7~9月、長崎県観光動向調査 宿泊客数41.2%減 観光施設は56.9%減

 長崎県は1日、7~9月の県観光動向調査を発表した。県内181の主要宿泊施設の延べ宿泊客数は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い減少率が過去最大だった4~6月期から35.1ポイント上昇したが、前年同期比41.2%(55万4千人)減の79万1千人。27の主要観光施設の延べ利用者数も同様に28.9ポイント上昇したものの、同56.9%(82万3千人)減の62万4千人となった。
 主要宿泊施設の宿泊客数は、7月は県や各市町の宿泊助成の効果などで2カ月連続の改善。8月は新型コロナの再拡大で再び落ち込んだが、9月には「Go To トラベル」の効果で4連休に満室となった施設もあり、前年同月比24.7%減まで持ち直した。7~9月の累計客室稼働率は前年同期比21.1ポイント減の42.3%。
 宿泊動向を地域ブロック別に見ると、8月の新型コロナ再拡大の影響でハウステンボスエリアが大幅に落ち込んだ佐世保・西海・東彼・北松ブロックが同50.8%減。修学旅行の中止・延期やお盆期間の帰省自粛で、長崎・西彼ブロックも同45.6%減った。一方、諫早・大村ブロックは電子部品関連などのビジネス客需要の回復により同14.5%減にとどまった。
 主要観光施設の利用者数は、9月の九十九島動植物園やあぐりの丘、雲仙仁田道などは前年を上回ったが、修学旅行生の利用が多い長崎原爆資料館やグラバー園のほか、展覧会が中止・延期となった県美術館や長崎歴史文化博物館は回復が遅れている。
 県観光振興課は「全国的には感染拡大地域もあり先を見通せないが、おおむね回復基調にある。感染防止対策を徹底しつつ、本県の魅力を発信して誘客につなげたい」としている。

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