故郷 レンゲいっぱいに 母校・北郷小中へ種贈る

レンゲの種を実習田にまいていく児童たち

 日南市・北郷小中(村橋恭一校長、275人)の小学5年30人は、旧北郷中OBで大阪府寝屋川市の男性から贈られたレンゲの種を、同校実習田「輝田郷(きたごう)」にまいた。男性は故郷を花いっぱいにしたいと願っており、児童らは「春が待ち遠しい」と喜んでいる。
 男性は自営業川口泰男さん(72)。日南市北郷町に住む同級生の稲田敏男さん(71)の元に11月、川口さんから連絡があり、北郷で種がまける田んぼを探すよう頼まれたという。
 稲田さんは、川口さんの故郷に花を咲かせたいという思いに賛同し情報収集。もち米を栽培する実習田の話を聞き同校に連絡した。同校は5年生が毎年6月上旬に田植えをして、10月中旬に収穫する。今年も収穫を終え、休耕田となっていた。
 川口さんはレンゲの種約4キロを稲田さんに送付。作業は11月25日に行い、稲田さんの同級生2人も参加して児童をサポートした。児童は約6アールの実習田で種を次々にまいていった。
 稲田さんは「花が咲き、眺めることで、児童たちがいつか北郷を出たとき、故郷の風景を思い出してほしい」と笑顔。5年の河畑亜蓮君(11)は「種が全体に行きわたるように注意してまいた。満開になるのが楽しみ」と話している。

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