2年目助っ人はいずれも期待外れ、新加入勢は奮闘も…助っ人診断【阪神編】

阪神のジェフリー・マルテ(左)とオネルキ・ガルシア【写真:荒川祐史】

投手では新加入のスアレスがセーブ王を獲得

ソフトバンクの4年連続日本一で幕を閉じた2020年のプロ野球。シーズンオフに入り、各球団は本格的に来季の戦力編成に着手している。すでに来季の新助っ人が決まった球団もあり、今後は続々と発表されていくことだろう。

では、12球団の助っ人外国人は今季、どれほどの活躍を見せたのだろうか? 各球団の助っ人たちの成績を検証し、その働きを診断していってみよう。今回はセ・リーグ2位に終わった阪神だ。

・投手
オネルキ・ガルシア(1億6500万円)
14試合2勝6敗0セーブ0ホールド 防4.42

ロベルト・スアレス(8000万円)
51試合3勝1敗8ホールド25セーブ 防2.24

ジョー・ガンケル(5500万円)
28試合2勝4敗11ホールド0セーブ 防3.18

ジョン・エドワーズ(8800万円)
23試合0勝1敗12ホールド0セーブ 防2.38

呂 彦青(800万円)
1軍出場なし

阪神は、2019年限りでチームを去ったラファエル・ドリス、ピアース・ジョンソン、ランディ・メッセンジャーの穴を埋めるべく、3人の投手を補強した。その中で最も活躍したのといえるのは、ソフトバンクから移籍したスアレスだ。開幕当初はセットアッパーとして起用され、藤川球児が7月12日に抹消となると、その日からクローザーとなりチームトップの51試合に登板した。常時150キロ後半の直球を投げ込む投球で、25セーブを挙げ最多セーブのタイトルを獲得した。

ガンケルは先発として勝利を挙げることはできなかったが、シーズン中盤は中継ぎとして安定感のある投球を見せた。エドワーズは開幕戦に登板後、すぐに抹消されたが、9月以降中継ぎとしてチーム2位の12ホールド、防御率2.38とチームに貢献した。昨季から在籍するガルシアは、先発の一角として期待されていたが2勝6敗と結果が残せなかった。

来日2年目のマルテは、29試合の出場にとどまる

・野手
ジャスティン・ボーア(2億7000万円)
99試合329打数80安打17本塁打45打点 .243

ジェリー・サンズ(1億2000万円)
110試合377打数97安打19本塁打64打点 .257

ジェフリー・マルテ(1億4000万円)
29試合103打数26安打4本塁打14打点 .252

野手では、昨季悩まされていた得点力不足を解消するため、韓国(KBO)で打点王を獲得したサンズ、メジャー通算92本塁打のボーアを補強した。

サンズは開幕こそ2軍スタートだったが、6月27日に昇格すると、その日の試合でDeNAの山崎康晃から来日初本塁打となる逆転3ランを放った。シーズン終盤こそ少し苦しんだが、得点圏打率はリーグ5位の.333、出塁率はチームトップの.363と、年間を通して主軸として活躍した。

ボーアは開幕から18打席連続無安打と苦しんだが、徐々に調子を上げ17本塁打45打点の成績を残した。しかし高額な年俸がネックとなったのか、今季限りでの退団が発表された。マルテは開幕戦に「3番・三塁」で先発出場するも、怪我もあり7月11日に2軍に降格。10月にようやく昇格するも、4本塁打14打点と結果は残せず、期待外れの成績に終わった(今季年俸はすべて推定)。(Full-Count編集部)

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