平戸・鯨創作料理 文化伝え 新しい食べ方提案

生月伝統の鯨料理「じりじり」などが調理されたイベント「れいわ鯨肉調味方」=平戸市生月町

 捕鯨基地として繁栄した長崎県平戸市生月町で、鯨肉食文化に触れるイベント「れいわ鯨肉調味方(ちょうみかた)」が2日、同町の市生月町中央公民館であり、「竜田揚げ」などの伝統料理の他、「赤身のにぎりずし」など創作料理7点が披露された。

 同町で、国内の研究者4人を招いて20日に開くシンポジウム「古式捕鯨とはなにか」(同実行委など主催、長崎新聞社など後援)の関連イベント。江戸時代、日本最大規模の鯨組「益冨家」の本拠地があった生月島には、多様な鯨料理が残る。近年、食べる機会が少なくなった鯨料理を継承、記録し、新しい食べ方を提案するのが狙い。
 同町山田、舘浦地区の主婦19人が五つの班に分かれ、約2カ月かけて創作料理を考案。この日は伝統料理と合わせ計18点を仕上げ、同シンポジウム実行委の関係者らと試食した。
 伝統料理ですき焼き風の煮込み「じりじり」を調理した近藤枝美子さん(69)は「創作料理はみんなが試行錯誤を繰り返した。いつもより多くの鯨肉を使うことができうれしかった」と振り返った。実行委は、メニューのレシピと調理の過程を動画と冊子で記録として保存する。
 同実行委はシンポジウムの聴講者を募集している。定員は150人。締め切りは10日。無料。問い合わせは実行委(0950.53.3000)。

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