喜びと感謝胸に舞台へ 主演の轟悠 宝塚歌劇団

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「情緒豊かな音楽に助けられている」という轟悠=兵庫県宝塚市の宝塚大劇場

 宝塚歌劇団は4〜12日、大阪市北区の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでミュージカル「シラノ・ド・ベルジュラック」を上演する。主演は専科の轟悠(とどろきゆう)で、新型コロナ禍で約半年延期となった待望の舞台に瀬央ゆりあ、小桜ほのから星組生と臨む。

 フランスの剣豪詩人シラノ・ド・ベルジュラックを主人公に、エドモン・ロスタンが描いた戯曲で、容貌に悩みながら見返りを求めず人を愛するシラノの純粋な心が描かれる。1897年の初演以降、世界中でさまざまな舞台作品が上演され、宝塚は1995年に「剣と恋と虹と」と題してミュージカル化した。

 今作は大野拓史の脚本・演出で、「台本を受け取ったその日から、寝るに寝られない状態が続いた。古典的な台詞回しで覚えづらいが、現代のテンポに合わせてやる。たったの5場しかなく出たら出っぱなし」と苦笑いする轟。

 「お稽古しながらアイデアが浮かぶ先生」という大野の演出は、観客を思い、演者の良さを引き出すものだといい、「きっと外部のミュージカルよりも吹き出してしまうような要素が増えている。絶対に楽しい作品になる」と断言する。

 シラノの特徴である大きな鼻は、毎回専門家が15分かけてつけるという。それをコンプレックスに持つシラノは、思いを寄せるロクサアヌ(小桜)と美青年クリスチャン(瀬央)の2人の恋を支える。「自分の思いを素直に伝えられないもどかしさなど、見ていて自分を重ね合わせられる部分が作品に多く現れている」

 昨夏のミュージカル「チェ・ゲバラ」以来の主演作。「やっと舞台に立てる」という喜びを胸に、「宝塚の舞台を支えとしてくださっている皆さまのためにも、やるべきことをきっちりやって、次につなげていきたい」。