大地震で島が孤立したら… 神奈川・城ケ島、渡船利用し避難訓練

避難訓練に参加し、城ケ島から乗ってきた渡船を降りる島民たち=三浦市三崎5丁目「うらり」

 大規模地震で城ケ島大橋が損壊するという想定の災害対応訓練が1日、神奈川県三浦市・城ケ島と三崎5丁目の産直センター「うらり」周辺で行われた。横須賀市消防局三浦消防署や消防団、城ケ島の住民ら計約100人が参加、応援協定を結んでいる船舶を利用した島民の避難訓練や水難救助訓練をこなした。

 三浦市は昨年4月、三崎と城ケ島を結ぶ渡船「さんしろ」などを運航しているスバル興業と応援協定を締結。同社をはじめとする関係機関との連携を深めるため、三浦消防署が渡船を使った初めての避難訓練を実施した。

 午前10時、震度6強の大規模地震が発生し、城ケ島大橋が損壊。通行止めになり、島民が孤立して火災も起きたという想定で訓練を開始した。消防団員らが渡船に資機材やホースを積んで約700メートル先の島に到着。放水の後、島民約20人を船に乗せて「うらり」前に戻った。三崎側の海域では、海中に転落した3人を救助する訓練も行った。

 藤井正男城ケ島区長は「島民にとって、船を使った訓練は意味がある。実施できてよかった」と話していた。

© 株式会社神奈川新聞社