神奈川県警ノンキャリア最高位の地域部長、部下に暴言か 「業務指導」検討もパワハラ認定は見送り

神奈川県警本部

 部下に対する暴言など行き過ぎた指導があったとして、神奈川県警が本部地域部長の男性警視長(60)について業務指導を検討していることが2日、関係者への取材で分かった。部下の男性警視が精神的苦痛で体調を崩して、10月下旬から休んでいるという。

 関係者によると、警視長は6月、職務質問強化月間に関する報告を行った警視に対し、「おまえ(の説明)は巡査並みだ」などの暴言を浴びせて厳しく叱責(しっせき)したほか、手渡された書類を投げ返すなどした。その後も高圧的な態度で接したという。

 他の複数の部下に対しても、威圧感を与えるような言動を繰り返していたとの情報があり、県警監察官室が調査。行き過ぎた指導が複数確認されたという。パワーハラスメント行為の認定は見送った。

 業務指導は懲戒処分よりも軽い訓戒や注意にも至らない内容。ただ、幹部職員が不適切な言動で職場内の雰囲気を乱していたことは看過できないと判断したとみられる。

 警視長は昨年9月に地域部長に就いていた。警視長の階級はノンキャリアの警察官が就くことができる最高位で、県警ではキャリアを除いて2人しかいない。国家公務員に当たるため、県警は警察庁とも協議し対処を決めた。

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