12球団で走者を出しにくい投手は誰? 千賀&山本を凌駕した意外な名前は…【パ編】

ソフトバンク・千賀滉大(左)とオリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

パ・リーグで最も走者を出しにくかった投手はロッテの二木

2020年のプロ野球はパ・リーグを3年ぶりに制したソフトバンクが4年連続の日本一となって幕を閉じた。日本シリーズではセ・リーグ覇者の巨人に2年連続で4連勝。2018年の第3戦からシリーズ新記録の12連勝、昨年からポストシーズン16連勝という圧倒的な強さを見せて、頂点へと駆け上がった。

その2020年シーズンは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が延期となり、開幕当初は無観客で公式戦が開催された。選手たちは難しい環境の中でも懸命にプレーし、そして、結果を残してきた。そこで、ここでは今季の投手成績に注目。セパ両リーグで最も“走者を出さない投手”を探ってみよう。

野球を科学的に分析するセイバーメトリクスの指標には「WHIP」というものがある。1イニングあたりに、投手が出す走者の平均を表しているものだ。この数字が低ければ、より走者を出しにくい投手となる。

【パ・リーグ】
・先発投手(80投球回以上)
1 二木康太(ロッテ)0.91
2 山本由伸(オリックス)0.94
3 石川柊太(ソフトバンク)0.98
4 D・バーヘイゲン(日本ハム)1.07
5 東浜巨(ソフトバンク)1.11

今季のパ・リーグでは、最多勝がソフトバンクの千賀滉大投手と石川柊太投手、楽天の涌井秀章投手、最高勝率は石川、最優秀防御率は千賀、最多奪三振は千賀とオリックスの山本由伸がそれぞれタイトルを獲得した。どの投手もリーグを代表する投手であることは言うまでもないだろう。

ただ、80投球回以上を投げた先発投手で最も走者を出しにくかったのは千賀でも山本でもない。意外と言っては失礼かもしれないが、それはロッテの二木康太投手だった。今季15試合に先発した二木は92.2投球回で規定には届かなかったものの、9勝3敗、防御率3.40をマーク。そしてわずか12個の四球しか与えておらず、抜群の制球力を誇り、WHIPは0.91だった。

ロッテ・二木康太【写真:荒川祐史】

リリーフでは西武の森脇、平良の2人が好数値を叩き出す

2位は山本で0.94。18試合に先発して8勝4敗、防御率2.20の好成績を残し、82被安打37与四球という内容だった。3位は最多勝と最高勝率の2冠に輝いた石川。11勝をマークした右腕は41四球12死球と四死球は多かったものの、111.2回で68被安打と被打率が低く、WHIPは0.98だった。4位には日本ハムのバーヘイゲン、そして5位にはソフトバンクの東浜巨が入った。

その一方で投手3冠に輝いた千賀は5位までに入らず。千賀は特に前半は不安定な投球が続き、今季は121投球回で90被安打59四死球を許している。WHIPは1.21でパ・リーグの先発投手では11位相当となった。

・救援投手(30投球回以上)
1 森脇亮介(西武)0.90
2 嘉弥真新也(ソフトバンク)0.93
3 平良海馬(西武)0.96
4 森唯斗(ソフトバンク)1.01
5 牧田和久(楽天)1.02

パ・リーグで30イニング以上に投げたリリーフで最も走者を出しにくかったのは西武のセットアッパーとなった森脇亮介だった。今季47試合に登板して7勝1敗1セーブ16ホールドをあげた右腕は46.2投球回で22安打21与四死球。パ・リーグの並居るリリーバーの中でトップとなるWHIP0.90を叩き出した。

2位はソフトバンクの“左キラー”嘉弥真新也。今季は50試合(30イニング)に投げて3勝1敗0セーブ18ホールドをマークし、WHIPは0.93。そして3位は西武の新星・平良海馬。54試合で33ホールド、防御率1.87をマークした剛腕はWHIP0.96を記録した。4位はソフトバンクの守護神・森唯斗で、5位は楽天の牧田和久だった。

また、投球回を20イニング以上とすると、巨人からトレードで移籍したロッテの澤村拓一投手がWHIP0.85で、嘉弥真と平良の間に入ってくる。(Full-Count編集部)

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