元ウォール街のカリスマ投資家が考える、日本で効果的な「成功戦略」とは?

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10歳まで日本で多くの時間を過ごし、10代は米国に移り、20代はウォール街で働き、現在は帰国して投資系YouTuberとして活躍している高橋ダンさん。日本と米国の違いをよく知る高橋さんが、ウォール街で学んだ「成功法則」とは何か? 前回に引き続き、著書『世界のお金持ちが実践するお金の増やし方』から抜粋して紹介します。


「間違い」を認めないカルチャー

私は10歳までの多くを日本で過ごしたので、「日本では間違いを犯すと、とても批判される」というカルチャーを肌感覚でわかっています。小さいときから「間違いをしないように」と育てられた人も多いのではないでしょうか。

日本では、電車は時刻表通り走ることが当たり前ですし、洋服には汚れが付いてないように注意をしますし、料理をするときにはレシピ通りつくる人が多いです。その結果、整理が行き届いていて、とてもすばらしい社会だと思います。

しかし、どんなことにも利点があれば欠点もあります。世界にはお金持ちになりたいと考える人はたくさんいます。その中でお金持ちになるには、厳しい競争を勝ち抜く必要があります。

その過程で、ときに極端な行動をとらなければならないこともあるでしょう。当然、失敗もします。だからこそ、失敗を経験して、上手に失敗する術を学ばなくてはならないのです。

私が20代にウォール街で働いているとき、「お金持ちになりたいか?」とメンターから聞かれました。「当たり前じゃないか」と答えると、彼は「それなら、失敗の仕方をマスターするんだ」と言いました。

私は「成功の仕方をマスターするんじゃないの?」と聞きました。すると彼はこう答えたのです。「違うよダン。なぜ失敗の仕方をマスターするのか。失敗の仕方をマスターすれば、それを回避する方法がわかる。そして失敗を回避していれば、成功は自ずとやってくるものなんだ」

損失が出たときに損切りするのは、何度経験しても痛みを伴います。そのため、私自身も損失を出すたびに「私は間違っていない、あいつのせいだ」と人に責任を押し付けたりしていました。

しかし、早めに損切りをして失敗の経験を積み重ねていくと、早く立ち直れるようになりました。それによって、失敗をポジティブにとらえられるようになり、二度と同じ失敗を繰り返さないような対策を考えることもできました。

これがメンターの言っていたことなのです。結局、理解するまでにはずいぶん時間がかかりましたが、メンターの教えは私の生き方のベースになっています。

日本人に効果的な「逆戦略」とは?

よく「日本は多様性がない」といわれたりします。島国ということもあるでしょうが、これはメリット、デメリットというより文化的な特徴です。

たとえば数年前にビットコインが大きな話題になりました。そのときには日本にも仮想通貨の会社がたくさんできました。これはビットコインだけではなく、あらゆるところに表れています。たとえば東京を歩いていると、同じような店をたくさん見かけます。同じ客層をターゲットにした店ばかりです。

そんな日本では、「逆戦略」が非常に役に立ちます。他の国では一人ひとりが別々の考えを持ち、別々の行動をしているので「逆戦略」は成り立たないのですが、同じ行動をする人が多い日本だからこそ使えるケースがよくあります。

「逆戦略」とは、他の人が“やっていないこと”や“考えていないこと”を実践すること。みんなが一つの方向を向いて同じことをやっていたら、その逆を考えてみてください。

投資であれば「みんなが売っているときに買う」と考えてみるのです。もちろんナイフが落ちるときにつかんではいけないのでリスクもあります。経験とタイミングが必要です。ただ、大きなチャンスを得られる可能性があります。

人と逆のことをすると、風当たりは強くなります。私の人生でも何度も周囲から指摘されました。

「なぜウォール街を出たのか?」
「なぜ大手の投資銀行を辞めたのか?」
「なぜ、小さなヘッジファンド会社へ行ったのか?」

しかし当時、私と競争していた人たちは、ほとんど同じ方向を向いていました。ですから私は隙間を見つけようとしたのです。リーマンショックの後はみんな「仕事があるだけで嬉しい」という状態でした。そのため、良い仕事があっても「転職しよう」という人はほぼいませんでした。

そこで私は隙間を見つけて交渉をしたので、良い就職先を見つけることができました。他の人がやっていないことを見つける。トレンドが大きいほど、逆のことを実行すると大きなチャンスになります。特に日本人は周囲の人と同じことをする傾向があるので、こうした逆戦略は有効です。

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