フィリピンのプライド・マーチが送る「憎しみよさようなら、愛よこんにちは」

(原文公開日は2016年6月26日)

「LGBTindig」という言葉は、自らの権利を擁護しようとするLBGTの人々にぴったりであり、差別の終結を求める言葉でもある。

フィリピンのLGBTコミュニティのメンバーや家族や支援者たちは、この国で22回目のプライド・マーチを祝って、愛と寛容と人権を賛美する機運を高めようとした。アジア初のプライド・マーチは、1994年に同国で開催された。

Source: Facebook

今年のテーマは、人々に号令をかけて社会に愛を広めることだった。

This year, we need everyone to come together and advance the campaign for love. We call on all Filipinos to let love into their homes, their communities, and the whole country.

We want a future where all LGBTQIA+ people are able to freely live their authentic selves and love without fear of persecution. To achieve this, everyone inside and outside the LGBTQIA+ community needs to end the hate and let love in.

今年はみなさんに、心をひとつにして愛を広げる活動を進めてほしいと思っています。すべてのフィリピン人に、家庭や地域、そして国全体へ愛を受け入れてほしいのです。

私たちは、LGBTQIA+の人々が迫害を恐れず、真に自分らしく自由に生き、愛することができる未来を求めています。彼らのコミュニティの内外を問わず、憎しみを捨てて愛し合ってほしいのです。

LGBTQIA+とは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア、インターセクシュアル、アセクシュアルをはじめとする人々を表す略語である。

新大統領就任の数日前に開催されたこのイベントは、実にタイムリーなものだった。というのは、複数の団体が、差別禁止法の可決に向けた支援をするよう、新政府に訴えたためである。国の指導者が、カトリック信者が多数を占めるフィリピンは開かれた民主主義の社会だと主張しているものの、LGBTの人々に対する偏見は今なお続いている。

報道されない事件も多いが、ヘイトクライムは根強く残っている。最近でいえば、トランスジェンダー殺害の罪で訴えられている米国海兵隊員が関与した事件が話題になった。LGBT団体のリーダーであるイヴァンカ・クストディオは、LGBTコミュニティへの犯罪に関する記事を書いた。イヴァンカは、先述したオロンガポ市のトランスジェンダー殺害事件やオーランド市のLGBT大量射殺事件など、注目度の高い事件を引き合いに出している。

We have barely recovered from the shock and grief caused by the Orlando shooting which cut short lives of LGBT people of color. 50 died that day. But they only foreshadow the millions of other LGBT lives that have been extinguished due to hate and violence. Lives lived in constant struggle for survival and finally punctuated by gunshots, or drowned in a toilet bowl, or slashed and stuffed in a luggage. In the process of building a community, we saw that there are people like us whose lives are deemed more dispensable than others and are treated as such.

私たちは、非白人のLGBTの人々が突然命を断たれたオーランド銃撃事件のショックと悲しみから、未だ立ち直れずにいます。その日亡くなった50人は、嫌悪や暴力のために絶たれた数多のLGBTの命の前触れにしかすぎないのです。生きようと戦い続けた挙句、銃でとどめを刺されたり、トイレの便器に顔を突っ込まれたり、切り刻まれて旅行かばんに詰め込まれたりしたのです。コミュニティ作りの過程で、シスジェンダーの異性愛者やそれと同等の扱いを受けている人たちよりずっと命を軽んじられている私たちのような人たちを目にしました。

マニラで2016年に開催されたプライド・マーチの写真には、LGBTコミュニティの人間性が写し出されている。

プライド・マーチに参加するフィリピン大学の学生たち。出典:Facebook

メインプログラムが行われたのは、スペインによる植民地化に抵抗して戦った英雄、ラプラプの像の前だった。

#LetLoveIn #Pride2016 pic.twitter.com/akcNHpxBnH

— Althea David Cahayag (@kiddo_says) June 25, 2016

興味深いのは、イベントに参加したある宗教団体が、いくつかの宗教施設で起きた偏見について陳謝したことだ。

I'm sorry for judging you.#LetLoveIn pic.twitter.com/Hxy92J2gi6

— Not Silent Majority (@TalkativeAko) June 25, 2016

決めつけてしまい、申し訳ありませんでした。#LetLoveIn pic.twitter.com/Hxy92J2gi6

— Not Silent Majority (@TalkativeAko) June 25, 2016

オーストラリア大使館の職員もパレードに参加した。

Australian Embassy joins #LetLoveIn #Pride2016 | @XaveGregorio pic.twitter.com/5YUjVSgEnL

— The Philippine Star (@PhilippineStar) June 25, 2016

オーストラリア大使館も #愛を受け入れよう #プライド2016 に参加します。 | @XaveGregorio pic.twitter.com/5YUjVSgEnL

— The Philippine Star (@PhilippineStar) June 25, 2016

最後に、感動的なマーチの締めくくりとして、ゲイの高齢者たちに敬意を表し、コミュニティの一員としての存在を認めたのだ。彼らの多くは、自らの性的指向を隠しながら人生の大半を生きてきた人たちであった。

Meet the Golden Gays of this year's #MetroManilaPride #LetLoveIn pic.twitter.com/DcuyTzXkIk

— InterAksyon (@interaksyon) June 25, 2016

今年の#メトロマニラプライドに参加されたゴールデンゲイ(シニアのLBGT)の皆さんです。 #LetLoveIn pic.twitter.com/DcuyTzXkIk

— InterAksyon (@interaksyon) June 25, 2016

校正:

Yasuhisa Miyata

原文 Mong Palatino 翻訳 Kaori Kuwayama · 原文を見る [en]

この記事 はGlobal Voices 日本語版から配信されています。