の販売実績といったマーケティング的な成果にまで波及しています。まさに企業評価を高めつつ、それがマーケティングにも寄与するというこれからの理想的なコミュニケーションが実践されたことは素晴らしいと思います。

これら二つの事例から今後の広報・PRの未来を見出しつつ、事業会社、PR会社ともにそれぞれがその社会的役割を果たし、また連携するステージをさらに発展させていくきっかけとできれば幸いです。本アワード審査にて、メディアやアカデミック、事業会社、そしてPR会社といった出自の異なる各審査員の方々と、それぞれの視点を交差させながら濃密な議論ができたことは自身の学びでもありました。改めて御礼申し上げます。

<審査団>

■審査委員長 (敬称略)
井口 理 株式会社電通パブリックリレーションズ 執行役員

■審査団(9名) (敬称略/氏名50音順)

阿久津 聡 一橋大学大学院 経営管理研究科教授
金子 みどり アマゾンジャパン合同会社 パブリック・リレーションズ本部 本部長
田上 智子 株式会社 刀
エグゼクティブ・ディレクター ストラテジック・コミュニケーション
永渕 雄也 株式会社博報堂 統合プラニング局 チームリーダー/PRディレクター
古田 大輔 ジャーナリスト/メディアコラボ代表
本田 哲也 株式会社本田事務所 代表取締役
松本 理永 株式会社サニーサイドアップ 取締役CBO/
公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会 顕彰委員会
横田 和明 株式会社井之上パブリックリレーションズ 執行役員
吉宮 拓 株式会社プラップジャパン 取締役 戦略企画本部長